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「即断即決」するための脳の使い方

「あー、どうしよう。決められない!!」

あなたも食事に行ったときにメニューを見て、食べたいものが多すぎてどれにしようか迷った経験があるのではないでしょうか?

「あれも美味しそう」「これも食べてみたい」「季節限定!!」

魅力的なメニューが並ぶと人はなかなか決められないものです。

これは「人は選択肢が多すぎると決められない」というコロンビア大学の教授が提唱した「選択のパラドックス」という現象です。

選択肢は多いほうが良いかというと必ずしもそうではなく、少ない選択肢の方が人は選ぶのに迷わないということです。

実はこれは私の専門領域の一つである障害者支援でも全く同じことが起こっています。

大人の発達障害

「大人の発達障害」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

実は現在多くの職場で「発達障害」の特性のある人と一緒に働くということが問題として挙がっています。

例えば

「注意力が散漫で、同じようなルーティンワークなのにいつもミスをしてしまう」
「頼んでいた仕事を忘れてしまって、後で気づいて困ったことになる」
「スケジュール通りに仕事を進めることが出来なくて、締切になっても仕事が終わっていない」
「自分のやり方に固執して、周囲の人と協調性をもって仕事をすることが出来ない」
「ミーティングをしているときに、全く違う話題で盛り上がり、本題の話しをすることが出来ない」
「『いまそれ言う?』ということを言ってしまい、その場の空気が悪くなる」

など、こういった状況がずっと続いている人、治そうと思ってもなかなか治らない人は、もしかしたら発達障害の特性を持っているかもしれません。

このように「発達障害」と診断を受けていないけど、仕事上で問題を抱えている人を「大人の発達障害」と言います。

そして私はこういった方たちと一緒に働くためにどうしたらいいかと相談を受けることが多く、様々な企業で研修を行ってきました。

選択肢が多いと人は選ぶことが出来ない

人事からの依頼で多いのは「現場の上司が発達障害の傾向があるスタッフへの対応で困っているので、具体的な対応方法を教えてあげてほしい」「発達障害の特徴や、困りごと、職場シーンごとの対応方法などを教えて欲しい」というものです。

ただ、私はこういった時に「発達障害」の特性や対応方法について詳しく解説することをできるだけしないようにしています。
なぜなら、発達障害のことを詳しく説明すればするほど、現場の担当者はやることが多い、覚えることが多いと感じて、逆に一緒に働くことを重荷に感じる可能性が高くなるからです。

例えば、自分でスケジュールを立てて仕事を進めることが苦手なスタッフがいた場合、一緒にスケジュールを立て、進捗を確認してあげると、その人は仕事を進めることが可能です。

他には、いつも行っている仕事なのにミスをよくするスタッフに対しては、チェックシートを作ってあげて、ミスしがちなポイントをチェックできるようにしてあげることも効果があります。

こういった「この時には、これをやってください」というパターンはたくさんあります。

しかし、実際の現場でこういった「明確に困っている」ことが顕在化していることは稀で、ほとんどの場合は「なんとなく困っている」「漠然と違和感を感じる」という状態なのです。

そのため研修で「発達障害の傾向のある社員にはこれをやってください」という内容をいっぱい教えたとしても、実際の現場では当てはめて使うことが殆どできないのです。

つまりこれは、飲食店でいっぱいのメニューを見せられて、決めることが出来ない状態でいることと、ほとんど同じことが起こっているということです。

自分の中でシンプルな原則を作る

ではどうしたらいいのでしょうか?

これを解消する方法の一つが「自分の中で原則を作る(考え方を持つ)」ことです。

例えば飲食店に入った時には「この1週間でまだ自分が食べてないものを選ぶ」「ダイエット中なので、たんぱく質多めの料理を頼む」「自分がいつも食べている、間違いの少ないメニューを頼む」などの自分の中で原則を持っていれば、メニューの多さに迷うことが少なくなります。

同様に、発達障害のあるスタッフと一緒に働くうえで必要な考えは「相手の悩んでいること、不安に感じることを顕在化させる」ということだけを覚えていれば、一緒に働くことが格段にできるようになります。

発達障害の傾向のある人の中で、自分の特性を明確に理解している人は稀で、実際には「なぜか仕事が上手くいかない」「自分でも注意しているつもりなのにミスをしてしまう」「なぜかいつも相手に嫌な感情を与えてしまう」など、彼らは「漠然とした不安」を持っています。

そこでやらなければいけない最初のステップは「漠然とした不安を顕在化させる」という作業なのです。

そのためには上司は自分の部下に発達障害の傾向がありそうだと感じたら「何か仕事上で困っていることはある?」「何か仕事で不安に感じることはある?」とまず相手がどんなことに悩んでいるのか、困っているのかを聞いてあげるのです。

すると部下は、自分が漠然と悩んでいることを少しずつ言葉にすることが出来るようになります。

そして実際に悩みが出てきたら、その状況を一緒に分析して「本人だけで対応できること」「周りが協力することでカバーできること」に分けて検討していきます。

こうすることで、部下の悩みを解決に導くことが出来るようになるのです。

「知っている」ことと「できる」は違う

いっぱいの選択肢を知っていることは悪いことではありません。

ただし、知っていることと、実際にその場の状況に「適用」することが出来るかどうかは別問題になります。

自分の中で「基準」「考え方」を持つことで、自分の頭で考えられる状態を作ることが出来れば、あなたは問題を解決するスペシャリストになれるかもしれません。

ぜひ試してみてください。


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