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「ライターのしごと」シリーズ

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記事一覧

スポーツジャーナリズムの世界で壮絶に戦ったある女性記者の話

スポーツジャーナリズムの世界で壮絶に戦ったある女性記者の話

ライターの仕事#7

森喜朗氏の女性蔑視発言が世界中から非難を浴び、日本では連日この話題が続いている。そんな中で、ある女性記者のことを思い浮かべた。

私がニューヨークでMLBの取材を始めた頃、いつも取材に行くヤンキースタジアムで出会った、Rさんだ。Rさんもちょうど時を同じくして、ニューヨーク大手新聞のコラムニストとして働き始めていた。

当時はまだデジタルで記事を読むという環境にはなく、いつも現

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ライターのしごと#6「記者と英語」

ライターのしごと#6「記者と英語」

私は米国の大学に留学し、10年以上米国に住んで仕事をしていたので、たまにこんな質問を受けます。

ライターに英語力は必要ですか?

以前返した答えは、必要というわけではないけれどあれば役に立つということ。例えば自分がスポーツライターだったら、他に優秀なスポーツライターさんはたくさんいるわけで、その中で生き残っていくのは大変なわけです。でも英語ができて米国のスポーツに詳しければ、米国で取材をしてアメ

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ライターのしごと#5「記者のprivilege」

ライターのしごと#5「記者のprivilege」

ここに掲載した写真は、米国ロードアイランドにあるマッコイスタジアムにあるコンコース壁の展示物だ。ボストン・レッドソックス傘下AAA級ポータケット・レッドソックスが今季まで使用している(使用するはずだった)球場だ。

元レッドソックスであり現横浜DeNAベイスターズのコーチである大家友和氏がポータケット時代に完全試合を達成したことは野球ファンならご存知の方が多いと思うが、そのときの地元紙が球場の壁に

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ライターのしごと#4「フィードバック」

ライターのしごと#4「フィードバック」

どんな仕事もそうなのかもしれないけれど、ライターの仕事というのは常にインプットとアウトプットの繰り返しだ。アウトプットとはもちろん、記事を書く作業のこと。そしてインプットとは、取材活動や執筆する分野の勉強、情報収集なども含めたあらゆる取り込み作業のことだ。

インプットの1つには、「フィードバック」というものもある。

ライターにとってのフィードバックとはもちろん、読者から反応をもらうことにより何

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ライターのしごと#3「趣味と仕事」



趣味を仕事にするべきか、はたまた趣味と仕事を分けるべきか。

そんな議論をたまに見かける。

私はもちろん「趣味を仕事にする」派。フリーランスで書いたり描いたり造ったり創ったりしている人は、ほとんどこの一派に入るのではないだろうか。例えばライター(記者)の場合、フリーランスではなく出版社なり新聞社なりの社員という人もいるのだが、社員の記者さんは自分の好きな分野を延々と続けていられるわけではなく

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ライターのしごと #1「プロ意識とは」

すごく久しぶりに書籍の企画書を作っている。

ウェブが幅を利かせる時代になってから日々の仕事に追われることが増えて、つい目先の仕事に走ってしまい、企画書を作るという作業から遠ざかっていた。新型コロナウイルスの影響でMLBも当分シーズンが始まりそうにない状況なので、この機会に普段やっていなかったことに取り組むのもいいかもしれないと思った。

企画書が通らなければもちろん書籍にはならないので、この企画

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ライターのしごと #2「始め方」

ライターのしごと #2「始め方」

フリーランスのスポーツライターとしてやっていこう!

今回は、そう思い立って実際に実行に移すタイミングについて書きます。

私の場合は、アメリカに行き現地のスポーツを取材して日本のメディアで発信するという道を選んだので、タイミングはMLBで日本人選手がデビューしたときでした。パイオニアである野茂英雄さんがドジャースでデビューしたときは、まだアメリカに行って仕事をするというような状況ではなかったため

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