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無免許講師が往く、ドラム講義⑧<基礎練習の考え方編>

人の数だけ答えがある、基礎練習の考え方編スタートです。ようやっと練習パッドを離れてドラムセットに近付けそうな予感、なんてお考えのあなた。甘い。まだまだ楽器は触れません。高度情報化社会、本当に必要なものだけを選び取らなくてはいけない時代。そんな最中、こちらのnoteに辿り着いてしまっただなんて。とんだハズレくじですよ。

主宰が高校時代にやっていたメニューを、取り上げてみることにしました。

酷い時には「9-17時で基礎練、楽器触っちゃダメ」なんて日がありました。冷静に考えて、狂気の沙汰でした。練習後に皆で走り込みしよう!だなんて言い出す人までいました。勿論、時間外手当なんて付きません。拘束時間が長過ぎる、それでいて効率的な練習方法なのかと言われると、大いに疑問。いろいろと思うところがありましたので、とことん逆行してみることに。

同じメニューを、一日30分。かかっても40分。雨の日も風の日も同じ内容、出来不出来に関わらず、決められた時間で切り上げる。短期集中型。一発で勝負を決めるトレーニングを毎日少しずつ、積み上げていく。飽きさせない努力、身体を自然と集中状態に持っていける練習法。主宰の引退後、後輩達がさらに体系化した基礎練習に昇華してくれたと聞いて、心から安堵。

いつもながら前置きが長過ぎる、「大は小を兼ねる」とは言ったものだ。

①8分音符で同時打ち→片手打ち、からの16分打ち

テンポは120。その日の気分次第で、8分を鳴らしてみたり16分音符を鳴らしてみたり。フォーム作りの回でお話しした通り、全ての基本は左右同時打ちから始まる。鏡や窓を前にしながらパート全員が横一列に並んで叩く。必要に応じ窓や鏡に角度をつけて立ち、お互い気になった点を指摘し合いながら叩く。脇絞まってるよとか、肩の力抜いてとか、身体傾いてるよとか。

左右均等な叩き方になっているかどうかのチェックは片手打ちで行います、右→左→時間が余ればまた右→…の順で2、3分を目途に。最終チェックは左右交互に16分音符で、ここまででざっくり5分計算。コンクール当日は本番前5分でセッティング、5分でチューニング、5分で曲合わせくらいのスピード感で進んでいきます。あくまでそこを見越した時間配分を心掛けてました。

②チェンジアップ

これもざっくり5分。フォーム作りの延長、全音符→2分→4分→8分の順番に音符を細かく、それに応じた適切な大きさにフォームを調整していきます。この練習は1人用ではなく、むしろ多人数で指摘し合える環境でこそ大きな効果を発揮するメニューだと思います。音符が細かくなるほど、フォームを小さくしていくイメージで。

8分まで行ったら今度は8→4→2→全と逆打ちしていきます。この往復を、数サイクル。必要に応じ合間に3連符や5連、7連符を交えて練習してました。始めたての方には5連符?!なんて思う方がいて当然ですので飛ばし推奨。前回少し触れた、拍感やタイム感を確認する為のメニューとしても役立ってました。その日のコンディションが最も如実にわかるのがこの5分間。

③16分音符のアクセント移動

〇××× 〇××× 〇××× 〇××× ×〇×× ×〇×× ×〇×× ×〇×× ××〇× ××〇× ××〇× ××〇× ×××〇 ×××〇 ×××〇 ×××〇 〇××〇 〇××〇 〇××〇 〇××〇 ×〇〇× ×〇〇× ×〇〇× ×〇〇× 〇×〇× 〇×〇× 〇×〇× 〇×〇× ×〇×〇 ×〇×〇 ×〇×〇 ×〇×〇 〇〇×× 〇〇×× 〇〇×× 〇〇×× ××〇〇 ××〇〇 ××〇〇 ××〇〇→アタマに戻る

テンポ120。16分音符で〇部分にアクセントを付けて叩きます。1・4→2・3アクセント辺りからが特にその奏者固有の癖が出始めるポイントです。食い付きが悪くなるところ、モタったり先走るところ、訛ったりするところ等をお互いに指摘し合いながら、これも5~10分くらいで数サイクル回します。難しいなと感じた方はテンポを60とか80くらいにして始めてみて下さい。

④16分音符の中抜き

〇×〇〇 〇×〇〇 〇×〇〇 〇〇〇〇 〇〇×〇 〇〇×〇 〇〇×〇 〇〇〇〇 〇〇〇× 〇〇〇× 〇〇〇× 〇〇〇〇 ×〇〇〇 ×〇〇〇 ×〇〇〇 〇〇〇〇 〇××〇 〇××〇 〇××〇 〇〇〇〇 ×〇〇× ×〇〇× ×〇〇× 〇〇〇〇 〇×〇× 〇×〇× 〇×〇× 〇〇〇〇 ×〇×〇 ×〇×〇 ×〇×〇 〇〇〇〇 〇〇×× 〇〇×× 〇〇×× 〇〇〇〇 ××〇〇 ××〇〇 ××〇〇 〇〇〇〇→アタマ戻る

テンポ120。先ほど同様16分音符で、今度は〇部分だけを叩いていきます。こちらの練習でも1・4→2・3の段辺りから各人の癖が色濃く出てくるので、気になる点を指摘し合いながら5~10分かけて数サイクル回してきましょう。始めたての方は是非16分音符を鳴らしながら練習すると捗るかと思います。ここまでで30分くらいのイメージ、これなら毎日続けられそうでしょうか。

⑤ダブルストローク(初心者の方は飛ばして下さい)

4分音符→8分音符の順番で、シングルストロークとダブルストロークを交互に織り交ぜながら叩いていきます。その日の時間配分を見つつ、時間調整の意味で取り入れていた項目でもありました。なにかと役に立つ場面が多い、ダブルストローク。また後日別の回で詳しく取り上げてみようと思います。以上、ここまでが主宰のやっていた基礎練メニューでした。

ちょっと長くなりましたので、解説と補足は次回へ持ち越し。


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