上司が部下と信頼関係を築く方法~その2(真のYES)~
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「上司が部下と信頼関係を築く方法」の第二回になります。
■前回までの記事
前回の記事の中で部下との信頼関係を築く方法を3つご紹介しました。
①自ら弱みを開示する(共感ポイントを作る)
②部下の考えに「真のYES」を出す(部下の価値観を100%受け止める)
③部下が解決できない問題を解決してあげる
今回は②の部下の考えに「真のYES」を出すについて解説します。
人は相手の話しより自分の思考に夢中になっている
皆さんは「傾聴」という言葉を聞いたことがあると思います。
傾聴は相手の話しに対して熱心に耳を傾けるという意味です。
しかし、いざ誰かと会話を始めると、人は熱心に話しを聞くことが出来ません。多くの人は、相手の話しを聞いている最中に「自分の思考」を始めてしまい、相手の話しを聞いているようで、実は「自分の思考」に熱中しています。(「次に何を話そう」とか、話しを聞いて思い出したことなどを思考しています)
そのため、実際には相手の話しが半分くらいしか聞いていないため、相手からすると、「自分の話しを聞いてくれていない」と感じてしまうのです。
相手の意見を否定すると敵とみなされる
この「自分の思考」に熱中するのは、自分のほうが立場が上の時にはさらに起こりえます。
これが部下との会話になればなおさらです。
部下があなたに相談を持ち掛けても、上司であるあなたは実際には話しをほとんど聞くことなく、自分が何を言うかに意識を向けています。
その時には上司の頭の中では、部下の考えよりも自分の考えのほうが重要だと考えているのです。
そのため、相手の考えを聞くよりも自分の意見を話すことが大事だと考えてしまうのです。
そしてこの思考で最も危険なのは、相手の考えを否定してしまうことです。
人は自分の考えや価値観を否定する相手のことを「敵」だとみなします。
「この人には何を言っても無駄だ」
「この人は信用できない」
部下からそう思われた瞬間に部下と信頼関係を築くことはほぼ不可能になります。
YES,AND話法
しかし実際に上司、部下との会話においては、部下の考えが間違っていて定性したい場面はあると思います。
こういったときに役立つのが「YES,AND話法」になります。
これは部下の考えや意見に対して「肯定的な反応(YES)」を出し、その後に自分の考えを「提案(AND)」する話法です。
この真逆の話し方が、部下の考えを「否定(NO)」して、自分の考えを「押し付ける(BUT)」話し方になります。
「YES,AND話法」は相手の考えを否定しないため、建設的な会話が出来る話し方になります。
「真のYES」を出す
そして、「YES,AND話法」の中で最も大事な点が「真のYES」になります。
「真のYES」とは、相手が本当に大事にしている考えや価値観に対して心から「肯定的な反応」を返すことです。
これを行うためには、相手の考えを100%受け止めるつもりで相手の話しを聞かなければなりません。
間違っても、自分の考えのほうが重要とか、価値があると思って聞いてはいけません。
100%相手の考えを理解するつもりで話しを聞き、その考え、価値観を完全に受け取るのです。
そして受け取ったことを相手に伝えるのが「真のYES」になります。
この「真のYES」は実は言語だけではありません。
非言語の「態度」や「思考」でも相手には受け取ったことが伝わります。
時にはそばにいて「うなづく」だけでも相手に「真のYES」を出すことが出来るのです。
親友が悩んでいるときに、あなたがただ側にいるだけでも、「真のYES」は出すことが出来るのです。
まとめ
部下との信頼関係を気付くためには、まず相手の価値観をしっかりと受け止めてあげることが重要になります。
その時にあなたが「真のYES」を出すことが出来れば、部下はあなたに対して心理的安全性を感じるはずです。
「この人は信用できる」
「この人になら本音を話すことが出来る」
部下があなたが本気で話しを聞いてくれる人だと分かれば、信頼関係はほぼ築けたも同じです。
まずは自分の考えを横に置いて、部下の話しに本気で耳を傾けてみてください。
きっと今までとは違った相手の考えや価値観に気が付き、「真のYES」を返すことが出来るはずです。
※次回は3つ目の「部下が解決できない問題を解決してあげる」について解説します。
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