生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸 / 命長しと思うこと勿れ

新社会人時分から勤めていた会社を2018年に辞め、これから自身で仕事を創っていこうという時に、大学以来の先輩が月刊誌「致知」の購読を薦めてくれました。
現役の経済人や作家、アスリートなど多岐にわたる第一人者たちが人間学のテーマのもとに論じる冊子でして、学ぶところが多く、また精神安定剤のように私には作用しております。
この「致知」の購読がきっかけで禅に興味を持つようになりました。
さらには、その後「不易流行」の活動を通じた縁があり、私が対話をしたわけではありませんが、おてらおやつクラブ理事の福井良應さんのお話を伺う機会を得ました。

その流れで手に取った本「不要不急 苦境と向き合う仏教の智慧」で初めて触れ、沁み入った言葉がこの記事のタイトルの一つである「生死事大 無常迅速 各宜醒覚 慎勿放逸」です。
禅や仏教などに関する本は、母や友人が亡くなり、子供が産まれ、という人生において生と死が入り混じったこの数年で、私の道標となっているように感じます。
20代まではどこかへ放っておいた「今は生きている」「いつかは死ぬ」ということが、30代に入り鮮明になっていくなかで読書から得る言葉の数々は私の大きな拠り所となっております。
将来ばかり案じていても全ての事物が計画できるものではない、かといって、今をそれっきりのものとしてもいけない。何事も極端を避け、生き方を見つめることが大切なのだと学びました。
まさしく「中道」の探求ですね。

そして、もう一つ「命長しと思うこと勿れ」です。
そらそうよ、と思いますが、「禅と日本文化(鈴木大拙 著、北川桃雄 訳)」で「葉隠」とともに「武道初心集」の訳引用がされており、その一節が上記の言葉です。

いかに一瞬を大切に生きるか、心に強く留めて日々暮らしていきたいと思います。

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