トラウマの心理療法について整理をしてみよう2 安全の技術その2 外的リソース

わたしたちの生活を文字通り物理的に支える外的なリソースも大切です。あまりにも当たり前にあるので、普段意識に上らなくなってしまいがちです。けれども、外的リソースは文字通り、物理的に、現実的に、具体的に生活そのものを支え、そしてその結果としてこころも支えています。そのような外的リソースがあることを、それに気づくことそのものがまたリソースとして働きます。

外的リソースの難しいなという点は、そのリソース自体が実はトラウマの原因になることもあるということですね。頼りになる家族は大事な外的リソースですが、トラウマを抱えている人にとっては家族そのものがトラウマの原因だったりトラウマを刺激するものだったりします。どんなものがリソースとして働くかはひとりひとり異なります。そこを踏まえてなにが代表的な外的なリソースとなるか整理してみましょう。

代表的な外的リソース

1.人間関係:(家族、友人、職場や学校の親しい人たち)は大切な外部リソースです。(しつこいようですが、リソースではない人ももちろんたくさんいます。)

2.専門機関:カウンセリング、医療、地域の様々な相談機関。そういったものも大事な外部リソースです。

3.情報:インターネットや本を通じて知識を得ることも大切です。情報がたくさんあるので、使い方に気をつける必要がありますが、知識はとても重要です。

4.自分が好きなもの、気を許せるもの、こと:は大事なリソースです。ペット、ぬいぐるみ、植物、クッション、音楽、いろいろなものや事が自分を支えています。

5.仕事や学び:。この場合の仕事とは単純にお金を稼ぐことだけにはとどまりません。誰かのために行うこと(それが自分のためであっても)役に立つこと。そういったことも仕事ですね。

6.リソースを書き出してみる(アウトプットしてみる)こと:書き出してみる、音声や映像で残しておく。自分を支えるもの、リソースがひと目で把握できたり、苦しいときに思い出しやすい、見えやすい形式になっていることも役に立つリソースです。

自分の外に自分を支えるもの、役に立つもの、ほっとできるものがあることに気づくことは、とても大切なことですね。何もかもが遠くに感じ、自分を助けるものなんてあるんだろうか?ひどくトラウマに囚われてその外に出ることができないと、そんなふうに世界が感じられることがあります。そんなときに手で触れる、目で見える。電話をかけたりメールができたり。そういった自分の外部にあるリソースも確認して利用していきたいですね。


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