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私は高卒で就職しましたが、その会社では「働くことが人の役に立つ」という考え方に至りませんでした。言葉の上では分かっていたつもりでも、身に染みて分かったのはもっと後のことでした。

最初に就職したのは、日本電信電話公社で、現在のNTTです。当時は全国に32万人の職員がいました。民営化した際は多少減りましたが、現在もグループ会社合わせると33万人の社員を抱えるマンモス企業です。

大企業に勤めていると、自分の仕事がお客様の役に立っているかどうか、まったく分かりませんでした。私は機械職でしたので直接顧客と接しませんから、よけいにそう感じたのだと思います。

「働くことが人の役に立つ」と感じたのは、アルバイトで接客業をした時でした。お客様の「ありがとう」という言葉を直接いただいた時、胸がジ〜ンとしたのをよく覚えています。その時「これが働くことのやりがいなんだ」と思いました。

就労に限らず「人の役に立つ」ことはあります。例えば、何かを人の代わりにやってあげた時などはそれに当たるでしょう。

しかしその時にお礼を言われなかったとしたら、やりがいは半減することでしょう。夫婦や家族間ではそれでよく喧嘩になるんじゃないですか?「せっかくやってあげたのに〜!」なんて。


「人の役に立つ」という意味を知らずに生きていたかもしれません。


私がもしNTTに定年まで勤めていてアルバイトもしなかったとしたら、定年退職するまで「人の役に立つ」という意味が分からないままだったかもしれません。定年後、ボランティアでもしてお礼を言われたら気づくかもしれませんが、それもしなかったとしたら、一生知らないまま終わる可能性もあります。

誕生日プレゼントを贈ってお礼を言われることは、この話には類しません。お礼といっても種類が違います。


見返りを求めない気持ちが、心を豊かにする。


「社会参加」という言葉がありますが、サラリーマンをしていると、この言葉が気になることはありません。しかし退職すると、積極的に行動しない限り、社会から遠ざかる存在になってしまいます。場合によっては、社会から孤立する恐れもあります。

孤立することが客観的に見れば想定内であったとしても、本人は気づかない可能性もあります。リタイヤしてからやることがないとか、何をしてよいのか分からないという方は、それに当たることでしょう。

「人の役に立つ」というのはとても難しいです。押し付けがましくなってはいけませんし、要求するものでもありません。あくまでも結果論であって、目的ではないと思います。私は大企業を辞めたからこそ、気づくことができました。辞めることができて、本当に良かったと感謝しております。

対価や感謝を求めない、無償の気持ちで接することができた時、本当の意味で「人の役に立つ」ことができるのかもしれませんね。

退職して何をしてよいのか分からない人、何もすることのない人は、ぜひ「人の役に立つこと」が何かをご自身で考えて行動してみてください。きっと良いことがありますよ!


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