鈴木ひさし|不易流行

古典芸能プロジェクト「不易流行」代表運営者。 歌舞伎役者・市川青虎、株式会社BARIK…

鈴木ひさし|不易流行

古典芸能プロジェクト「不易流行」代表運営者。 歌舞伎役者・市川青虎、株式会社BARIKI・山本健太、株式会社まめ・木原翔平と共に運営。 プロジェクト理念は「古典芸能が本来持ちうる芸術性と娯楽性を、現代人が楽しめる形で提供する」こと。

最近の記事

ヌマホト第一弾「狂言への手引き」開催に向けての打合せをしてきました!

不易流行の運営代表・鈴木です。 いよいよ明日開催となるヌマホト第一弾「狂言への手引き」に出演いただく善竹大二郎さんと、訪日旅行客の方向けに英語での解説をしてくださる柴田憲吾さんと打合せをしてきました🙌 この投稿では、公演当日にお客様へ向けて行う上演前解説の内容をリストとポッドキャストで公開いたします😊 初めてご覧になる方にとっては楽しむための予習になると思います🙏 ★イントロ〜狂言について/鑑賞のコツ〜★ ① 演者が歩いて「どこどこへ着いた」という台詞で場面転換となる

    • 坂東玉三郎×鼓童 初春特別公演『幽玄』を観てきました!

      こんにちは! 改めまして、不易流行の鈴木です😊 先日、大阪松竹座にて『幽玄』を観て参りました! 2018年末のお笑い披露公演を観覧して以来の松竹座🤲 ミナミは観光客含め賑わっていました! かつて4年半大阪に住んでいたので、人が溢れかえっている大阪を見るとグッときます😆 前回の公演は観ていなかったので、どんな演出なのか楽しみでした! そして、初めてイヤホンガイドを聴いてみましたー! これは良いですね! とても勉強になりました✍️ 同じ劇場内でも場所によって聴き取りにくいエ

      • 不易流行「○○沼のホトリへご招待(通称:ヌマホト)」シリーズ始動

        今年初の投稿となる今回は不易流行の活動報告です! 改めまして、不易流行の運営代表・鈴木です。 さて、先日ホームページとTwitterにて、不易流行がお届けする新企画「○○沼のホトリへご招待(通称:ヌマホト)」シリーズの始動と第一回開催の旨を告知いたしました。 ヌマホトシリーズ第一弾「狂言への手引き」 今回の投稿では、こちらについての経緯や想いについてお話しさせていただきます🤗 ヌマホトのきっかけ 私自身が古典芸能の沼の畔にいると自認していまして、感じている面白さが多

        • 不易流行 第三期始動

          2020年12月13日に不易流行としての初作品「狂言×歌舞伎 オンライン公演 不易流行」をリリースしてから、丸二年が経ちました。 まだ二年、されど二年。ここまで続けられたのは、関係する方々のおかげです。 何よりも感染症禍の不安定のなかで、あらゆるプロジェクトを抱えながらも時間を作って一緒になって取り組んでくれている不易流行メンバーには本当に感謝しています。 一方で、このスタイルだから続いているのかなとも思っています。 「不安定さの効用」と漢字多めで書くとわかりにくいですが、

        ヌマホト第一弾「狂言への手引き」開催に向けての打合せをしてきました!

          不易流行ロゴのリニューアルにあたって

          不易流行の第一期(2020年12月13日〜2021年12月12日)の取組としては、 狂言×歌舞伎 オンライン公演 不易流行 に始まり、 部屋子の部屋 音楽驛 不易流行 遅ればせながら、市川弘太郎の会 と駆け抜けて参りました。 常に「面白いことをしたい!」「先人含め関わってくださる方、同じ業界にいらっしゃる方への配慮は足りているか?」「より良い届け方はないか?」と議論を続け、今があります。 当初のオンライン公演を創る際、このプロジェクトのロゴは弘太郎(当時)の直筆が良いと考

          不易流行ロゴのリニューアルにあたって

          市川弘太郎 改め 二代目市川青虎

          本日は令和4年3月2日です。 関東地方は良い天気で、いよいよ春が訪れたと感じさせる日となりました。 お隣さんの梅も可愛らしく綺麗に咲いております。 騒がしい毎日にあっても、こうして美しいものを眺められていることにたいして、ありがたい気持ちでいっぱいになった一日でした。 さて、明日は同志である弘太郎が、二代目・市川青虎を名乗る日です。 ここのところはお稽古が多忙を極め、我々も心配になるほどの毎日を送っているのが見て取れますが、歌舞伎役者人生の中で一度しかない新たなスタートのた

          市川弘太郎 改め 二代目市川青虎

          絶対正義はない

          不易流行を立ち上げてから、改めて古典芸能で描かれる世界(筋と呼ばれるストーリーや登場人物の描写に見られる設定や背景など)について意識を置くようになりました。 舞台上で描かれている世界には、現代人の視点としては到底受け付けられない設定や習慣・慣習、心的描写が見受けられます。 例えば、求愛した女性の顔をよくよく見ては醜いと言って逃げ出したり、いとも簡単に子どもを殺したり…現代人の感性では笑えなかったり、芝居といえど目を覆いたくなるような描写も随所に見られます。 所謂ヤクザものとい

          友よ、君は形式と中身が1つであることをわかっていない。

          今回のタイトルのフレーズは、「バランスシートで読みとく世界経済史(ジェーン・グリーン・ホワイト 著、川添節子 訳)」の中で引用されているゲーテの小説にあるセリフの一部です。 複式簿記の意義、効用を唱えている人物が発しているのですが、要するに行き当たりばったりで商売をするな、ということです。 当たり前のように思われる内容ですが、どれだけの人が日々の生活で実践できているのだろうか、自分はできていないな、と思いました。 そして、記録することがいかに大切かを不易流行の活動を進める中で

          友よ、君は形式と中身が1つであることをわかっていない。

          生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸 / 命長しと思うこと勿れ

          新社会人時分から勤めていた会社を2018年に辞め、これから自身で仕事を創っていこうという時に、大学以来の先輩が月刊誌「致知」の購読を薦めてくれました。 現役の経済人や作家、アスリートなど多岐にわたる第一人者たちが人間学のテーマのもとに論じる冊子でして、学ぶところが多く、また精神安定剤のように私には作用しております。 この「致知」の購読がきっかけで禅に興味を持つようになりました。 さらには、その後「不易流行」の活動を通じた縁があり、私が対話をしたわけではありませんが、おてらおや

          生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸 / 命長しと思うこと勿れ

          違和感を覚える瞬間と、その行き着く先

          まずは新年のご挨拶を申し上げます。 昨年は「不易流行」へのご愛顧を賜りまして、心より感謝申し上げます。 お客様に喜んでいただける企画を生み出していかれるように、チームとして日々新たな着想を得ながら議論を続けて参ります。 引き続きまして、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。 これを書いているのは令和4年1月6日なのですが、今日は関東地方が雪でして、私が今いる逗子のカフェのテラスには徐々に雪がつもり始めています。 ここのところは対面での打合せも多くなって参りました。 「不易流

          違和感を覚える瞬間と、その行き着く先

          絶対大丈夫

          今回は日常でふと浮かんだ雑感の投稿となります。 「絶対大丈夫」 野球に馴染みのある方であればご存知かと思いますが、東京ヤクルトスワローズ高津監督の言葉です。 私の周りでも皆さん使っているのを見聞きすると、優勝したことによる単なるバズフレーズでは無いのではないかと思うようになりました。 思いついてから何か調べたわけではなく(つまり完全に「知らんけど」の話)、勝手に色々と自分の頭のなかで紐つけているだけなのですが、このフレーズが浸透した理由を紐解いてみたいと思います。 まず注

          「不易流行」が未来へ運んでいくもの

          少し粋がったタイトルをつけてしまいました。 意義と課題を取り上げますので、どうしても未来志向になってしまいしっくりとくるのがこの表現になりました。 改めまして、今回は、 ・古典芸能プロジェクト「不易流行」を行う意義 ・「不易流行」の現在地と第二期に取り組むべき課題 についてお話いたします。 「狂言×歌舞伎 オンライン公演」の準備を進めるなかで私が感じていたのは、プロジェクトチームとして可能性があるということでした。 私個人としては始動時点から、配信公演に留まらず、継続的に

          「不易流行」が未来へ運んでいくもの

          「狂言×歌舞伎 オンライン公演」が出来るまで③

          今回は ・収録日直前の葛藤 ・収録現場でのアクシデント についてお話しします。 「上手くいかなくて、当たり前」「何故自分だけが上手くいくと思っているのか」 この言葉も、おてらおやつクラブの福井良應さんから学んだものです。 当然のことのように聴こえる内容ですが、胸に手をあてて考えてみると冷や水を浴びせられたような感覚になったのをはっきりと覚えています。 「自分は一生懸命に、真摯に向き合っているのだから大丈夫」と考えることは良いことなのですが、一方で「思い描いているとおりに事

          「狂言×歌舞伎 オンライン公演」が出来るまで③

          「狂言×歌舞伎 オンライン公演」が出来るまで②

          今回は、 ・何故狂言との合同作品になったのか ・どのようなスケジュールで準備や制作を行ったのか をお話ししたいと思います。 発端は、大蔵流狂言師の故・善竹富太郎さんと弘太郎との会話にあります。 弘太郎が子供の頃に善竹十郎先生のところでお稽古をしていたことから、大人になっても富太郎さんと交流があり「いつかこんなことをやりたいね」と話していたようです。 その「こんなこと」とは、狂言と歌舞伎の同時上演です。 ご存知の方も多いことと思いますが、歌舞伎の演目のなかには狂言から移入さ

          「狂言×歌舞伎 オンライン公演」が出来るまで②

          「狂言×歌舞伎 オンライン公演」が出来るまで①

          今回のタイトルを書いたとき、「縁を起こすとはこういうものなんだろうね」という弘太郎の言葉を思い出しました。 この話をする前に、弘太郎が発信しているメディアのひとつであるArtistspoken(https://artistspoken.com/lp/)について触れたいと思います。 2020年4月〜6月の話です。 なかなか劇場公演再開の見通しが立たないなか、何かしら発信をしていくことで得られるものもあるだろうと、まずはInstagramの開設を私は弘太郎に勧めてみました。 歌

          「狂言×歌舞伎 オンライン公演」が出来るまで①

          古典芸能プロジェクト「不易流行」を立ち上げた経緯と、創設メンバーの紹介

          本日は不易流行ができた経緯と創設メンバーのお話をします。 その前に、まずは自己紹介を致します。 私は父が花柳流の日本舞踊家ということもあり、幼少時は踊りの会やオラトリオ「ヤマトタケル」などに出させていただく機会がございました。 どれも本当に素晴らしい経験で踊りも舞台も好きではあったのですが、一方で野球が好きで中学進学以降は徐々に所謂芸事からは距離を置くようになりました。 今思えば、少年期にありがちな親とは違う世界でのアイデンティティの確立を目指していたのかもしれません。 し

          古典芸能プロジェクト「不易流行」を立ち上げた経緯と、創設メンバーの紹介