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深海の光

息継ぎを忘れた魚のように
尾びれを揺らして眠りにつきたい
忘れがちな記憶と生命力は
透けて見えなくなってしまっても
それでいいんだ。

大人になろうとすればするほど
上手に泳げもしない私を、残酷で冷酷な目で見てくる。
見たかった風景は美しくて好きだけど
少し疲れた私は水面に浮上する。

そのことがとても虚しくて、悲しくて
まるで売れ残りの魚のように息絶えるようだった。
「おはよ」って優しい色の海に言えなくなってからは
正解を探して、空を眺めている。

私の切り取った輝かしい過去をいくら語っても
私に上手に生きるすべを導いてはくれなくて
意味のない会話をしては、ウロコを光らせて
存在意義を唱えていた

柔らかな波は私をすべて肯定してくれる。
考えなくても、手を伸ばした先には
眩しい全てが私の世界だと感じていた。
お揃いの傷は親愛なる君への忠誠の証として

私の足で未来を歩くことができるならば
何もかもこぼさないように
陽射しの届かない部分までも
共に生きることを誓うわ。

もしどこかで、深海でしか生きれないものがいるとすれば
それはまるで私、尾びれを揺らして眠りにつく私とおんなじ。
息が出来ないから、来世でも願うならば
私が迎えに行こう

深海のように暗い場所でも、光を吸収したら
きっと今以上の世界を望むはず
前世はきっと、そうだったはず。

あとがき
みんなと同じように就職し、みんなと同じように頑張るのだけれど、頑張れば頑張るほどつらくなって、結局辞めてしまう。
辞めてしまえば、今度は虚無感が襲ってきて何が正解なのかわからない日々を送る。

過去の栄光は何の意味もなさなくて、一生懸命過去を語って自分という存在を社会に置いておきたいと願ってしまう。
そんな私を友達や家族は優しく向かい入れてくれる。
(お揃いの傷は、同じように辛い思いをした心の傷かもしれないし、二人で開けたピアスとかかもしれない)
忠誠の証とは、お互いを信頼しているという意味

でもその存在があるから、私はまた歩き出した。自分の影の部分でさえも。
だから今度は、同じように暗い深海で生きている人がいるならばその人の光となりたい。
前世はきっとそうだったはずとは、出会いが偶然でなく必然であるのなら、出会うべくして出会うのだから。という意味です。

この詩から、私自身がそうなんだと感じました。
言葉の羅列から物語を考える。同じ言葉でも作る人できっと違う世界ができます。ならばこれは、自分の潜在意識を投影しているのかもしれない。
誰かの役に立ちたい。それが根本にあるんだと思います。

言葉の羅列から生まれるストーリー

無造作に無作為に言葉を羅列する
そのままの順番でストーリーを作る
今日はこの羅列↓↓↓

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