間違った「目標設定」は仕事のモチベーションを下げてしまう
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「目標設定」の仕方について解説します。
目標設定は「定量」と「定性」で設定する
多くの企業では、半年に一回自分の目標を設定し、その達成度合いによって自分の評価が決まる人事制度を運用していると思います。
その際、おそらく「定量的な目標」と「定性的な目標(状態目標)」の両方を設定するのではないかと思います。
「定量的な目標」は数値化できる目標なので、それほど難しくはないと思います。(とはいえ、バックオフィスでは数値目標の設定というのは大変なのですが)
ただ、問題は「定性的な目標(状態目標)」を決めるときです。
このようなことを半年間という期間の中で達成できそうなことを決めていくはずです。
そしてこの「定性的な目標」に、自分自身の成長目標を書く人がいるのではないでしょうか?
「私はこの半年間で〇〇ができるようになる」
こういった目標を設定し、自分の成長を促します。
しかし、一見自分の成長目標を決めることは間違いではないように感じますが、実はここには大きな落とし穴があります。
それが、自分の「課題」にばかり目を向けると、仕事のモチベーションが下がってしまうということです。
課題にばかり目を向けると自己肯定感が下がる
なぜ自分の「課題」の成長目標を掲げると、仕事のモチベーションが下がってしまうのでしょうか?
「課題」というのは殆どの場合が、自分が現時点でできていないことになるはずです。
既にできていることを「課題」とは言わないでしょう。
「課題に目を向ける」ということは、「自分のできないことに目を向ける」ということなのです。
さらに現時点で「課題」になっているということは、自分にとっては苦手なことの可能性があります。
つまり「課題」に対して目標設定するということは、自分のできないことを克服するために、苦手なことに挑戦し続けなければいけないということになります。
当たり前の話しですが、人間は自分のできないことばかり指摘されたら、嫌な気持ちになるし、また苦手なことなので上手くなる可能性も限りなく低くなります。
つまり失敗しやすいということです。
失敗経験ばかり積み重なると、人は誰でも「自尊心」が下がり、「自己公的管」が低くなっていきます。
つまり、「課題」だけフォーカスを当てることは、失敗体験を何度も繰り返し、「自己肯定感」を下げることに繋がるのです。
目標設定では自分の得意を伸ばす目標も設定する
ではどのような目標設定をするのが良いのでしょうか?
それは、自分の得意なことをさらに伸ばすための目標も設定することです。
自分の得意なことであれば、すでにある程度できているものなので、その腕前をさらに上げることは、それほど苦痛ではありません。
もちろん今よりもレベルを上げるわけですから、簡単ではないでしょう。
しかし、苦手なことを伸ばす努力に比べたら、精神的には遥かに楽に取り組めるでしょう。
さらに仕事の本質で考えてみても、仕事は苦手なことで人に貢献するものではなく、自分の得意なことで人に貢献するほうが、はるかに生産的で、品質の良いものを提供することができるはずです。
自分の苦手なことは、「致命的な状況」にならない程度には克服する必要はありますが、しかしそれを得意にするにはとてつもない努力と時間が必要になります。
その時間を費やすくらいなら、自分の強みをさらに磨き上げて、できるだけ多くの人に、より高い品質の商品やサービス、仕事を提供したほうがお客様のためにも、会社のためにも、自分のためにもなるはずです。
まとめ
日本人はとにかく自分の出来ないことに注目をしてしまいがちです。
また真面目な人ほどその傾向は強いように思います。
しかし、どんなにオールラウンダーで全てが完璧に見える人でも、その人の中では「得意、不得意」が必ずあるはずです。
しかし、全体的な能力が高いので傍から見ると全てが得意なように見えるだけです。
まずは自分の得意をできるだけ伸ばす努力をしながら、だんだんと自分の「課題」を克服していくようにするほうが、自分自身の精神的にも楽だし、結果的に仕事に対してのモチベーションも高く保つことができるはずです。
ぜひ、目標設定をする際には「課題」の克服だけにならないように、自分の強みも伸ばす目標を設定してみてください。
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