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#私の作品紹介

まんまるおつきさま

まんまるおつきさま

あかるかったんだ
いつもよりずっと
うえをむいたら
えにかいたような
おつきさま

かなしくてないていたような
きみとけんかしてしまったような
くるしいなあなんて
けっとばしたこいしが
こつんとじぶんにもどってきたような
さみしいよるだとおもってたんだ

しずかなおつきさまがいて
すずしいかぜがふいて
せかいのどこかで
そばにいないだれかも
ただそらをみあげてるのかなっておもったら

ちょっとだけ

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真実のような顔をして

真実のような顔をして

僕の脳内に現実が流れ込む
僕の2mmほどの皮膚はフィルターと化し
少しばかり現実の解像度を下げて
僕が傷つかないように
ささやかに気を遣う

僕の脳内から妄想が溢れ出す
じわじわと滲み出すように
解像度の高い妄想が
にじりにじりと現実を
侵食していく

僕は脳内で全てをないまぜにする

攪拌し
攪拌し
攪拌し

酢と油のように
混じるはずのない現実と妄想が
僕を介して乳化され
いつの間にかドロドロ

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daydream

daydream

アナウンサーは
いつものように笑っている

うつむくまつ毛は
エリザベスさながらで
オリンピアの戦士を讃えている

感染する
気味の悪い価値観を
くびれた腰に巻きつけて
原稿どおりの
言葉を吐き続ける

囁くような
静かな声で
すみませんと聞こえた気がした

世界の切り取り方が
想像していたものと違うんです
玉の輿に乗りたかっただけなんです

挑発的な言葉尻は
つまらないセリフなんです
てにをはさ

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かさぶたも、飲み込んで

かさぶたも、飲み込んで

かさぶたがポロリと剥がれた

「大人になるってそういうこと」
憧れのあの人の声が聞こえた気がした

傷ついて
悲しんで
涙して
落ち込んで

立ち上がって
前を向くしかなくて
そうでなければ
生きていけないから

「大人になるってそういうこと」

傷跡は少し白く
その皮膚はまだ生まれたてで
これから日に焼けて
周りに馴染んでいくのだろう

「大人になるってそういうこと」

それなら大人になんかなり

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romanticist

romanticist

アイスクリーム
いちごのケーキ
ウイスキーボンボン
エクレアに
おおばんやきに
カスタードプリン

君のうちまで届けよう
くつのかかとを2回ならして

ケーキが崩れないように
ころばないように
桜色の大きな紙袋に
しっかりしまって

スケジュールは確認した
青天の霹靂が起きない限り
そっと運べば大丈夫

たのしみに待っている
ちょっとだけラフな格好の君に
月が綺麗ですねって
手をぎゅっと握って

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詩|monochrome

詩|monochrome

あいちゃんは
行ってみることにしました
生まれて育った家に

遠足気分でたどり着いた家には
思い出がいっぱいありました

かえるの鳴き声
綺麗な星空
草のにおい
喧嘩したこと

子どものころの思い出がいっぱいです

寂しいできごともありました
しあわせなできごとを
少しだけ
背中を
そっとおすように思い出しました

立ち上がればこんなに色んなものが
小さかったのだろうかと思いました

冷たい水で

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詩|あのこのふうせん

詩|あのこのふうせん

ふんわりと
あの子の願いを
乗せて、風船は飛んで
いく。赤や黄、青や緑。色
とりどりの風船はいったいどこ
まで旅するのだろう。川を越え
山を登り、海を渡り、どこま
でも飛んでいく。あの子
はいつまでも手を振
って、お願いご
とが叶う


 日

 待



詩|tomorrow

詩|tomorrow

あしたに
いろをつけよう
うんとすてきな
えのぐで

おもいのままに
カラフルに
きれいじゃなくてもいい
クレヨンでもいいよね

けしごむで
こすってもきえないぐらいえがこう

さっそうと
しずかに
すずしげなかおしてあしたはやってくる

せなかばかりおいかけそうになるけど
そんなのごめんだ

たまには
ちょっとくらいだけでも
つまさきだけでもおいぬきたい

てをたたいてよろこんで
とまったしゅん

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詩|影とダンスを

詩|影とダンスを

私は影を見つめる

私の足元に落ちた影を
踏み潰し、連れ回す

日が昇ると、次第に影は小さくなる

私は影があったことさえも
忘れてしまう

あちいあちいと日陰を探し
無機質な影にすっぽりと包まれ
ほうと一息安堵する

夕暮れに影が伸びる
私はおかえりと言う

踏み潰して、連れ回して
なんだか要らぬもののように
扱ってきたのに帰ってきた

懐かしい友との再開に
私は橙色のスポットライトを
浴びてダ

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詩|afternoon tea

詩|afternoon tea

あしたもたべたい
いつでもたべたい
うんとたべたい
えがおでたべたい
おなかいっぱいたべたいな

カロリーなんか
きにしないで
クリームたっぷりぬっちゃって
けっとうちも
このさいむしして

さわやかなかぜにふかれながら
しあわせなきぶんで
すてきなじかんをすごしたい

せかいじゅうが、あまいものでいっぱいになっちゃったら?!

そんなせかいにいってみたい!!

たいじゅうなんて
ちっともふえなく

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詩|花弁にファスナー

詩|花弁にファスナー

お水を
あげても、
咲かない花が
あって。もしかし
たら満月の夜に咲く
のかなと楽しみにしてた
のだけど。咲いてちょうだい
よと、頭を撫でたら、ファスナー
がついてたの。白いお花に白いファ
スナー。私は恐る恐るファスナーを開け
たわ。ゆっくりと、とてもゆっくりと。白
い花は唇をあけるように一枚ずつ花弁を広げ
少しずつ匂いを放ち、あたりは甘い匂いに包
まれた。飲み込まれてしまいそうなその匂い
に、私

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詩|階段、おりるか、のぼるか

詩|階段、おりるか、のぼるか

のぼり続け
て苦しくな
って一気に
駆け下りた。のぼる時
よりも足取りは軽いが
焦れば焦るほど、もつ
れそうになる。焦るな焦るな慌て
るな。誰も追ってきてやしない。
勝手にのぼってきただけで、誰か
に要求されたわけじゃない。自分でのぼると
決めただけだ。降りるのに理由は必要ない。
のぼるも降りるも、自分の好きにすればいい

くだらない。格好悪いぞ、情けない。諦める
にはまだ早い。ここまでのぼってこ

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詩|こぼれて、おちる。

詩|こぼれて、おちる。

春が淡い桜色のカーディガンを羽織る頃、
そわそわとついたため息が、私の鼻をくすぐった。

むずむずした私を見て「大丈夫?」とあなたが笑う。
大切にしまっていた四文字は、くしゃみと一緒に、

こぼれて、おちる。

ひらひらと落ちた四文字は、桜色の絨毯に埋もれてしまった。

夏が白いシャツから肌を覗かせる頃、
太陽からの視線に、私は思わず目を細めた。

汗を拭うあなたの笑顔の眩しさに、私の体温は上昇す

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