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BuddyOptical(バディオプティカル)のデザイナー インタビュー / 池原さん、僕といっしょに神保町を巡ってみませんか?(後編)

こんにちは、荒岡です。  今回もBuddyOptical(バディオプティカル)のデザイナー 池原さんと神保町を散歩しながらお話を伺いしました。

こちらは、最終話の後編です。

普段では、なかなか伺う事ができない記事の内容となっておりますので、是非ご覧ください。

(本文)

池原さん 「いや~ ”カフェ トロワバグ” さん、すごい落ち着ける喫茶でしたね!」

荒岡 「やっぱり、神保町は素晴らしいカフェ、喫茶店が揃ってますよね!  あとで、2軒ほど、お連れしたいカフェがありまして! 」

池原さん 「カフェのはしごですね!(笑)  行きましょう!」

荒岡 「あの、カフェに行く前にぜひ池原さんをお連れしたい古本屋さんがありまして。 ”小宮山書店”さんとはまた違う感じで、池原さんがお好きそうなお店です!」

池原さん 「ええ~、すごい気になります!  ぜひ、行きたいです!!」

荒岡 「では、また、色々とお話しながら、そこに行きましょう!!  」

池原さん 「承知しました。」

荒岡 「池原さんって、カルチャー全般好きだと思うんですが、ファッションとかですと好きなブランドとかあるんですか?」

池原さん 「僕は、基本的には、古着が多くて。 わざと変なものを買ったりしますね。  例えば、海外の古着屋で見つけた ”Calvin Klein”の真似をして作ったキャップとか、軍モノでよくわからないようなものとか。」

荒岡 「なるほど!  そこもやっぱり、池原さんの独特の視点ですね!  今、着ている服も古着なんですか?」

池原さん 「ジャケットは、”cale(カル)”というブランドで、友人が作ってまして。」

荒岡 「おお!!  今、ファッション関係者の中でも高い評価を受けるブランドですね!  」

池原さん 「このジャケットは、上質な素材と自社工場で丁寧な縫製で仕立てた服なんで、すごいシルエットも着心地もいいですよね!」

荒岡 「あの、古着以外も結構着るんですね?」

池原さん 「もちろんです。  古着は多いですが、すきなブランドは友人が作っていたりしていて、結構着てますね!」

荒岡 「他には、どんなブランドを着ているんですか?」

池原さん 「”cale(カル)” も好きで着ているんですが、あとは、”MITTAN(ミッタン)” とかも着てますね。  ”MITTAN(ミッタン)”は、天然素材を使用したり、世界の伝統的な衣装をモチーフにして、ものづくりをしていて、装いと風合いがいいですよね。」

荒岡 「やっぱり、ファッション好きなんですね!  あっ、池原さん、話してたら、古本屋さんに到着しましたよ!」

池原さん 「ここですか?」

サブカル好きにはたまらない
“@ワンダー”さん

荒岡 「そうです!!  こちらの“@ワンダー”さんは、「二十世紀記憶装置」をキーワードに、映画関連品、SF・ミステリ、アメコミ・海外コミック、文学/人文系、サブカルチャーなどを取り揃えている古本屋さんでして!!」

池原さん 「そうなんですね!  早速、中に入ってみましょう!!」

店内には、昭和カルチャー本が
所狭しと並んでいる。
映画関連の雑誌もズラリ

池原さん 「おお!!  店内がどっぷり、カルチャーまみれですね!!」

荒岡 「先程の ”小宮山書店” さんとは、だいぶ方向性が違うのですが、池原さんが好きそうなお店かと思い、お連れしました。」

池原さん 「こちらも、かなり好きなものが多いですね。  やっぱり、神保町の古本屋さんは、品揃えが素晴らしいので、すごく刺激を受けますね。(笑)」

単行本なども豊富な品揃え

荒岡 「本当にそうですね。 僕は、昭和のサブカルとか詳しくないのですが、見てるだけで欲しくなりますし、興味しかないです!!」

池原さん 「荒岡さん、おっしゃる通りです。  物欲がマズイです!(大笑)  ああ、これ、気になりますね。」

池原さんが見つけたレコード
”サラリーマンブルース喧嘩太郎”

荒岡 「なんか、良さげなレコードを見つけましたね!!」

池原さん 「”サラリーマンブルース 喧嘩太郎”とは!!   これは、聴いてみたいですね! 」

荒岡 「なんと、石原裕次郎さんが歌っているんですね!」

池原さん 「そうなんですよね。 旅の思い出にこちらを買ってきます!! 」

(レジへ向かう)

荒岡 「あれ? 池原さん、本も買ったんですか?」

池原さん 「いや、この本が僕の方を向いていたんで、思わず買っちゃいました。(笑) 帰りの新幹線で読もうかと!」

荒岡 「何の本を買ったんですか?」

池原さん 「こちらです。」

筒井康隆先生の漫画集、僕も欲しい

荒岡 「おお! 筒井康隆先生の本ですか? え、それに漫画?? 」

池原さん 「そうなんですよ。 もちろん、小説が有名なんですけど、漫画も描かれていたようなんですよね。」

荒岡 「それは知らなかったです。  筒井康隆先生といえば、僕の思い出なんですが、幼なかったので、内容はあんまり覚えてないのですが、映画の「時をかける少女」を家族で見にいったような。   原作が筒井先生ですよね。」

池原さん 「そうです。 確か、実写版は大林宣彦監督で、その後に細田守監督でアニメ版も制作されましたよね。」

荒岡 「そうでしたね。 いや~、面白そうな本をゲットしちゃいましたね! 」

池原さん 「良かったです!(笑)」

荒岡 「あの、次なんですけど、僕の友人がやっている雰囲気の良いコーヒー屋さんがあるんですが、行きませんか?」

池原さん 「もちろんです。 行きましょう!!」

(コーヒー屋さんに向かう)

池原さん 「ご友人のコーヒー屋さんは近いのですか?」

荒岡 「ここから、そんなに遠くないです!   少し変わっているお店なんで、楽しみにしていてください。(笑)」

池原さん 「承知しました。」

荒岡 「そういえば、池原さんって、音楽とかは、どんなジャンルが好きなんですか?」

池原さん 「僕は、ジャンルでいうとジャズですね。  じつは、2000年前半くらいは、ジャズのDJをしたりしてました。」

荒岡 「ジャズですか? 僕は、全然、詳しくないですが、どういう方がいらしゃるんですか?」

池原さん 「あの、僕がジャズのDJをやっていた時は、”ニコラ・コンテ”とか有名でしたね。  イタリアで ”スケーマ”というレーベルを立ち上げて、ジャズ、ラウンジのブームを作った方なんですけど。」

荒岡 「なるほど、やっぱり、池原さんは本当に洒落ているな~」

池原さん 「いやいや、いつも天神橋商店街や万博公園に行くと落ち着くような人ですから、そんなことないですよ。(笑)」

荒岡 「いやいや、そういうところが、素晴らしいですよね!!」

池原さん 「ベタ褒めじゃないですか!!(大笑)」

荒岡 「本当のことですから!!  ところで、池原さんは、好きなクリエーターの方っていらしゃるのですか?   影響を受けたとか?」

池原さん 「んー、僕は、わりと友人というか、身近にいる方に影響を受けていて、とたえば、”RONDADE”というアート、デザイン関連の出版社をされている佐久間さん、先程(前編)、お話した写真家の伊丹豪さんは素晴らしいクリエーターだと思っています。」

荒岡 「なるほど。」

池原さん 「あの”RONDADE”の佐久間さんは、既存の考え方にとらわれない多面的で、ハッとするようなことを教えていただいていて。  伊丹さんは、今までの写真家とは一線を画すような活動をされています。」

荒岡 「池原さんの周りには、素晴らしい方々がいらしゃるですね。」

池原さん「本当に良い刺激をいただいています。」

荒岡 「あっ、池原さん、お話ししていたら、コーヒー屋さんに到着しました!」

池原さん 「え??  ここはコインランドリーですよね?」

コーヒー屋さんの一階は、コインランドリー

荒岡 「じつは、このコインランドリーの中にコーヒー屋さんがあるんです。」

池原さん 「ええ!  本当ですか?」

荒岡 「コインランドリーの中に入って、すぐの右側に階段がありますので、上がっていただけますか?」

コインランドリーの入口の右奥に
コーヒー屋さんに上がる階段が
いい感じに急な階段です

池原さん 「はい。」

荒岡 「少し階段が急なので、気をつけてください。」

池原さん 「承知いたしました。 おお、こちら、めちゃいいですね!!」

2階にある”オトナリ珈琲”さん

荒岡 「そうなんですよ。  すごい良い空間ですよね! こちらは ”オトナリ珈琲” さんです。」

池原さん 「いや、これは素晴らしいです。」

荒岡 「お店の雰囲気も良いのですが、ドリンク、お菓子ともにすごい美味しいですよ。   友人の柴田さんは、コーヒー関連のコンテストの審査員とかもされていまして。 正直、すべて美味しいです!!」

池原さん 「それは、期待できますね!!」

荒岡 「池原さんは、何を飲みますか?  僕は、いつもコーヒーやラテをいただいているので、今回は”自家製レモネード”にします。」

池原さん 「どれも美味しそうですね。  僕は、あまり見かけない ”コーヒーバナナシェイク”にします!」

荒岡 「では、こちらに座りましょうか?」

(カウンターに座り、数分後)

池原さん 「おお、来ましたね!!」

手前が自家製レモネード
奥がコーヒーバナナシェイク

荒岡 「いい感じじゃないですか!!」

池原さん 「うわ、コーヒーとバナナってすごい合うんですね! これは美味しいです!」

荒岡 「この自家製レモネードもすごい美味しいです!!!」

池原さん 「あれ、確か? 荒岡さんのお店でも自家製レモネード作ってましたよね?」

荒岡「あ、はい。  作ってます。」

池原さん 「どうですか?  比べると??」

荒岡 「んー 、、それは~~、ちょっと、、同点でお願いします!!」

池原さん 「荒岡さん、負けず嫌いですね!(笑)」

荒岡 「すいません!!(笑)」

池原さん 「そういえば、先程、荒岡さんに好きなクリエーターの話をしたと思いますが、もう一人を思い出しました。」

荒岡 「どなたですか?」

池原さん 「 ”小宮山書店”さんでも少しお話しましたが、”岡倉天心”の考えが、素晴らしいと思ってまして。」

荒岡 「具体的に教えて頂けますか?」

池原さん 「 ”岡倉天心”の茶の本というものあるんですけど、真の美は、不完全なものを前にして、それを心の中で完全なものに仕上げようとする精神の動きにこそ見出されると話されていまして。」

荒岡 「なるほど、さすが思想家の ”岡倉天心" さんですね。」

池原さん 「どうやら、茶の世界では、完全な状態でなく余白を残すことで、お茶に向き合う人自身の心の動きを重要に考えているように思うですよね。」

荒岡 「非常に興味深い話ですね。」

池原さん 「お茶とは違いますが、人の装いって、僕は、いつも不完全なものだと思っていまして。 だから、顔に掛けていない時の眼鏡単体は、より不完全なものでしかないんですよね。」

荒岡 「なるほど。」

池原さん 「眼鏡は顔に掛けることによって、初めて完全な方向に向かう。 僕は、そう思って眼鏡を作っています。  自分のデザイン観としては、眼鏡単体だけで成立してしまいそうな強いデザインのものは、やっぱり苦手なんですよね。」

荒岡 「今のお話を伺って、BuddyOptical(バディオプティカル)のデザインの根底にそういう考えがあるのが、より明確にわかりました。  まさにBuddyOpticalの名前の通りで、人と眼鏡が相まって、完成されていくんですね!」

池原さん 「そう自分は考えてます。 」

荒岡 「いや~、池原さんのお話がすごい興味深いので、お酒でも少し飲みながら伺いたいので、場所を移動しませんか?  近くに良いお店がありますので。」

池原さん 「いいですね。 ちょっと、飲みながらお話しましょうか。」

(お酒を飲みに次のお店に向かう)

池原さん 「荒岡さんのご友人の"オトナリ珈琲”は、本当にドリンクも雰囲気も素晴らしかったですね!!」

荒岡 「それは、ありがとうございます!!  僕も大好きなお店でして!   あっ、池原さん、次のお店はこちらです!」

神保町の名物喫茶店 ”ミロンガ ヌオーバ” さん

池原さん 「いい雰囲気ですね!  早速入りましょう!」

荒岡 「はい。」

落ち着きのある店内

荒岡 「こちらのお店は、創業70年を迎える神保町の名物喫茶店 ”ミロンガ ヌオーバ” さんで、アルゼンチンタンゴのBGMが流れているお店で有名なんです。」

池原さん 「いや~、いいですね。 神保町はハズレなしですね!」

荒岡 「喫茶店ですが、ビールもありますので、タンゴを聴きながら飲みましょう!! 」

池原さん 「それ!  いいですね!!」 

(ビールを注文する)

荒岡 「池原さん、早速、ビールがきましたよ!」

池原さんは、青リンゴの香がするNewtonを
僕は、Hoegaardenを
ビアカップもいい感じです

池原さん 「では、乾杯しましょうか。」

池原さんと荒岡 「カンパーイ!!」

荒岡 「いや~、 散歩した後のビールは格別ですね!!」

池原さん 「その通りですね!」

荒岡 「池原さんと散歩して、眼鏡のデザインのお話をして、今日一日が楽し過ぎます!」

池原さん 「面白かったですね!   今日は有難うございます!!」

荒岡 「そうだ、ちょっと、また先ほどのお話の続きなんですけど、眼鏡を作る上で他には大事にされていることって何かありますか?」

池原さん 「 そうですね。 自分が作るプロダクトに関しては、長く使えるもの、一生使えるようなものをデザインして作っていきたいと考えてます。」

荒岡 「なるほど。  池原さんが作る BuddyOptical(バディオプティカル)は、トレンドに流されることのないプロダクトを作り続けてますよね。」

池原さん 「僕は、過剰なデザイン、過剰にプロダクトを作ろうと思わないですよね。  なので、よくブランドでは、オリジナルパーツを作ることが多いと思いますが、僕のプロダクトでは、なるべく既成のパーツを使用するようにしています。」

荒岡 「えっ、そうなんですか?」

池原さん 「あえてそうしています。  オリジナルパーツを作るには金型を制作するんですよね。  工場に行った際に1~2回で使われなくなった金型を見ると正直、資源の無駄にしか、自分には思えなくて。  それなら創意工夫して、既成のパーツをどれだけ美しく自分のプロダクトで活かせるかを考えた方が良いかと思っています。  そして、長く愛用できる普遍的なプロダクトを作りたいですね。」

荒岡 「なるほど。 非常に素晴らしい考えですね。 確かにそういうものは、資源の無駄になる可能性はありますからね。 多分、 池原さんは、思想家的な要素をお持ちでプロダクトに向き合っているだなと改めて感じました。  だから、周りにアーティストや思想家の方が多いんですね。」

池原さん 「んー、そうなのかもしれないですね。 自分ではあまり意識していないんですけど。」

荒岡 「あと、最後になんですが、これから池原さんがチャレンジしていきたいことってなにかありますか?」

池原さん 「チャレンジですか?   そうですね、チャレンジではないんですけど。  今までは、BuddyOptical(バディオプティカル)の展開は、国内を中心にしていたんですけど、最近はヨーロッパにも展開させていただいていまして。 」

荒岡 「おお!  それは素晴らしいですね!」 

池原さん 「そういったこともあって、実は、まだ伺えてないヨーロッパの店舗さんが結構あるので、そちらにご挨拶も兼ねて、お伺いしたいと思っています。」

荒岡 「ああ、いいですね。 日本からわざわざ、そのために来てくれたら、店舗の方も喜びますね!!」

池原さん 「そう言って頂けると嬉しいです!」

荒岡 「今日は、本当に充実しちゃまいました!!  気分が良いので、もう一杯飲みましょうか?」

池原さん 「すいません、荒岡さん、あの、、実は、大阪で人と会う約束があって、結構ギリギリになってしまってて」

荒岡 「ええ!! 早く言ってくださいよ!!   間に合いそうですか?」

池原さん 「荒岡さんが楽しそうだったんで、気をつかってしまって。 でも、急げば、多分、間に合うと思います!」

荒岡 「 池原さん!!   走っていけば、間に合うはずですから!!! ダッシュで向かいましょう!!」

池原さん 「わかりました!」

ということで、二人で駅までで猛ダッシュすることになりました〜

(これも青春映画のようで、良いお思い出になりました!(大笑) 池原さん、有難うございました!  次回は、ダッシュなしでお話しましょう〜〜)

最後まで、ご覧いただき、誠に有難うございました。

BuddyOptical(バディオプティカル)
"Wisconsin"は独特のデザインが魅力的


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夜の部 19時~21時30分(BAR クラフトレモンサワー)
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