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2019年3月の記事一覧

15冊目-『82年生まれ、キム・ジヨン』

15冊目-『82年生まれ、キム・ジヨン』

めずらしく話題の本。

話題になってるということと、「女性」がテーマであることだけは知っていたものの、実はなぜかノンフィクションかエッセイかだと思い込んでいて、手に取って初めて小説だと知ったりして。

韓国で2016年の秋に発行されてから100万部を超えるベストセラーになっているという本書。訳者あとがきによれば著者のチョ・ナムジュは「フェミニスト作家と呼ばれることを自然に受け止めており、今後もその

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14冊目-『コーチングの教科書』

14冊目-『コーチングの教科書』

普段はほとんど読まないビジネス書の類。

何か特別に理由やトラウマがあるわけでもないのだけれど、タイトルを眺めるだけでもそこに漂うマッチョな「みなぎり」に胸やけを起こしそうになったりするので、本屋に行ってもそのエリアにさえ寄り付かなかったのだけれども、去年の秋ごろから苦手克服に取り組んでいて。

それは仕事上の都合に加えて、自意識で凝り固まった食わず嫌いをなくしていくのも、リキまない大人へのステッ

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8~13冊目-ユーラシア横断宗教本の旅~『アルケミスト』から『親鸞と道元』まで(後編)

8~13冊目-ユーラシア横断宗教本の旅~『アルケミスト』から『親鸞と道元』まで(後編)

2月の「宗教本強化月間」の記録を綴る三部作の、ラスト3本目。

1本目で『アルケミスト』の始まりの地であるスペイン・アンダルシアから、聖書の舞台である中東世界へ、そして2本目でそこからダライ・ラマの故郷であるチベットを経由して、ブッダの言葉に近づくべくインドまでやってきました。

最後はブッダの語った「無我」の意味を追って、日本への伝来の道を辿ります。

公方俊良『般若心経90の智恵―276文字

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8~13冊目-ユーラシア横断宗教本の旅~『アルケミスト』から『親鸞と道元』まで(中編)

8~13冊目-ユーラシア横断宗教本の旅~『アルケミスト』から『親鸞と道元』まで(中編)

神と「罰」2月の「宗教本強化月間」の記録を綴る三部作の、2本目。

1本目、パウロ・コエーリョの『アルケミスト』を読む途中で改めて聖書を勉強してみたっていうことを書いたのだけど、そのなかで気になったのは、聖書の、特に旧約の神の、「罰」についてで。

たとえば有名なところでは「ノアの方舟」。欲情に支配され堕落した人々に失望した神は、ノアの一族を除いて、残りの生き物を滅ぼすことを決める。
さらっと書い

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8~13冊目-ユーラシア横断宗教本の旅~『アルケミスト』から『親鸞と道元』まで(前編)

8~13冊目-ユーラシア横断宗教本の旅~『アルケミスト』から『親鸞と道元』まで(前編)

なんだか一気に「冊数」の数字を稼ぎにいったみたいなタイトルなのだけど、さにあらず。

2月は思いがけず「宗教本強化月間」となったのでその記録をつけておこうと思ったところが、全部バラバラにするにはもったいない感じの連関性だったので、まとめてみたというわけ。

そして後から気づいたのだけど、この一連の読書がヨーロッパの西端からアジアの東端つまり日本までの「旅」のような軌跡になっていたという発見があり、

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