「あなたは将来何になりたいの?」と子供に聞くと、子供の可能性を引き出すことができない
コーチングの基本的な考え方に「肩書はゴールにならない」というものがあります。
これは例えば「社長になる」「弁護士になる」「プロ野球選手になる」と言ったものです。
なぜ肩書はゴールにできないのでしょうか?
今回はゴールと肩書について解説します。
「なりたい職業ランキング」は全く意味がない
私たちは子供のころから「将来は何になりたいの?」と聞かれてきました。
「宇宙飛行士」「プロスポーツ選手」「弁護士」と答えてきたと思います。
そして、そのために努力することを求められてきました。
だから私たちは職業を考えるときに、まず「職種」や「肩書き」から考えてしまう癖がついてしまったのです。
今でも「人気の職業ランキング」などがあり、自分が何になりたいかを意識づけられています。
しかし、実際にこの質問は全く意味を成しません。
なぜなら「肩書き」はただの名前であり、その名前が何かをするわけではないからです。
しかもこの「肩書き」は多くの場合は単に人気者になれるや、なると社会的ステータスが得られるとか、優越感を感じられるとか、誰かが良いと進めたからという理由が多いのではないでしょうか?
いまだに中高生の人気職種ランキングには「公務員(一般行政職)」があがってきているのがその最たるものでしょう。
中学生が「公務員(一般行政職)」に憧れる理由は何でしょうか?
本当に市役所や区役所に行って、そこで働いている人たちを見て憧れているのでしょうか?
おそらくそうではなく「公務員は安定している」と親や学校の先生から言われたからではないでしょうか?
このようになりたい職種を考えることは本質的にあまり意味がないのです。
ゴールの本質は「何を成し遂げたか」
例えば「国会議員」になりたいという人がいたとします。
彼は政治家になるために、大学でも政治経済学部や国際政治について勉強し、国家公務員一種試験を受け、官僚になりました。
そして数年して地方議員で立候補し、数回の当選ののち、国政選挙に出馬し見事「国会議員」になったとします。
しかし、本当に大事なことはそれからのはずです。
国会議員になり、国民のために、日本のために国政を正しく運営することに尽力し、より良い社会をつくることが本来の目的のはずです(人によってもちろん表現は違いますが、一般的に言って)
ところが現在の国会議員はどうでしょうか?
一度国会議員になると、本来の目的ではなく、いかに次の選挙でも当選するかが主目的になっていないでしょうか?
次回も当選するためには、地元の有力者や後援会の人たちに対して見返りを提示し、次も応援してもらえるようにしなければと奔走したり、あと2回当選すれば「大臣」の椅子も見えてくるなとか。
つまり「国会議員」という「肩書き」を維持することが目的になっているという事です(もちろん中には本質を見失わずに国政を行っている立派な国会議員もいますが)
「国会議員」になるためにはそれなりの努力を必要とし、あたかもその肩書きを得ることは素晴らしい結果を出したように見えます。
しかし実際には「国会議員」になることはあくまで本来の目的果たすための手段であるはずです。
つまり「肩書き」を得ることはゴールを達成するための「手段」であるべきでゴールにはならないという事です。
子供には「将来何が欲しいの?」と聞いてあげよう
では子供に「将来何になりたいの?」と聞いてはいけないということは、何を訪ねればいいのでしょうか?
最もいい質問は「将来何が欲しいの?」「将来何を手にしたいの?」です。
または「将来は何がしたいの?」と聞いてあげましょう。
この質問をすることで、子供は自分が行動した結果、何を手にしたいのか?を考えることができます。
そしてこの何が欲しいかも、出来ればできるだけ抽象度が高いものを示してあげるとさらにいいでしょう?
つまり、「お金」や「いい車」が欲しいという即物的なものではなく、「人々が幸せに暮らせる社会」や「戦争や差別がない社会」が欲しいなど、出来るだけ多くの人を巻き込んだものに導いてあげることができれば、子供の可能性を大いに引き出すことができます。
そしてここで大事になるのが、そのためには「自分は国際的に活躍する外交官」や「多くの人を幸せにできる国会議員」になるとするのは何の問題もありません。
つまりあくまで役職や肩書きは目的を達成するための手段というわけです。
まとめ
いかがでしょうか?
以上のことをまとめると
✅子供に「あなたは将来何になりたいの?」と聞いてはいけない
✅「肩書き」は本来の目的の「手段」でしかない
✅子供には「将来何が欲しいの?」「何を手に入れたいの?」と問いかける
✅欲しいものは出来るだけ抽象度が高く、多くの人を巻き込んだものにする
こうすることで、子供の可能性を引き出せるかもしれません。
ぜひ試してみてください。
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