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いつかのための詩集

140
どこかで酒と出会うための詩集。
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#過去

日々ポテトあるいはチップス

日々ポテトあるいはチップス

今はもうない

実家の階段の途中



クソ狭いステップ

に身を

かがめ 今日もまた

何度も読んだコミックに熱中

意識の外に母の声が

宿題とか やれとか

へえ

そうかコレ

6巻はこんな感じだったっけ

主人公のバッシュまがいが

破れ敗れた

シーンを読んでる、いや

見てる

空想の負けを見ながら

狭いスペースで

心地よい広さをとるには

どうしたらよいのか

考えていた

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ディアフューチャー/ディアパスト

ディアフューチャー/ディアパスト

レシートを引っ張り出した 夕べ

過去の財布から 一枚 二枚…

上から順に読んでゆく

レシートを読んでゆく

昨日はラーメンなんて食べたのだっけか

目頭が 気がつくと熱くて

手元のミカンを転がしていまう

自分の心情に待ったをかけている

いま

ああ、精算できなかった分の

気持ちがそこ、ここに

散ってゆく

みかんの皮を剥く

オレンジ色の内側に

置いてきた重い虹色の

油を見た 

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モノクロームのとき

モノクロームのとき

器を見つめて

ゆるく曲がり

きっ と切れて

そっと佇む。 
 
 

木を見つめる

根を思う

枯れてしまえよ

そっ といじわる。
 
 

テレビをつけて

8→4

6→5

1→2

(ピンポーン。)
 
 

あかりを けしてよ ねえ
 
 
 

正面から みて

正面?

そう

こう?

ううん

ん?

こう。

こう、か。

そう。

ああ。

ね。

うん。

好き(

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傍観者のとき

傍観者のとき

通学路の広がりは

久しぶりの

通学路の広がりを

里帰りの

通学路の広がりが

子のいる君を思わせた
 
  

手が

足が

口が

痛い

(そんな病にかかるのだろか その子)
  
  

遅れてきてた

成長痛が

進めることなく

僕の四肢とか

いためていためて

酒飲ませてく

ぐぐっと ぐぐっと ぐ

(進まないんだ)

続けてくんだ

続けてくんだ

むかし得意だったけん

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