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わたしのなかの”あふれ”が言葉になり、その言葉たちが繋がって、詩になりました。
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#詩人

おやすみ | 写真・詩

おやすみ | 写真・詩

おやすみ
おやすみ
もう言葉を使うこと
疲れたね

おやすみ
おやすみ
何か伝えようにも
この世界では幾分難しい

おやすみ
おやすみ
またいつか
言葉を使いたくなった時
顔出してくれたらいいからね

形にならないもの
そのままにしとくこと
別に悪いことじゃ
ないからさ

君が眠っている間
君に届いた悲しみは
僕がここでさよならをする
君に届いた苦しみも
僕がここでさよならをする

だから
おやす

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寒いと唄えよ | 詩

寒いと唄えよ | 詩

自分だけの水たまりを探すといい
それはきっと
キミの助けになるから
内側で誰かが歌った

曲がりなりにも
ここまでやってきた
それはいつかのわたし
言葉にならないもの

ぷかぷか浮かぶ浮き輪のような
気分屋なだれか
あくびをしていたら
あっという間にさよならが来た

大事な実はもう弾けたかい?
輝く日々は過ぎ去ったのかい

のらりくらりと息をしてたら
濁流の中に飲み込まれていくよ

さぁ早く

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緑木 | 詩

緑木 | 詩

今、息をする

目の前の緑木のように
素直に きらきら
輝くのは難しいけど

光に反射してできた
影を見つめて
時々虚しくなったりもするけど

きらきら
することだけを
良いと決めつけないで

目指してたものが 
途中で折れて
こっちは嫌だと
どんどん 
枝葉ができた

でもそれも 
悪くないでしょう

迷いながらも 
ただ今は
陽の光にあたって
きらきら輝くそれを見て

深く、息ができている

とある私の日常 | 写真・詩

とある私の日常 | 写真・詩

おばあちゃんちには
好きが溢れている

朝の光に反射する
昔ながらのポスト

車庫の前にある
いつもの電動自転車
古びたキャンプ用の椅子

まだらに錆びた洗濯物干し

きらきら輝く金属製の洗濯バサミ

朝起きて、庭で息を吸う時に
まっすぐゆらゆら伸びる影

朝に現れる亡霊みたいだ

みんなどこかしら色褪せていて
当たり前にそっと佇む

なんだかとても
儚くて愛おしい

そんなわたしの、日常

ペルソナ | 詩

ペルソナ | 詩

大事な判断の材料に持ってくるのは
他人の情報じゃなくて
自分が息吸って吐いて
感じたこと

体感したい
体感したい
体感したい

しばらく躁になって
周りが見えなくなるくらいに
心躍るのはどんな瞬間?

一段飛ばしで
階段降りるくらいには
浮き足立って

うっかり踏み外して怪我しても
まるで痛みは感じないような

毎日じゃなくて良いから
定期的に来る”私なんて”を
掻き消すような
出会うべきはそん

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灰色観覧車 | 詩

灰色観覧車 | 詩

回れ虹色 観覧車
揺れる気持ちを
掻き消すように
回れ灰色 観覧車
あの日の夢を
忘れぬように….

--------------

人とか金とか林檎とか
雨とかパンとか切手とか
魚が泳ぐ事が
さも当たり前のような世界で

今日も回るよ

灰色観覧車

そこはこうだって前教えたよね?
もっと明るめの声で電話に出なさい
無意味な常識振りかざして
社会通念に従順に縛られて生きる先輩方の後ろで
今日もお

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夏を駆け巡る | 絵・写真・詩

夏を駆け巡る | 絵・写真・詩

夏を駆け巡る

夕方の四時半
この時間ならもう涼しいでしょ
って笑いながら
意気揚々と出かけた海散歩
波打ち際をてくてく歩くにつれ
からだがどんどん火照っていく
もうこれでもかというくらい
水分を体の中にとりいれて
なんとか回復 
最後は笑わずに帰った

夏を駆け巡る

昼過ぎの一時半
リビングの窓にふと目をやると
レースカーテンの隙間から緑色の木漏れ日
今年もゴーヤのカーテン
すてきに出来たんだ

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優しいスプーン | 詩

優しいスプーン | 詩

優しいスプーン
折り曲げたら憎しみに変わった

あっけらかんとしてるなぁ
と思っていたあの子は
実は誰よりも気にしいだった

みかんの皮のように
外側からしおれていく

人と違っていたい!と言い張る
セリフとは裏腹に
人に合わせて安心してる
わたしがいたのも事実で

何も浮かんでこなくても
周りはそれぞれがそれぞれに息をして
先に進んでいく
山を登っていく

一方まるでわたしは
筏のように川を下る

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みーみみみみみ | 詩

みーみみみみみ | 詩

みーみみみみみ

耳から聞こえてくるよ

暑い日差しが

心までダイブしてくるよ

そうやって

そうやって

笑えばいいさ

悩めばいいさ

横断歩道は白いところだけ

踏んだらいいさ

跳んだらいいさ

そうやって

みんなじぶんに気づいていく

みーみみみみみ

気づいていく

まどろみの中で | 詩

まどろみの中で | 詩

雨だよ って言ったら

雨だよ って繰り返して。

立て続けに並ぶのがいいんだよ、だってさ

どうやらそれが最近の流行らしい

ふんふんそうか、と

耳を澄ませて聞いていた

あったかいじかん

昔じゃ考えられなかった

螺旋階段

ピアノの音

曲がるスプーン

その時生まれた感情

どれも必要なようで

どれも特に必要でない

ケースバイケースだよ

なんて、わかったように言うから

腹が立っ

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