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Elias 歌劇団 第二回公演 ~星と夢のうた~

Elias 歌劇団 第二回公演 ~星と夢のうた~

登場人物

 まどか 作詞家 
 あやか 女優
 さあら 脚本家
 まき  シンガーソングライター

あやかが入ってくるのに合わせて、ティンシャを鳴らす

【ほしめぐりの歌】IN

 あかいめだまの さそり 
 ひろげた鷲の  つばさ。
 あをいめだまの 小いぬ、
 ひかりのへびの とぐろ。
 オリオンは高く うたひ
 つゆとしもとを おとす。

 アンドロメダの くもは
 さかなのくちの かたち

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伊勢崎町ブルースなんて歌いたいものですね

あんた誰に口きいてんの?
あたいを誰だと思ってんの!?

そうよ、あんたがバカにするあの町の出よ
ど底辺よ!
だからなんのよ!

こんな小さなころから借金取りとも戦った
クリスマスプレゼントはスポロガムのおまけ
小学校に上がった時の誕生日プレゼントは
トウモロコシが三分の一個

あんた知らないでしょう!
涙と一緒にたべるトウモロコシの甘さなんてさ

だからあたいは強いのよ
負けない!

あたいがあ

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道化もどうなのけ

君が笑ってくれるなら僕は道化にだってなんだってなるけれど

僕がどんなものであれば君は笑ってくれるんだろうって

そんなことばかりなの

僕が上手に生きられないと寂しく思う時は

君を笑顔に出来ない時なんだ

Elias歌劇団 第一回公演 【心の小箱】~precious memories~

Elias歌劇団 第一回公演 【心の小箱】~precious memories~

☆オープニング☆

ティンシャをそれぞれ一回ずつ鳴らす。朗読する順で鳴らす

これは私の物語

これは私の物語 

これは私の物語

全員 これは私たちの物語

全員 これはすべての物語

読み人はティンシャを鳴らしてから読む

【うののさあら作・糸の物語】

【彩香作・小さなキセキ~僕が天使と出逢うまで】

【織巴まどか作・燃えるキリンの夜の夢】

☆エンディング☆

これは古の物

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もうずいぶんと

もうずいぶんと要らぬ分別もついたので

現実にそんな事はないのだけれど

正体不明になるまで飲んで歌って踊って倒れたい

雪道のキシキシ言う音に程よい孤独を嗜んで

あられもない後悔をつぶさに重ね

ぐるぐる回る意識の中で

誰かの腕の感触を慕って眠りたい

そんな昔の自分を懐かしむ

情熱的で

情熱的で真摯で厳格なる愛も必要でしょうが

薄っぺらで嘘まみれでその場しのぎの冷たい優しさだって

人を救うときはあるのかもしれない

所詮人の意図なんか全部超えて差し出すように差し出され受け取るように受け取られる

あんなにも

あんなにも思い浮かぶ世界が形にならない事をおそれて日々絶望に溺れ泣き暮らしていたのに

いま私の中に次々と浮かぶ源はなんのこだわりもなく雨粒のように降り川のように流れていく

ただ、それが生まれることだけが、永久機関のように私を喜びで満たす

そんな事があるなんて誰が信じるというのか

はぁはぁ

はぁはぁ

全て既にある

とか

内側の豊かさ

とか言うもんはこれかと

私の中の創作の根源が有限だと思うから形にならない一つ一つを憂うのであって

どの表現もあたおか散文みたいなもんだと思えば

いくらでも降って流れて揮発してまた降る

そしたらやっぱり私は雨になって降り注ぐ事ができるのだ

お仕舞い

お仕舞い

なにかの作法のように
丁寧に静かに服を着せられる

ショーツが太腿の間を滑り

ブラのホックが止まり
肩紐を合わせ

ブラウスのボタンが
ひとつ、またひとつ留められる

スカートがスルリと腰まで上がり
ヒダのひとつひとつまで整えられる

さっきまでの嬌声と水音が嘘のように
衣ずれの音だけが耳に響く

一枚、一枚と

着せられる間に

ひとつ、ひとつと

私は幼子に戻されるような思いがした

その鮮

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こんな夢をみた

こんな夢を見た。

気が付くと僕は片田舎の本屋の看板だった。

老人は曲がった腰で重々しげに毎日シャッターを上げては閉め、店先のワゴンを出してはしまい。変わらぬ日々を送っていた。時に子供が絵本をねだり、少年は少し早い性の目覚めを後ろめたそうに覗き、OLが旅の予定をみつけあて、主婦は今日の夕飯を探し当て、サラリーマンは小さなロマンを抱きしめながらそこで過ごしていた。しかし、誰もが知っていたであろうそ

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孤独の岬で手を振る人よ

孤独の岬で手を振る人よ

元来人と言うのは

「孤独」を友として生きているのではないかと思う

とある投稿を読んでいて
私の中に呼びかける何かがいた

同じ時間に同じ場所にいても
同じ母と同じ父を持っていても

その人がどのように感じているか
今腹が空いているのかいないのか
どんな悲しみを持っているのか

こんな職業をしていてなんだけれども

そう言ったことは
たとえ言葉を尽くしても
当人以外には
届かない分け合えない

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悪魔と天使

悪魔と天使

N「自分の中に悪魔と天使がいて、そいつらがささやきかけてくる、、、
というような事ってのは誰にでも起こる事かと思います。チャネリングとかね、そんな難しい話じゃなくて。ダイエット中だけどこれ食べたい、、、」

悪魔「食べちゃえよぉ~おいしぜぇ~」
天使「ダメよ、ちゃんと目標立てたもの、知ってる、あなたはここで食べちゃうような子じゃないわ」

N「とかなんとかいうやつね、これはそんな、だれにでもある、

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sairuiu

sairuiu

ガラスの向こうに見えたのは

母だった

みた事もないひと昔前のクラシカルワンピースに身を包み
明るい色の傘を差した

それは母だった

胸騒ぎのようなものを覚えてかけつけようとした
私の足を雨が阻む

いつもより細く儚く見えた母の腕が
乙女のように小さく手を振った向こうには

彼がいた

それはまぎれもない

彼だった

スーパーの袋に家族四人の食材をパンパンにして運んでいる
逞しいいつもの母の

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三拍待て

三拍待て

劇団を離れて9年目に入る

今までとはまた違う視点で色々見られるようになってきたのであの頃の自分に当てた手紙みたいに色々書いてみようと思う

私がいたお芝居の稽古の場では、どのテンポでどう話してどう動くかと言うのは指定がない限り役者が考えて決めるものだった

でも稀に演出から細かに動きやテンポまで指定されて

俺の言うとおりに動け!このセリフのあと三拍待ってから次に動け!

とか言われる事もあって

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