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友川カズキ

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生きてるって言ってみろ。
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#詩

死を賭ける賭博師・友川カズキの轍 序章『その闘争の赫奕たる来歴』

死を賭ける賭博師・友川カズキの轍 序章『その闘争の赫奕たる来歴』

人間は誰しも生まれ落ちたそ瞬間から死を人質に生を享受している。時として人は、生きているという現実と死に至るという未来に恐れ立ちすくむ。
だが友川カズキは臆する事なく、生もそして死さへも賭けて勝負をしているだ。それもデタラメに、面白がって。社会という悪夢から真っ向から挑み、それにさえ慊らず自身とも闘争を繰り広げている。
死を賭けてまでも走り続ける。この賭博師を誰しも止める事はできない。

序 その闘

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「深く闇は横たわり頷くことだけが受けつがれた」友川カズキ最新アルバム『光るクレヨン』について

「深く闇は横たわり頷くことだけが受けつがれた」友川カズキ最新アルバム『光るクレヨン』について

友川カズキの最新アルバムは2016年に発売された『光るクレヨン』である。通算33枚目となる本作はホームページにもある通り正しく「最”深”作」だ。どの楽曲も聞けば聞くほど詩人・友川カズキの源泉に触れる事さへ可能である。
前作『復讐バーボン』において原子力発電所爆発から喚起された国家への怒りが現れていた。何の楽曲(『家出青年』をピークとして)破壊力抜群だ。そして今作はその怒りをさらに煮詰めた静かなる憤

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ヤバイ歌を聴いた 友川カズキ 『家出青年』

ヤバイ歌を聴いた 友川カズキ 『家出青年』

それは全くの偶然であった。YouTubeにて良い音楽はないかといつも通り徘徊していた。宮本浩次のCoversでちあきなおみの『喝采』聴いた。そこまではいつも通りであった。そして何を思ったか他のちあきなおみの楽曲も聴いてみようと思った。そうして辿りついたのが問題作『夜へ急ぐ人』である。驚いた、大変驚いた。ホラーである。やや画質が悪いのも相まってちあきなおみの顔が殊更恐ろしく写っていた。彼女の冷静な狂

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