個別の心理療法について　１　ブレインスポッティング　２

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・他の心理療法との違い
・ブレインスポッティングのメリット
・どのような仕組みでトラウマを解消していくのか
・ブレインスポッティングが向いている人。どのような種類のトラウマに効果があるのか？
・ブレインスポッティングを受ける際の注意点
・まとめ

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１．他の心理療法との違い
ブレインスポッティングは、トラウマ体験に伴う強い感情や身体感覚に焦点を当て、それらを安全な環境の中で処理していく心理療法です。他の心理療法と大きく異なる点は、言葉によらない刺激を多く利用する点です。視覚的な刺激を利用することです。カウンセラーと一緒に、トラウマ体験と関連のある視覚的な場所（ブレインスポット）を見つけ出し、そこに視線を集中することで、脳がトラウマ記憶を処理しやすくなるよう促します。

2. ブレインスポッティングのメリット
これまでの心理療法と異なる点として、「言葉にすることが難しいトラウマ体験を持つ方にも有効」、「短期間での効果が期待できる」、「身体感覚に焦点を当てる」ことが挙げられます。
その結果、
トラウマ記憶へのアクセスが容易になる
トラウマ症状（フラッシュバック、悪夢、回避行動など）の軽減
情緒的な安定性の回復
日常生活への復帰を促進
自己肯定感の向上
といった効果が期待できます。

3. どのような仕組みでトラウマが解消されるのか
ブレインスポッティングは、視点を定めることと身体感覚に注意を向けることを通して、脳の神経回路の再編成を促します。特に脳科学的に神経回路の再編成。扁桃体の活性化。トラウマ記憶に関連する神経回路の活性化と再編成。それらの効果的な処理を行います。

4. ブレインスポッティングが向いている人、どのような種類のトラウマに効果があるのか
トラウマ体験を持つ人。 PTSD、複雑性PTSD、虐待の経験者など。
言語化が難しい人。言葉で表現するのが難しい感情を抱えている人。活性化が激しい、解離が強い人。子ども。
他の心理療法で効果がなかった人。

5. ブレインスポッティングを受ける際の注意点
信頼できるセラピストの選択。ブレインスポッティングは専門性の高いカウンセラーによる実施が重要です。現在日本ではBTI-Jによって研修が実施されています。
治療期間は個人差がありますが、数回のセッションで効果を実感できる場合もあります。
副作用について。トラウマに触れることにより、一時的に症状が悪化する可能性もあります。

6. まとめ
ブレインスポッティングは、トラウマの克服に有効な心理療法の一つです。
これまでの心理療法では難しかった問題にも対応できる可能性があります。
身体感覚に働きかけることで、より深いレベルでの癒やしをもたらすことができます。

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参考文献
ブレインスポッティング入門　デイビッド・グランド著

最高のパフォーマンスを実現する! 【ブレインスポッティング・スポーツワーク 】~トラウマ克服の心理療法~　アラン・ゴールドバーグ 著, デビッド・グランド 著

鈴木孝信(2020).　ブレインスポッティング:新しい複雑性PTSDへの心理療法―視野上の注視により強められたトラウマへの焦点化と共通要因の活用―　精神神経学雑誌　122, (10), 781-788.

脳からトラウマを消す技術　鈴木孝信著