カウンセリングの効果は「大きい」

 カウンセリングに来て話をする。もちろんカウンセリングを利用するときには、さまざまな人生の問題や精神的な苦しみのまっ最中にいます。

 カウンセリングというものがあるのは知っているけれども、一体どういうものなんだろう?カウンセラーに向かって話をすることにどんな意味があるんだろう?というのはもっともな疑問ですよね。今回のコラムでは、カウンセリングに「どのくらい効果があるのか?」を考えていきます。

■カウンセリングの効果量は「大きい」

 カウンセラーはクライエントの話を肯定的に、関心を持って耳を傾けます。それぞれのカウンセラーが学んだ理論や技法によって、カウンセラーの中でより注意を持って聞いているポイントは異なりますが、カウンセリングの基本的な考え方は「人と人が向き合って、自分のこころの内をオープンにして話をする、聴く」というところにあります。

 カウンセリングはいくつかの理由から「ほんとに効果があるの?」という目で見られてきた歴史があります。一見誰でもしていることをしている(話しは多くの人たちがして、聞いていますよね)ように見えるし、ほとんどの場合、特別な道具も使わないですし、医療のように物理的になにかを測ってこころの変化を見ることも難しいものですから。

 ですから、たくさんのカウンセラーや心理学の研究者たちも、カウンセリングは効果があるのか?という健全な疑問を持って研究を重ねてきています。

 さまざまな分析や研究の積み重ねの結果、現在では「悩んでいることやこころの問題、人生の障害に出会った際のカウンセリングの効果は大きい」ことが示されています。

 数値で見ると、効果量という統計的な数値で、「効果量は大きい」ということが繰り返し示されています。もう少し具体的に見てみると、平均的な効果量ではカウンセリングを受けた方の約8割が、カウンセリングを受けていない人よりも大きな改善を示しています。

 もう少し効果量の話を続けてみると、効果量は「小さい」、「中程度」、「大きい」と目安があります。カウンセリングの効果量が「大きい」ので、身近なものごとを効果量で比較してみると、

例えば
・学力における学級規模(少人数学級とかですね)は成績におよぼす効果量としては「小さい」
・睡眠薬と、慢性的な不眠症の短期的改善の関わりは「中程度」
・成人の加齢と情報処理のスピードの低下との関連「大きい」

といったことが挙げられます。だいたいの感じとして、カウンセリングの効果量の「大きい」が示すものがつかめるのではないかと思います。

カウンセリングは、人生の障害やこころの問題、様々な悩み事、困ってしまっていることにずいぶんと効果が期待できるものなのです。


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