#ファンタジー
コイン・チョコレート・トス_第1話
🪙 プロローグy=-3x²の放物線を描きながら、宙を舞うコインチョコ。
玄関の白い天井の少し下の位置を最高到達点とし、コインチョコは幸子の手の平に落ちてきた。幸子はそれを両手で優しくキャッチする。
幸子はコインチョコが左手に落ちてきた瞬間、上から右手をそっと添える。コインチョコがどちらかを向いているかが見えないように静かに隠す。
表か、裏か。
全ての決断は、コインチョコに委ねられた。
短編小説|僕の歯に、服はいらない。
僕は、人と話すのが苦手だ。
とはいえ、淀みなく話すことができる時もある。
しかし、その時、往々にして僕の言葉は僕を経由しない。
どういう回路になっているのかわからないが、脳と口が、あるいは心と喉が直結しているようで、僕は発言した後に、自分の声を耳にし初めて話している内容を知ることになる。
僕が僕の言葉で話そうとする時、うまく言葉は出てきてくれないというのに。
だから、僕は人と話すのが苦手にな