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2020.5.13 浪の音が。
舌先は冒険である。
時にそれは甘さを捉えたり、酸っぱさを捉えたりする。
舌先は冒険である。ささやかな。
時を感じている。揺れる。
ふうわり と
穂先を垂れる穀物がある。
太陽が照らす先には
誰かがいる そこまで行く。揺れる。
眠らない案山子が
こっくりと また 確実に
夜に拍子をつける
見えないものだけが聞く旋律になる
それはまた 大海の
小さなしぶきのようだ
海猫だけがそれを見るような
(
酒詩:笑四季Sensation White 火入れ
空の海に月の浮かぶ夜は
どこまでも果てしなく進んでいけそうで
アクセルアクセル アクセル
規則正しさに覆われた 不規則な夜
満月から3日後に
下半分が雲に浸かった卵黄みたいな月に
目配せをしながら気分だけ
明るい夜道をあるく あるく
スマートフォンの光がまた
優しさにまけて去ってゆく 夜の
あなたは何をするひとぞ
ラインを送る気にもならない
深くそびえる電柱たちを見回して
季節に感じ入ってい
定点観測?「雪の茅舎・山廃本醸造」7日目風掌編
この時期の風が冷たく感じたら、それはまだ春が生きている証拠かもしれない。いや、生まれたばかりの、或いは未熟児の夏なのかもしれない。
僕は湖を泳いだ。
不思議と中で呼吸ができた。水なのに。水なのに。まわりは。
思えば最初に息を吸ったのも水の中に近かったのかもしれない。
光があって、人の声があって、温かい機械的な雰囲気の場所で。
そんなことを思いながら水の中を泳いでいる。
水に季節が溶け込
エクリュは彼方に連れてゆく、僕を
愛する人の手触りは
おれを極北へつれてゆく 遠くへ
名もなき極北へそれは つれてゆく
雨音の千分の一 雪が雪に沈む音すら
はっきりと聞こえるような集中をくれる
吐息が聞こえる中で
外部の気配すら微塵ももらさず伝えてくれる
自分がまるごと世界みたいな
気恥ずかしくなるあの感触をくれる
照れるな
愛する酒の手触りも
おれを極北へつれてゆく 遥か彼方へ
姿を見たことのない
文字