問題は「個人」と「環境」の相互作用で起こっている
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「問題の発生原因はどこにあるのか?」について解説します。
ハラスメントはなぜ起こるのか?
皆さんの職場でももしかしたら「ハラスメント」が話題に上がることがあるかもしれません。
じつは2019年に法律が変わり、企業はよりハラスメントに厳格に取り組まなければいけなくなりました。
しかし、実際にはハラスメントによる労務トラブルは後を絶ちません。
もしかしたら皆さんの中にはハラスメントはそれを起こす人に問題があると考えている方がいるかもしれませんが、それは必ずしも正しいとは言えません。
実は現在のハラスメントの研究でも「ハラスメンが起きやすい環境が揃うと、発生確率が高くなる」ことが知られてきているのです。
例えばハラスメントが起こりやすい環境として下記のような条件が挙げられます。
①過重労働と高ストレス
②職場のコミュニケーション不足
③成果主義
④閉鎖的な職場空間
⑤権限の集中
このような状況が揃っている職場ではハラスメントが起きやすいと言われています。
つまり普段ならハラスメントを行うような人でなかったとしても、上記の条件が中長期的に続いている職場環境にいると、その人自身の判断力が低下し、パワハラなどを起こしてしまう可能性が高いのです。
ウクライナ侵攻の原因
この5つの条件をよく見ると、私は現在のウクライナへ侵攻しているプーチン大統領も同じ環境にいるのではないかと感じました。
もちろん武力行使を正当化するつもりはありませんし、プーチン大統領を支持しているわけではありません。
ただ、現在報道で言われている「独裁者プーチン大統領」「プーチン大統領の暴走」と言った見方だけでは、問題の全てが「個人」に帰属した問題となってしまい、本質を見誤る可能性があるのではないかと思うのです。
これはあくまで想像でしかありませんが、プーチン大統領が置かれている状況を上の5つの環境に当てはめてみると
①大国ロシアのトップに20年以上君臨していますので、様々なステークホルダーとの関係を築かなければならず、高ストレス環境にいるでしょう。
②先日プーチン大統領が側近に怒りながら発言をしているシーンが映像として流れていましたが、部下たちと円滑なコミュニケーションが取れている印象は行けませんでした。
③大統領が何も結果を出さなければ、国民の支持を得ることは出来ないでしょう。「大国ロシアを復活させる」ことを明言していますので、高い成果を求められているのは間違いありません。
④⑤ロシア政府という閉鎖環境で権力が集中しているのは間違いありません。
こう考えると、プーチン大統領が独裁的(パワハラ的)な行動をとる条件は全て揃っているように思います。
特に結果を出し続けなければいけないというプレッシャーは相当なものでしょう。目に見える結果を出さない限り、確実に自分の座は奪われ、またロシア事態も西欧諸国に吸収されてしまう可能性もあります。
そのためにもウクライナがNATOに加盟することだけは、絶対に阻止するということを強く思っているとしても無理はない気がします。
問題を「個人」と「環境」の両面から考える
プーチン大統領の例はかなり極端かもしれませんが、問題を「個人」の資質や性格にだけ置いていたら本質は決して見えてこないでしょう。
プーチン大統領が今回の行動を起こしている原因に「環境」からの要因があるのであれば、環境側にある課題を解決する必要があります。
特に「目に見える結果」を出さなければいけないという点に関しては、どこを妥協点にするかということがとても重要なテーマとなります。
現在停戦合意協定の話し合いもなされていますが、そこで「目に見える結果」としてロシア国内、また世界に対して示せる結果が無いまま、振り上げた拳を下すことは出来ないでしょう。
その点をつけることが必要になります。
そして、私たちは自分たちの職場で問題が起こっている場合も、その問題行動を起こしている個人の資質や性格、能力にだけ着目しても、問題の本質にはたどり着けないことを知らなければいけません。
「環境」にある問題にも着目することで、初めて問題の全体像を把握することが出来るのです。
まとめ
今回は問題の本質を「個人」と「環境」の両面から考える必要性についてお伝えしました。
私たちはどうしても問題が起こると、問題を起こした「個人」に原因を求めがちです。
しかし、それは問題の半分しか見ていないかもしれません。
「環境」の課題を考えることで、本当の意味で問題の全体像を把握することが出来ます。ぜひ皆さんも両面で問題をとらえてみてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!
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