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はるるん、海を渡る

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重症心身障害児として生まれ、盲目で車椅子が必須のハルが、家族とともにどこへでも出かけ、登山にも海にも行き、そうしてついに、家族と一緒に海を越えてインドにやってきた。インドでの彼女…
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#インド

私は障害児であるハルのことをよく知っているけど、ハルじゃない障害児のことはよく知らない

私は障害児であるハルのことをよく知っているけど、ハルじゃない障害児のことはよく知らない

みなさん、どうも。こちらの世界ではお久しぶりです。
久々にいろいろな肩書や役割を取っ払って、ただの心の露出狂として、キーボードを叩いています。

最近は、わかりやすい文章の書き方とか、タイトルの付け方とか、SEOとかいろんな話があって。そのどれも大事な話だと頭ではわかるんだけど、あんまりワクワクしなくて、そうこうしているうちに、文章の書き方がよくわからなくなってしまいました。

構成を考えて書くと

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その時はその時だ

その時はその時だ

ロックダウン下のインドに残留3月23日からデリーが、次いで25日からインド全土がロックダウンに入り、駐在日本人の多くは、しばらく様子を見ていたと思う。ロックダウンが延長し、事態が長引く様子をみて、避難便で日本に帰国することに決めたという家族も多いかもしれない。感染の拡大ということもそうだけれど、おそらくいざというときの医療体制が日本の方が安心できる、というのが大きな理由なのだろう。

WHO勤務の

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インドでケトン食療法⑤はるるん、ケトン食をやめた?!

インドでケトン食療法⑤はるるん、ケトン食をやめた?!

お久しぶりのはるるんネタです。

思えば1年前の2月、どういうわけかはるるん、生まれて以来ずっと苦しみ続けていたはずのてんかん発作がまったく消え去ったのだった。あの笑顔にあふれたハルはいったい何だったのか・・・あれから1年経ったのが嘘のようである。

結局発作がなくなったのはほんの1ヶ月のみで、その後は発作は増える一方であり、5月からはケトン食療法をスタートさせた。

一旦は発作も減ったものの、そ

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インドでケトン食療法④シェファリとの関係崩壊!?

インドでケトン食療法④シェファリとの関係崩壊!?

はるるん、タマンナのセラピーが最近は順調だ。OT(作業療法士)で脳性麻痺の子のトレーニング経験豊富だったハルミットが産休に入って、PT(理学療法士)のシュウェッタが担当してくれるようになり、明らかに改善したと思う。最初はシュウェッタに対しても警戒していた私(美人だから…)だったけれど、彼女がトレーニングを担当するようになって、彼女は子供との接し方をよく知っている、ということがわかってきた。ハルが泣

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はるるん、ファッションショーに出る

はるるん、ファッションショーに出る

最初に話をもらったのは、1ヶ月以上前のこと。タマンナのディレクターの先生から突如呼び出しがかかり、「毎年恒例のタマンナとデザインカウンシル主催のファッションショーがあるが、ハルも出たいかどうか」と聞かれた。

ファッションショーとハルがにわかには結びつかなかった私は、どういう意味なのかすぐには理解できなかった。何かの関係でタマンナの関係者がファッションショーに招待されているだけなのだとしたら、日曜

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インドでケトン食療法③:ケトン比3:1の実践

インドでケトン食療法③:ケトン比3:1の実践

様々な薬を試してもてんかん発作の数が減らず、ケトン食療法を勧められたはるるん。インドの栄養士さんに相談しつつ、一時帰国前にと見切り発車的になんとなくケトン食療法をスタートした。

日本でケトン食療法を仕切り直し5月8日からなんちゃってケトン食療法を初めたはるるん。当初は3日ほどでケトン体が出だし、ケトン試験紙のチェック表で言うところの3+程度を保ち、発作の回数も減ったように見えた(はるるん、ケトン

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はるるん、新学期始まる

はるるん、新学期始まる

インドの学校は5月後半から6月いっばい夏休みのところが多く、ハルが通う特別支援学校、タマンナも長い夏休みがあった。

薬の調整のせいなのかなんなのか、5月からずっと昼間うとうとすることが続いていたハル。休みがちなまま長い夏休みに突入し、そのまま日本に一時帰国をして7月に入り、なんだかずいぶん久しぶりの登校となった。

当然というかなんというか、上の子達が通うインターナショナルスクール(寒いほど冷房

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インドでケトン食療法②:フライイングスタート

インドでケトン食療法②:フライイングスタート

はるるん、実は、ケトン食療法を始めて2週間が経った。

前回の投稿で、ケトン食療法について栄養士のシェファリと面談をしたことを書いた。そこでは、日本への一時帰国が終わってから始めましょうということになったと書いたはずだが、「発作が多すぎるし毎日トロンとしていて可愛そうすぎるから、いいじゃん、俺達でやってみようよ」というテキトーな(?)夫の発言の下、勝手にケトン食療法を始めることになった。

シェフ

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インドでケトン食療法①:はるるん、栄養士シェファリと出会う

インドでケトン食療法①:はるるん、栄養士シェファリと出会う

はるるん、発作が再開してからというもの、回数が減らない。

そしてどういうわけか、全体的に動きが鈍く、表情も乏しく、筋緊張も高い。夜は眠れたり眠れなかったり。そして例え夜まあまあ眠れたとしても、ほとんど毎日、午前中いっぱい眠ってしまうため、学校にいけない日々が続いている。

たまに学校に行けても、そして夏の間のお楽しみ、大好きなはずのプールに入っても、眠たげなまま。なんとかしたいという気持ちは募る

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はるるん、発作再び

はるるん、発作再び

以前の記事で、はるるんの発作がどういうわけかなくなったことを書いた。発作が消えた時のハルはものすごく覚醒度が高くて、すぐにニコニコするししょっちゅう声を出して笑うし、今までのハルとは別人のようだった。

ところがしばらくして体調を崩したのをきっかけに、再び発作が出現し始めた。それでも体調が持ち直すとまた発作はなくなったように思ったのもつかの間、次第に以前のように発作の回数が増え始め、3月の末頃から

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母、揺れる 〜重症心身障害児のリハビリと教育のあり方 in インド〜

母、揺れる 〜重症心身障害児のリハビリと教育のあり方 in インド〜

前回の記事で、ハルのリハビリを巡っての方向性で今通っている学校と目標が共有できない悩みを書いた。

そこで、リハビリの強引なやり方や歩くことを最善とする目標設定の仕方が本当にインド特有のものなのか、他のインドの小児リハビリを見てみたい、と思って母は行動に出た。

レインボー・チルドレンズ・ホスピタルのリハビリまず頭に浮かんだのは、かかりつけの病院のリハビリである。この病院の整形外科医は私達と近い考

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はるるん、歩くべきかどうか問題

はるるん、歩くべきかどうか問題

実はここ最近、ハルはインドの薬への移行とともに、もう一つ大きな問題に直面している。

補装具の提案1ヶ月ほど前、タマンナのリハビリで、足に補装具(足を正しい方向に向けるようサポートする器具)をつけたほうが良いのではないかと提案された。

両足の長さが違ってきてるのも気になるし、一度整形外科医に見てもらってきてね、とOTの先生に言われた。OTのハルミットは、ゆくゆくは立つ練習をし始めることを考えると

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はるるん、インドで薬を探す

はるるん、インドで薬を探す

さて、小児神経科医の受診で、ハルの薬を処方してもらい、処方に基づいて薬を買うことにした。

いざ薬をゲットしようと、処方箋を持って近所の薬局に問い合わせた。すると、処方箋に書かれた6種類の薬をみて、ちょっとまって、確認して電話するから、と言われた。あるのかな?と思って待っていたが待てども待てども連絡がない。3日後にもう一度連絡すると、またちょっとまって、と言われた。多分スタッフ同士で情報共有ができ

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はるるん、発作が消えた!?

はるるん、発作が消えた!?

2月に入って、長男が虫垂炎で入院すると同時に熱発したはるるん。

夜は咳き込んでなかなかまとまって眠れず(ハルの夜担当のパパももちろん寝不足)、昼間も熱と咳でご飯があまりちゃんと食べられないのでエネルギーが不足してうつらうつら。

3〜4日高熱が続いて、ようやく熱が下がったと思ったのもつかの間、喉が痛いのか体力が落ちているのか食欲がないのか、なかなかご飯を食べることができない。メイドさんたちとも協

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