あなたと隣の人は全く違う世界にいる
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「人間が認知できること」について解説します。
パパには見えない
今朝朝ご飯を食べている時に5歳の娘が「チップとデールだ~!!」と叫びました。一瞬何のことかさっぱりわかりませんでした。
ところが指を指す方向を見ると、私が食べていた納豆のフィルムに「チップとデール」というディズニーのキャラクターが印刷されていたのです。
私は娘から言われるまでそんなキャラクターが印刷されていることに全く気がつきませんでした。
私はこの納豆が好きなので、これまでに何度も買っています。今朝食べていたものも自分で買ってきたものです。つまり自分の目には何度もキャラクターが写っていたはずなのです。それにもかかわらず、私は全く気がついていなかったのです。
極端なことを言えば、そのキャラクターは私の中では「存在していなかった」も同然だったのです。
人間は全く違う世界を見ている
私たちは普段生きていると、自分が見ているものは他の人も見ていると勘違いしています。
自分の奥さん(旦那さん)は自分と同じものが見えていると勘違いしています。
例えば私の奥さんは洗面台の鏡についている水滴が見えません。私が何度水滴を拭いても、妻は一切拭こうとしないのです。この水滴は私には見えているのですが、妻には見えていないのです。
また、あなたの会社の仲間には、あなたには見えているリスクが見えていない可能性があります。
例えば上司が朝から機嫌が悪い姿があなたにはハッキリと見えていました。ところが隣に座っている同僚にはその上司の顔つきは見えていないため、上司がキレるような報告を朝イチで行ってしまいました。
このように人は同じ物理空間で生きていながら、全く違う世界を見ています。
そのことに気が付かずにコミュニケーションをとっていても話しが噛み合わないのは当たり前なのです。
人間は自分にとって重要なものしか意識できない
これは人間が持っている脳の「認知特性」から来ています。
人は自分にとって重要なものから順番に意識に上げているため、自分にとって重要でないことは意識に上げることが難しいのです。
私にとっては自分が好きな納豆であることが重要で、その商品名は見えていてもフィルムに印刷された「チップとデール」は重要ではないので意識に上げることができませんでした。
ところが、娘が納豆のフィルムに書いてあるディズニーキャラクターに意識が向いていることがわかった途端、私にもキャラクターが見えるようになりました。
実際、別の時にスーパーに寄った時には、同じ納豆を目にした瞬間、私の目にはハッキリとディズニーキャラクターが見えていました。(今度はプーさんとミニーちゃんにしましたw)
先ほどの同僚も上司から怒られたので、翌日から上司の顔色が見えるようになったに違いありません。(なかにはそれでも重要度が上がらない人もいますが)
このように人は自分にとって重要かどうかで意識に上げるかどうかを決めているので、人によって全く異なる世界が見えているというわけです。
見えないものを見るためには
では皆さんが見えていないものを見えるようになるためにはどうしたら良いのでしょうか?
その一番の方法は「知識」をつけることです。
重要かどうかの判断は「知識の量」によって決まります。
例えば大学で物理学を勉強した人にはスマホで地図を見た時にGPSデータは相対論による時間のズレが生じていることを知覚できます(わずかながら自分のいる位置がズレていることを)。
これは相対論誤差を計算しないと衛星と地上では位置を特定する際に大きなズレが出るからです。
同じように工学を勉強した人は電車に乗っていても、電車がどうやって動いているのか、どうやってブレーキをかけているのかを感じ取ることができます。
これは全て「知識」があるから意識できるのです。
そのため知識がある人と、ない人とでは見えていると世界が全く違うのです。
まとめ
私たちは同じ物理空間を共有していますが、見えている世界は全く異なっています。
つまり人間は「一人一宇宙(ひとりいちうちゅう)」の世界で生きているのです。
その重なり合っている度合いが強いものはお互いに共有できますが、重なり合っている度合いが低いものは、全く見ることが出来ないということでもあります。
その事に気がつくと人とのコミュニケーションの取り方も変わってくるはずです。
「この人には何が見えているのだろう?」
まずはそこがスタートです。
誰かとコミュニケーション取るときには、まずは相手が見ている世界を想像してみてください。
きっと相手のことが今までよりわかるようになるはずです。
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