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僕はヒーローになりたかった(その3)

■前回まで
僕はヒーローになりたかった(その1)
僕はヒーローになりたかった(その2)

■第3話
実はこの「弱い自分」には専門用語で「創造的回避」という名前がついている。
「創造的回避」とは、人間が持っている「その状態を維持したい」という脳の本能的な機能から来ている作用で、何か普段の自分と違うことが起こると、脳が無意識のそれを回避しようとする行動のことだ。

私はプロのコーチとして活動しているため、この「創造的回避」を扱うことを生業としている。

もう少し「創造的回避」を説明すると、コーチングでは人には「コンフォートゾーン」が存在していると考える。コンフォートゾーンとは「自分にとって居心地が良い空間・状態」という意味だ。

例えば自分の家や自分の部屋はあなたにとってのコンフォートゾーンである。たとえその部屋がどんなに散らかっていたとしても自分にとってはその散らかっている状態が居心地が良いのだ。
それを親が勝手にきれいに片づけてしまったら、あなたは途端にコンフォートゾーンを崩されてしまうため、慌てて散らかった状態に戻そうとするはずである。

もしかしたら一瞬は「綺麗になったのも悪くないな」と思うかもしれないが、それはあなたにとって居心地の良い空間(コンフォートゾーン)ではないので、数日もすれば結局いつもの散らかった状態に戻してしまう。

このコンフォートゾーンを外れた状態から、元の状態に戻そうとする働きのことを「創造的回避」というのだ。

ここで「創造的」という言葉がついていることがポイントである。
英語では「創造的回避」のことを「クリエイティブ・アボイダンス」という。つまり人は変化に対してもとに戻る行動をとても「クリエイティブ」に考えだしてしまうのだ。

私が空手の試合で負けることを想像してしまったのは、私のコンフォートゾーンがこれまでの経験で「大会ではベスト4ぐらい」となっていたからだ。

つまり私は「大会で優勝する」ことは私のコンフォートゾーンを外れてしまうことをになり、それが見えてきた瞬間に私の脳は「まずい、コンフォートゾーンから外れるぞ」と考え、慌ててコンフォートゾーンに引き戻そうと「創造的回避」が発動してしまったのだ。

そのため恐怖により体を緊張させ準決勝までのような動きができないようにし、負けたときの言い訳を考えさせ、優勝させないように脳が働いたのだ。

実は「弱い自分」の正体は、自分のコンフォートゾーンを維持しようとする「創造的回避」のことなのだ。

ではこの「創造的回避」を回避して、目標達成することはできるのだろうか?
もちろん、方法がある。

コーチングではクライアントに自分の目指すゴールを達成できるように「創造的回避」を乗り越えさせるようにサポートしていく。そしてこれはもちろん自分自身にも応用することが出来る。

例えばこんな時にそれを使うことが出来る。
私は趣味で「トレイルランニング」という山の中を走る競技を行っている。その中でも100km以上の距離を走る「ウルトラ・トレイルランニング」というカテゴリーが私の主戦場だ。

想像してみてほしいのだが、山の中を100km以上走ると人間はどうなるか?
まず時間は20時間以上かかる。また一つのレースでおよそ15,000kcal消費するので、その分のエネルギーを補給しなければいけない(成人男性の1日の平均摂取カロリーが2,500kcalなので、レース中に6日分のエネルギーを必要とするということだ)。
さらに平坦な道ではなく上り坂もあれば下り坂もある。崖をよじ登らないと進めないような道や、川を渡ることもある。
そういった様々な過酷な状況を乗り越えないとゴールすることが出来ない。

これだけの過酷な状況は通常の人間にとっては当たり前だが居心地のいい状態ではない。
つまりコンフォートゾーンを大きく外れることとなる。そうすると当然「創造的回避」が働き始めるのだ。

(続く)

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