「憧れ」から抜け出さなければ成功はない
コーチングの中で最も大事になる要素と言えば、
それはやはり「ゴール設定」です。
しかし、クライアントさんの中には
「こんなゴールを思いついたのですが、どう思いますか?」
「これだとゴールになりますかね?」
と聞いてこられる方がいます。
こんな時に私は「本当にそのゴールで良いかどうかは、あなたにしかわかりませんよ」とお答えしています。
どうしてクライアントさんはコーチに自分のゴールを確認したくなるのでしょうか?
今回は「ゴール設定」の一歩進んだお話しになります。
理想的なゴールとは何か?
ゴールは基本的には何を設定してもかまいません。
しかしより望ましいゴールとはどんなものなのか?をお伝えすることはできます。
それは「利他的でより多くの人の役に立つゴール」です。
例えば「お金持ちになりたい」というゴールを持っていたとします。
しかし、このお金を自分の好きなことだけに使おうと考えているのであれば、これは「利己的な状態」と言えるでしょう。
ところが「お金を稼いで、学校に行くことができない子供たちのために世界中にたくさん学校建設をしたい」というゴールであれば、これは「利他的な状態」になります。
また一つだけ学校を作るのではなく、「世界中にたくさん」となっているので、より多くの人を網羅していることになります。
この「よりたくさんの人」まで含む考え方のことを「抽象度が高い」と言います。
つまり理想的なゴールとは
「利他的でより抽象度が高いゴール」
ということができます。
そのため、私もコーチングを行っているときにゴール設定のお話をするときには、この説明をしています。
すると、多くの人が「確かにそれは良いですね」と同意してくれます。
そして自分だったらどんなゴール設定ができるかなと考え始めてくれるのですが、ここで落とし穴があるのです。
実はこの段階では「『利他的でより抽象度が高いゴールを持つ』ことに興味がある」だけで、自分が本当に叶えたいゴールが何かを見つけに行っていないのです。
興味があることと実際に見つけることは別モノである
この「利他的で抽象度が高いゴールを持つことに興味がある状態」と、「自分が本当に叶えたいゴールを見つけること」には、実はとてつもなく大きな違いがあるのですが、しかしこの違いを理解することは実は思っている以上に楽な作業ではないのです。
興味がある段階の人が何を考えているのかというと、
と、自分がゴール設定ができた状態に興味が向いているのです。
そのため、良さそうなゴールを思いつくと「これなら理想的なゴールと言えるかな?」「これならどうだろう?」と、自分が思いついたゴール設定をコーチである私に確認をしているというわけなのです。
これは例えるなら、アイドルになりたいと考えている女の子が、洋服を買ってきて鏡の前でアイドルの格好をして満足していることと殆ど変わりません。
これではいくら服をたくさん買ってきたとしても、実際のアイドルになることはほぼ不可能でしょう。
アイドルになりたいのであれば、実際の行動が伴わなければいけません。
どうしたらアイドルになれるのかを必死で考えているはずです。
オーディションサイトなどを見て、自分がなりたいアイドルになれる可能性があるものに応募しようとしているはずです。
実はこれと同じようなことが、ゴール設定の時にも起こっている場合があるのです。
「利他的で抽象度が高いゴール」を持っている状態の人に憧れて、自分もそうなれたらいいなあと、思っている段階は、まだそのゴール設定は本当のゴールとは言えないのです。
ゴールは止められてもやりたいものでなければいけない
ここでゴール設定のもう一つの大事なポイントが必要になります。
「ゴールは止められてもやりたいもの」
という要素がとても重要です。
「利他的で抽象度の高いゴール」を持たなければいけないから設定するのではなく、「どうしてもそれを達成したい」と思うことをゴールに設定しなければ、せっかくゴール設定をした意味がありません。
どうしても達成したいゴールのことを「want toのゴール」と言います。
自分が誰かに止められたとしても、どうしても達成したいゴールということになります。
その反対が「have toのゴール」です。
先ほどの「利他的で抽象度の高いゴール」を持たなければいけないと考えているうちは「have to」の状態なのです。
そうではなく、本当に心からやりたい、達成したいと思っているゴールをまず見つけることが重要なのです。
そして本当のゴールが見つかったかどうかの判断基準は、それに対して「行動を起こしたくて仕方ない」かどうかです。
具体的なプランが見えている必要はありません。
しかし、それでも何かせずにはいられない、とにかく一歩でも前に進むように何か行動に起こしたい、と思えているのであれば、それは「want toのゴール」の可能性が高いです。
そしてそのようなゴールが見つかったら、それを
「もう少し利他的に発想してみる」
「より抽象度高く想像してみる」
ことで、だんだんと理想のゴールの状態に近づくことができます。
まとめ
今回はゴール設定でも少し踏み込んだ内容についてお伝えしました。
実際のところ、頭では理解できても、なかなか本当のゴールを見つけるのは容易ではありません。
しかし、自分が今取り組んでいることが「have toのゴール」になっていないかをまず確認することで、「want toのゴール」を見つけることに意識を向けられるようになります。
そして考え続けているうちに「あれ、今まで気が付かなかったけど、これってすごい大事なことじゃない?」ということに気が付くことがあります。
その気づきをきっかけに、それに関連する情報を集めに行く中で、自分が本当にやりたいゴールにたどり着ける可能性があります。
ぜひ自分の内面にある小さな声にしっかり耳を傾け、自分の本当のゴールを見つけてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!
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