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ねこぜの教育論

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教育関係の雑記
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2023年8月の記事一覧

遺伝は呪いではない

遺伝は呪いではない

◆こんにちは。小学校教員のねこぜです。代麻理子さんの「ゼロから学ぶ街場の大学」に参加してきました。ゲストは『教育は遺伝に勝てるか』の著者である安藤寿康先生です。以前記事にしたことがあります。

 安藤先生に直接質問させていただいたり、自分の考えを聞いていただいたりして学ぶことが多かったので、記録していきます。

1.遺伝か環境かその両方か

 「親がああだから子どももこうなるんだ」これは遺伝の一部

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「死にたい」の中にある「生きたい」

「死にたい」の中にある「生きたい」

◆こんにちは。小学校教員のねこぜです。「不登校」。非常に難しい問題です。というのも私たち教師は、教室にいる、目の前に座っている子に対して言葉をかけ、話を聞き、アイコンタクトを取り、言葉を交わし…と関わっています。しかし、そこに「いない」子ども(たち)への関わり、寄り添い、慮る…これは容易ではありません。何をすればいいのか、何もできないのか、非力を嘆くこともありました。東畑開人さん著『聞く技術 聞い

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目標だらけの学校教育(2)

目標だらけの学校教育(2)

◆こんにちは。小学校教員のねこぜです。前回の目標だらけの学校教育ではややも愚痴っぽく書き連ねてしまいましたが、少し具体的に解像度を上げてみたいと思います。参考図書に國分功一郎さんの『目的への抵抗』を用いていきます。

1.無駄をそぎ落とすことの功罪

 主張に入る前に、目標と目的の定義をはっきりさせておきたいと思います。
 目標とは、①そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの

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目標だらけの学校教育

目標だらけの学校教育

◆こんにちは。小学校教員のねこぜです。会社でもそうなのかもしれませんが、学校現場にいるとたくさんの「目標」を目にします。教育目標、生活目標、給食目標、クラス目標…目標、目標、目標、目標だらけです。その他にも「目的」「めあて」「ねらい」「夢」…多すぎませんか?子どもが目標疲れしているのではないかと心配になるレベルです。

 これは森田真生さんのエッセイ。私は読んでハッとしました。時間は過去から未来へ

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インフラから見る歴史

インフラから見る歴史

◆こんにちは。小学校教員のねこぜです。夏休み連続投稿はなかなか負荷がかかっています。「書く」と「読む」は、空気を吸うと吐くのように呼吸そのものです。1年間読んできた本について「書く」ことで呼吸を整えていきます。今回は歴史地形学について。参考文献は竹村公太郎さんの『日本の都市誕生の謎』です。

1.小学校社会科における歴史のポジション

 6年生になると歴史の学習をします。徳川家康や織田信長など、武

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