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上司は「天才」を「凡人」にしてはいけない

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「上司の役割」について考えてみます。

天才的な社員

私の部下に入社1年目ですが、天才性を持った女性社員がいます。

彼女は学生時代に様々なことに挑戦し、一度自分が決めたことに関しては結果を残してきました。
大学院の時には突如アフリカに行くと言って、周りの反対を押し切り1年間アフリカで原住民と一緒に暮らしてきたというのです。

「女性一人で危なくなかったの?」と聞くと、「危ないこともありましたけど、そこは信頼できる人にすぐに助けを求めたので大丈夫でした」というのです。

「それはたまたまでしょう」「その信頼できそうな人が本当は悪人だったらどうするの?」と普通なら心配になりますが(事実私も心配になりましたw)、彼女には特別に人を見る才能があるようで、現地に行っても信頼できる人を見つけては、自分の身の安全を確保しながら、特に大きなトラブルなく、自分がやりたかったことを実現して帰ってきたのです。

どんな思考回路をしているのか興味があって、面接のときにも聞いたのですが正直私にはロジカルな理由があって行動をしたというようには見えませんでした。

おそらく直感で判断し、その直感がことごとくプラスの方向に働いたのではないかと思います。

私は「この子は天才的な勘が働く子なんだ」と思いました。

天才が凡才になっていくプロセス

そんな彼女が私の会社に入社を決め、そして私のチームに配属になりました。正直、会社の枠組みにはハマらないタイプの人間だから、すぐに辞めてしまうのではないかと思っていました。

ところが彼女は、与えられた仕事を「面白い」と言ってこなし、他に入った同期をあっという間に置き去りにして、成果を出し始めたのです。

彼女はサラリーマンとしても成果を十分に出せることを示したのでした。

ところが入社からしばらくたった時に彼女と面談をすると、彼女から「自分に足りないところを今勉強中です」という言葉が出てきたのです。

なんでも直属の上司が彼女の苦手な仕事や、足りないスキルを指摘してくれたらしく、彼女はその点を改善したいと考え、課題改善に取り組みだしていたのです。

面談中彼女は「自分の苦手な部分を克服して、これから伸ばしていきたいと思います」と決して嫌なことをしているというわけではなく、自分が苦手なことを克服することはプラスになると考え、前向きに取り組もうとしていました。

おそらくこれは普通の会社であれば、新入社員なら当たり前の行動であり、彼女の苦手な部分や不得手なことをちゃんと指摘して指導している上司は素晴らしい上司だと思います(実際、この上司のことも私は非常に高く評価していて、さすが良い指摘をしているなと思いました)

しかし、私は彼女が自分の弱みや課題克服に力を注ぐことにはいささか不安を感じました。

なぜなら「これだと彼女は普通の社員になってしまう」と思ったからです。

「弱みの克服」ではなく「強みを強化」する

彼女がやっていることは「弱みの克服」でした。

これは彼女の能力の中では相対的に弱い部分を平均点か、できればちょっとプラスに持っていこうというアクションになります。

もちろん多少は改善されるとは思いますが、20数年生きてきて苦手にしていたことが突然得意に変わることは殆どありません。
なかには課題克服に取り組んで得意になったという人もいるかもしれませんが、それはそもそもやったことが無かっただけで、やってみたら得意だったということがほとんどです。

いずれにしても苦手を克服するのはとてもエネルギーがいりますし、またそれが本当に得意になるのは確率的には極めて低いと言えます。

そこで私は彼女に対して「弱みの克服も大事なことだけど、それ以上に大事なことは強みを磨くことだよ」と話しました。

強みとは「相対的に見て人よりも勝っている部分」です。

彼女でいえば「世の中の人がロジカルに考えてやっと出せるかどうかという解を直感的な勘で一気に最適解を見つけることができる能力」です。

これは優れた経営者が持っている能力で、他の人から見たら「それ本当?」「大丈夫?」と思うような突拍子もないアイデアなのですが、でもやってみると「確かに、これしかなかったかもしれない」というように、結果をみれば皆が納得する解になっているのです。

これは決して凡人には出せないアイデアで、天才的なヒラメキが必要なのです。

私は彼女に「君にはきっとこういう才能がある」と伝えて、この強みを伸ばすことを意識したほうが良いと伝えました。

ただし、強みはやみくもに磨いてもダメで、ビジネスパーソンは「できるだけ多くの人の役に立つように磨く」ことが求められます。
この強みの磨く方向性がとても大事なのです。

強みを磨くトレーニング

彼女もその話しには同意してくれて「どうしたらその強みって磨けるんですか?」と質問をしてきました。

そこで私は「とにかくその分野の情報をたくさん頭の中にインプットしよう。そして何か解決すべき課題が見つかったときは、自分の直感で良いので解決策を考えてみて」と伝えました。

私も彼女の天才性を伸ばすための具体的な方法は知りません。
しかし、天才的な発想をする人は、おそらくたくさんの情報を頭の中に詰め込んで、最後に直感で最適解を見つけ出しているのではないかと思ったので、彼女には情報をインプットすることだけを指示したのです。

あとは必要な時に、彼女が勝手に解を見つけるだろうと思いました。

おそらく最初のうちは間違った解を出してくる可能性もあるでしょう。しかしそういった失敗をするうちに、次第に精度の高い最適解を見つけることができるのではないかと考えました。

このように、その人の強みである能力を特定し、その強みを伸ばすためのトレーニングを課すことが、その人の天才性を伸ばすのです。

まとめ

私たちは自分たちがされてきた教育方法を、後輩にも課してしまうことがよくあります。

おそらくそれは統計的には正しいアプローチだと思います。
しかし、それをすることによって部下の天才的な能力を、もしかしたらダメにしてしまう可能性もあり得ます。

そして入社したころはスゴイと思ったのに、3年くらいたったら普通の社員と何ら変わらないということは、よく起こることなのです。

私も彼女に対してはまだ実験中で、今後彼女がその天才的な直感を仕事で発揮するかどうかは未知な状態です。

しかし、もしそれが成功すれば他に替えがきかない社員になってくれるはずです。

上司の役割は部下の才能を最大限に発揮する環境を与えることではないかと思います。

皆さんは部下の才能を伸ばすためにどんなことをしていますか?
ぜひいいアイデアがありましたらコメントいただければと思います^^

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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