絶対大丈夫

今回は日常でふと浮かんだ雑感の投稿となります。

「絶対大丈夫」
野球に馴染みのある方であればご存知かと思いますが、東京ヤクルトスワローズ高津監督の言葉です。
私の周りでも皆さん使っているのを見聞きすると、優勝したことによる単なるバズフレーズでは無いのではないかと思うようになりました。
思いついてから何か調べたわけではなく(つまり完全に「知らんけど」の話)、勝手に色々と自分の頭のなかで紐つけているだけなのですが、このフレーズが浸透した理由を紐解いてみたいと思います。

まず注目したいのは、これがモチベーションを上げるためのフレーズなのかという点です。
勝負事の世界、特にチームスポーツには試合前に確認事項を踏まえて最終的には臨戦態勢を極限にするフレーズを口にすることは多くあります。
アメリカンフットボールだったと思いますが、クラブハウスにある板状のものを選手たちが叩いて鼓舞するというルーティンも見たことがあります。
一方で、「声出し」と言われる「儀式」では過度な緊張をもたらさないための、笑いを起こす言葉選びも見受けられます。
これについては、プロ野球チームの面白い「声出し」の様子がYouTubeで公開されているので一般的になった印象です。
また、アイドルグループが「we are〜!」と叫ぶような一体感を出す掛け声もコンサートのスタッフカメラなどでよく目にします。
これらはそれぞれの意図があって行われていますが、どれもモチベーションを上げるというよりも、「チームで行うことを再認識する」「ミスを恐れずに一体となって取り掛かる」ことを主旨としているように思います。
たしかに既にモチベーションが高いチームでないと、このようなことを行う以前の問題が多いでしょうから、当然と言えば当然なのですが…

その上でこの「絶対大丈夫」を考えてみると、これは「チームで行うことを再認識する」「ミスを恐れずに一体となって取り掛かる」ための言葉であり、これこそがチームの推進力となると考えれば合点がいきます。
モチベーションを上げる役割は、適材適所のスタッフィングであり、結果を残すことになるでしょう。

「絶対大丈夫」という言葉が支えるのは、今できることをしていこう、それ以外は他者へ委ねて良いということだと思います。
自分がやりたいと思うこと全てを自分でやるのは難しいですし、タイミング次第でもあります。
全部出来たら良いけれど難しいのであれば誰かがやってくれる(やっている)ことに目を向ければ良いということでしょう。
スポーツの分野ではそうもいきませんが、社会(ビジネスも含めて)であれば、この他者に競合他社(他の組織、チーム)も含まれるのではないでしょうか?
現在の「不易流行」は、黎明期ということもあり、やりたいことに満ち溢れています。
しかし、手当たり次第に挑戦してしまってはパンクしてしまいますので、「不易流行」の成り立ちとは矛盾するようにも聞こえますが「その時が来る」のを待つのも一つの手かなと感じております。
極端なことはなるべく避ける。(根性でどうにかやってしまおう、という衝動を抑える)
自分がやりたいことをやっている他者へ目を向ける。
自分たちのリソースが必要なように見えるのであれば、競合となる相手であっても業界全体が活性化することを願い、可能な限り提供する。
今のように世の中が大変なときであっても、そうでなくても、このような考え方はとても大切なように思います。
その信念を持ったがゆえに結果として自分だけが損をしてしまうのではないかということも頭をよぎりますが、そんなときこそ「絶対大丈夫」という言葉に癒されるから、ここまでの共感を得ているのでしょう。(完全に「知らんけど」の話ではありますが…)
「共創」の本質のようにも思います。

今回は少しくだけたトピックになりました。
日々の生活のなかで、私が勝手に考えて勝手に納得したというだけの話で恐縮ですが、このようなこともひょっとすると何かのヒントになるのではないかと思い、今後も書き記して参りたいと思います。

次回は、
違和感を覚える瞬間と、その行き着く先
の話をいたします。

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