介護の学び＃1【必要とされること】
介護業界での20年近くの経験をもとに、学んだことについて投稿していきたいと思います。
今回のテーマは【必要とされること】です。
人は誰でも他の人に必要とされると喜ぶものです。
介護サービスを利用される方々の様子を見ていると、互いの交流を通して支え合ったり助け合ったりしている姿をよく見かけます。
介護や心理学の基本知識として学ぶ「マズローの欲求5段階説」を目の前で見ているような感覚です。
互いに助け合い、支え合い、時には使命感が強くなるのかルールに対しての意識が強くなって言い合いになったり…
介護サービスを利用される方々の中には、サービスを受けている時の様子がご自宅とは全く違うという方もおられます。
家族様に対して利用者様の利用中の様子をお伝えすると「家とは全く違います…」とのお話をよく伺います。
人は人の中で生き、自分自身がそこにいる存在意義や存在価値を感じられるからこそ、それが喜びに変わり、その結果が活力となって表れているのではないかと感じます。
いつも笑っているわけではなく、怒ったり、悔しがったり、悩む方もおられますが、どことなくいきいきとされているように見えます。
深夜、私が洗い物をしていた時のことです。
利用者様が「手伝おうか？」と話しかけてくださいました。
「ありがとうございます。でも大丈夫ですよ。深夜ですから、ゆっくり休まれてください。あとでお茶でも準備いたしましょうか」と返すと…
「年齢いってもね、誰かの役に立つって嬉しいのよ。何もしないと、ここにいていいのかなとか、申し訳ないな、情けないなって思っちゃう。だから手伝わせて。人から必要とされるって嬉しいのよ」
と、笑いながら話してくださいました。
一緒に洗い物をして、その後一緒にお茶を飲みました。
お茶を飲みながら5分ほど談笑していると…
利用者様は「そろそろ晩ごはんの準備しなきゃね」と私に言いました。
私は「今日の晩ごはんは何を作りましょうか、買い出しに行ってきますので、その間お部屋で休んでいただくのはいかかでしょう。なるべく急いで買ってきますので」と返しました。
「じゃあ、お願いするわ。よろしくね。いつもありがとう」
その後、利用者様はお部屋に戻られ、ベッドで横になられました。
人は人を必要とし、同時に必要とされることに喜びを感じ、だからこそ安心して穏やかに生きることができるのではないかと思います。
人にとって【必要とされる】とは何なのか…改めて学ばせていただく貴重な経験となりました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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