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上司の役割は、部下が自分で気づくようにサポートすること

「部下の悩みを颯爽と解決してあげる」

上司であれば部下の悩みを解決してあげたいと思うのは当たり前の感情でしょう。ただもしあなたがこの快感にハマっているのであれば注意が必要です。なぜなら部下は知らず知らずのうちにあなたに依存し、自分では問題を解決できない人間になっている可能性があるからです。

そしてある時あなたは「うちの社員は主体性が無い」「もっと自立的に動けるスタッフに育てるにはどうしたらいいんだろう?」と悩み始めるかもしれません。実際にはその原因が自分の行動にあることに気付き、それを修正するのは簡単ではありません。

私も以前、管理職になりたてのAさんという女性からよく相談をもらいました。彼女はやる気はとてもあるのですが、部下のマネジメントに苦手意識を持っていて、どうしても部下に本音で話せなかったり、気を使ってしまい逆にメンバーから「Aさんが何を考えているのかよく分かりません」とAさんを飛び超えて私に苦情の声が上がってきました。

私はその時「Aさんはまだ経験が浅いから、まずはやり方を教えてあげなければいけない」と考えAさんからの相談に対して解決策を提案してあげました。Aさんはそれを忠実に実行し、いくつかの悩みは解消し、部下との関係性も少しずつ改善をしていきました。

ところが案の定、Aさんは悩みがあると「ちょっと良いですか?」と私によく相談を持ち掛けるようになりました。最初は頼られることに対する優越感もあり、よく相談に乗っていたのですが、だんだんと「さすがにこれは自分で考えられるでしょ」「前にも同じようなことがあったんだから、自分で上手く解決して欲しいな」と感じるようになりました。

しかし当時は私も自分の行動がAさんを自分に依存させている原因ということに気付くことができず、Aさんにどうした主体性を持ってもらうことができるか悩んでいました。

その後、私はコーチングの手法を学び、Aさんの依存を少しずつ弱めていくのですが、その過程で「私はなぜ相手の相談にすぐに乗ってしまい、解決策を提示してしまうのだろう?」と考えました。

出てきたものとして、以下のような理由がありました。

悩みを解決してあげた時の相手の喜ぶ顔が見たい
自分が解決してあげたという優越感を感じたい
自分自身の経験値が上がることに成長実感を感じられる
自分が考えたプランの方が効果が高く、良い結果に繋がると考えている

この内容見た時に私はあることに気付きました。

「これって結局は自分の『自尊心』を満たすためなんじゃないの?」


人は誰しも心の底で「自分は大した奴だ」「自分はスゴイ」と感じたいという欲求があります。
「マズローの欲求5段階説」でいえば第4段階の「承認欲求」に当てはまります。つまり人は誰しもが「自分は出来る」「大した奴だ」という『自尊心』を感じたいという欲求があるのですが、それを私が課題を解決してしまうことによって、部下が感じることができたはずの欲求を奪ってしまっていることに気付きました。

自尊心(self‐esteem)とは自らの価値を認める自己評価であり、自身を優れた存在・価値ある存在・意義ある存在であると位置づける気持ちのことである。(weblio辞書より)

この時から私は、部下に相談された時にまず最初に

「自分で解決できるようになるためには、どんなアドバイスをしたらいいだろう?」

と考えるようになりました。

上記のAさんは部下との関係に悩みを抱えることが多かったのでこれまでは「きっとその人はこう考えているはずだから、こう言った方が良いよ」と具体的なアドバイスをしていましたが、それを「人は自分の働く目的と組織の目的が合っている状態を好むんだよ」「自分がまず理想とする姿を想像しないと、現状の分析とアクションプランを考えることはできないよ」といった「考え方」だけ教え、答えは自分でだすようにしました。

結果的にはAさんは自分で解決策を考え、それを部下に伝えられるようになっていきました。そして私のところに「(部下の)Bさんに自分のゴールを聞いたら、組織の目指すゴールとの間にズレを感じたので、アドバイスして修正してあげたら、『とてもスッキリしました』と言って、仕事に取組む姿勢が変わったんです^^」という報告をしてくれるようになりました。

その後もAさんは確実に自分のマネジメント能力に自信を付け、自立したマネジャーへと成長していきました。

ぜひ皆さんも部下が自分で気付く喜びを自分が奪ってしまっていないかをチェックしてみてください。


今回も最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!

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