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84才父とのちいさな物語🍊 25年ぶりに暮らす父との毎日のドタバタやほのぼの日常の風景…

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84才父とのちいさな物語🍊 25年ぶりに暮らす父との毎日のドタバタやほのぼの日常の風景。 2023年1月から静岡の実家で両親の平日介護がはじまり母が旅立つ少し前から記録をとりはじめ今は父との2人暮らし。みかん配り隊や植木職人大将ごっこなどたのしい介護など、ちいさな物語です。

記事一覧

noteおやすみ中ですっ

threadで再開しまっす!🙇‍♂️⭐️

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4か月前
1

続・みかん配り隊🍊

東京から実家に帰ると 玄関をあけてそこに みかんが3袋並んでいた。 どれも入荷したばかりの新鮮なみかん達。 みかん配り隊、と名付けていたけれども 本当にそうなんだ…

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5か月前
3

感情の修羅場

それが起こったのは昨年の6月。 母の49日を控えた2日前のこと。 その少し前に父はコロナで入院をしており、退院したその日の夜のことだった。 その日は、兄夫婦担当の日…

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5か月前
8

もう一度家族をやる

【84さい父との物語】 もう今さら、開けなくていいよ。って思っていた。 成人して大人になって家を出て。 たまに電話をして近況を話す。 それなりにお盆や年末年始に顔を…

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5か月前
5

ま、いっか。

最近新しく加わった父の口癖。 「ま、いっか」 父が父らしくあった時、 父はそうとう頑固な人だった。 何しても、何話しても 父の流儀があり、 それは揺らぐことはない…

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5か月前
4

スマホ捜索隊

【スマホ捜索隊】 84才父との小さな物語 週末の遠隔介護の日のこと。 東京の自宅で夕方の父の様子をモニターでチェックする。 すると、 何やらリビングで父が行ったり来…

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6か月前
2

84才の高校生(みかん配り隊)

みかん配り隊初日。 東京から静岡の実家に到着した。 いつも通り 「ただいまー」と玄関を開けると すでにそこには 父が立っていた。 足元にはみかんの袋たち。 「悪か…

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6か月前
10

みかん配り隊「決行の時」

「みかん屋さんができそうだよーっ!」 兄のお嫁さん、ともちゃんから連絡が入った。 東京の自宅にいた私。 思わずラインを見て微笑む。 添付された写真には みかんの袋…

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6か月前
6

ご褒美ケーキの結末②走れメロス

ハンバーグ屋さんに事情を話し、 車をそのまま放置させてもらい、全力で走る。 携帯をバトンのように握りしめ 走りに走って5分ほどしてようやく遠くに人影がみえた。 よく…

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6か月前
3

ご褒美ケーキの結末

今日は週に一度の父のテニスの日。 高校時代の同級生とかれこれ20年近くやっている。 プレーを楽しむ、というよりは、同級生と会って屈託なくおしゃべりするのが楽しいよ…

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6か月前
3

4は40分

父のお友達との約束の日。 午後1時に待ち合わせで、私が送っていくことになっている。 朝ご飯をすませお皿を洗っていると、 後ろのソファーでテレビをみていた父が家を出…

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6か月前
5

夜の海 父との記憶

マイルドセブン 父の胸ポケットにはいつも タバコの箱が入っていた。 私が中学生だった頃、 父はしきりにタバコを吸っていて 父と言えばタバコの匂い。  そんな印象だっ…

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6か月前
5

大将と若い衆

我が家には、 父が作った小さな一坪ほどの庭がある。 以前は駐車場にしていた場所で、 10年ほど前、ある日突然父は思い立って庭を作り始めた。 大きな石を配置してその周…

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6か月前
1

みかん配り隊

最近の父の心配事は、 年末の挨拶でお友だちにみかんを配ること。 先々週あたりから気にしていたので 年末にはまだ早いけど 今日注文しに行くことに。 まずは 手渡したい…

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6か月前
3

スズメバチ事件

ある日のこと、 2階のベランダで洗濯物を取り込んでいたとき。 ブーーーンという低い音がした。 ん!?なんだか虫の音に似てる。 振り返って部屋を見渡す。 何も見えな…

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6か月前
2

思い出巡礼の旅

今日は父がデイサービスをお休みしたい、と言う。 「えー、そうなんだぁ」と急遽キャンセルすることに。 さては、「やりたいことがあるの!?」と聞いてみると 昔よく会…

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6か月前
1

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続・みかん配り隊🍊

続・みかん配り隊🍊

東京から実家に帰ると

玄関をあけてそこに
みかんが3袋並んでいた。

どれも入荷したばかりの新鮮なみかん達。

みかん配り隊、と名付けていたけれども
本当にそうなんだな、、と
この冬、途切れることのないみかん達につくづく思う。

静岡はみかんの名産地。
この時期はどこにいってもみかんがある。

ということは、
みかんを配っても配った先にみかんがあることも多い。

それに、

みかんを渡すことで

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感情の修羅場

感情の修羅場

それが起こったのは昨年の6月。
母の49日を控えた2日前のこと。

その少し前に父はコロナで入院をしており、退院したその日の夜のことだった。

その日は、兄夫婦担当の日で東京の自宅にいた私は、

父の様子はどうだろう、、とたまたまモニター画面を開いたとき、見てはいけないものを見てしまった。

兄が顔を真っ赤にして
体ごと飛びかかるような勢いで父に怒鳴っている。

父も必死に言い返そうとしている。

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もう一度家族をやる

もう一度家族をやる

【84さい父との物語】

もう今さら、開けなくていいよ。って思っていた。

成人して大人になって家を出て。
たまに電話をして近況を話す。
それなりにお盆や年末年始に顔を出す。

それが、
私にとっても両親にとっても兄にとっても
ちょうどいい距離感。

生まれ育った家でみんなで過ごしたのが第一ステージだとすると、第二ステージのままでいいと思っていた。

いや、それ以外に次のステージがあるだなんて

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ま、いっか。

ま、いっか。

最近新しく加わった父の口癖。

「ま、いっか」

父が父らしくあった時、
父はそうとう頑固な人だった。

何しても、何話しても
父の流儀があり、
それは揺らぐことはない。

その頑なさに
私や兄、そして母も巻き込んで
いざこざになることも多く

「お母さん、大変ね〜」とよく労ったものだ。

それにしても
なぜ母が父と結婚したのか、

それは、
私たち兄弟にとっても今だ最大の謎である。

そんな父も

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スマホ捜索隊

スマホ捜索隊

【スマホ捜索隊】 84才父との小さな物語

週末の遠隔介護の日のこと。
東京の自宅で夕方の父の様子をモニターでチェックする。

すると、
何やらリビングで父が行ったり来たりしてる。
何事だろう、、、。と早速自宅に電話をかけてみた。

「なにか困ったことある?」
さりげなく様子をうかがってみた。

「スマホがみつからないんだよな」

「そうなんだね、
あれ!?今日はどこにも出掛けてないよね!?」

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84才の高校生(みかん配り隊)

84才の高校生(みかん配り隊)

みかん配り隊初日。

東京から静岡の実家に到着した。

いつも通り
「ただいまー」と玄関を開けると

すでにそこには
父が立っていた。

足元にはみかんの袋たち。

「悪かったなー、今日はよろしくっ」

父はそう言って挨拶もそこそこに
車の鍵を私に渡す。

早速、みかんを9袋
2人で手分けして

後部座席に積み込む。

一袋2キロ
18キロのみかんたち、いよいよ出陣。

父のシートベルトを確認して

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みかん配り隊「決行の時」

みかん配り隊「決行の時」

「みかん屋さんができそうだよーっ!」
兄のお嫁さん、ともちゃんから連絡が入った。

東京の自宅にいた私。
思わずラインを見て微笑む。

添付された写真には
みかんの袋の山が玄関いっぱい。

今回のみかん配り隊は、
父を隊長に、兄夫婦と私とでチームとなって作戦を遂行している。

ステップ1
お世話になった友達リスト作り

ステップ2
親戚のみかん農家さんへ注文

ステップ3
みかんの受け取り

ステ

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ご褒美ケーキの結末②走れメロス

ご褒美ケーキの結末②走れメロス

ハンバーグ屋さんに事情を話し、
車をそのまま放置させてもらい、全力で走る。

携帯をバトンのように握りしめ
走りに走って5分ほどしてようやく遠くに人影がみえた。
よく見ると父とその周りに2人の人がいる。

よかった、、、。

近づくと父は携帯を耳に何度も当てていた。私に連絡を取ろうとしていたのであろう。

「ごめーん、おそくなってー」

父は、私が当然車で来ると思っていたからか
単身走ってきた姿に

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ご褒美ケーキの結末

ご褒美ケーキの結末

今日は週に一度の父のテニスの日。
高校時代の同級生とかれこれ20年近くやっている。

プレーを楽しむ、というよりは、同級生と会って屈託なくおしゃべりするのが楽しいようだ。

父は、先週のクリスマスに兄からもらったドジャース大谷の帽子をかぶって張り切っている。まるで野球少年のよう。

最近は割と体調も安定してきたので
安心して送り出せる。

今日もテニスコートの駐車場まで送り、
「2時間後にまた迎え

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4は40分

4は40分

父のお友達との約束の日。
午後1時に待ち合わせで、私が送っていくことになっている。

朝ご飯をすませお皿を洗っていると、
後ろのソファーでテレビをみていた父が家を出る時間を確認してきた。 
どうやら遅刻をしたくないそうだ。

「12時40分には家を出ないとな。」

目的地は家から30分はかかる場所。

「いや、お父さん、30分前に家を出ないと間に合わないと思うよ。12時30分には家を出ようっ」

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夜の海 父との記憶

夜の海 父との記憶

マイルドセブン
父の胸ポケットにはいつも
タバコの箱が入っていた。

私が中学生だった頃、
父はしきりにタバコを吸っていて

父と言えばタバコの匂い。 
そんな印象だった。

当時は禁煙にトライするもなかなかやめられず
どこかやめる気もなく、

胸ポケットのタバコを口にくわえては

モクモクとさせ
考え事をしてるそんな風にみえた。

当時父は店を経営していて
それは私のちょっとした自慢でもあった。

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大将と若い衆

大将と若い衆

我が家には、
父が作った小さな一坪ほどの庭がある。

以前は駐車場にしていた場所で、
10年ほど前、ある日突然父は思い立って庭を作り始めた。

大きな石を配置してその周りにちいさな木や季節に咲く花を植えている。

父は踏み石を「心」という字になるように配置して
この小さな庭を「こころの庭」と名づけた。

そんなこころの庭も
今年は母のことでバタバタしていたのもあり
夏には草でボーボーになっていた。

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みかん配り隊

みかん配り隊

最近の父の心配事は、
年末の挨拶でお友だちにみかんを配ること。

先々週あたりから気にしていたので
年末にはまだ早いけど
今日注文しに行くことに。

まずは
手渡したい人のリストを
黄色い付箋に書き出す。

父はひとりひとりの顔を思い出しては
名前を書いて番号をふっていく。

いつもはなかなか会えない人にも
今年は届けたいらしく数が多くなりそう。

父なりにみかんを手渡しながら
母のこと、そのお礼

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スズメバチ事件

スズメバチ事件

ある日のこと、
2階のベランダで洗濯物を取り込んでいたとき。

ブーーーンという低い音がした。

ん!?なんだか虫の音に似てる。
振り返って部屋を見渡す。

何も見えない。
空耳だったかな!?

実は私、
大の虫嫌いで
蚊でさえ飛んできたら逃げ回るタイプ。

東京の自宅に住んでいる時には

洗濯物に虫がつかないように
室内の乾燥機で洗濯物を乾かしている。

でも実家では乾燥機なるもはなく
当然ベラ

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思い出巡礼の旅

思い出巡礼の旅

今日は父がデイサービスをお休みしたい、と言う。

「えー、そうなんだぁ」と急遽キャンセルすることに。

さては、「やりたいことがあるの!?」と聞いてみると

昔よく会っていた友だち、
じゅんちゃんの家に挨拶をしに行きたい、と。

母が旅立ってからすぐの頃は
ずっと家に閉じこもっていた父も
最近は割と活動的になってきた。

何も予定が入っていない日は、
2人の暗黙の了解で、
やってみたいことをこの際

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