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重心児含む4児の母。関心事はアートと健康、文化人類学。TEDxSakuファウンダー。タ…

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重心児含む4児の母。関心事はアートと健康、文化人類学。TEDxSakuファウンダー。タイ・インド移住を経て、2021年から長野とフィリピンの2拠点生活。会社員を経て現在フリー。無意味の意味を信じる心の露出狂。座右の銘は「一緒にメシを食おう!」ruizakoji.com

マガジン

  • 健康×アート×社会

    健康とアート、社会の関わりについて執筆した記事をまとめています

  • 妄想連載「ハーフボイルド家族」

    ハードボイルド、とまではいかないけれど、ちょっと変わった家族の記録。ぶつかったり離れたり、時々進むけど、しょっちゅう後戻り。 自由と正義を掲げた船に乗り込んだ私と4人の子どもたちは、荒波に揉まれつつ、それぞれの根っこを形成しながら、自分の生き方を模索する。ボロボロだった私は、いつのまにか夫と一緒に船の舵を取り、時には率先して行き先を決める。知らずしらずのうちに、もっと知らない世界、もっと尖った生き方を求める船の旅を、私は家族の誰よりも楽しんでいた。 ポンコツ船は、2018年秋、6人の家族を乗せ、海を渡ってインドにやってきた。私達家族の、この不思議な変化の軌跡を記録していく。

  • はるるん、海を渡る

    重症心身障害児として生まれ、盲目で車椅子が必須のハルが、家族とともにどこへでも出かけ、登山にも海にも行き、そうしてついに、家族と一緒に海を越えてインドにやってきた。インドでの彼女の生活を綴ります。

  • 息子と二人旅

    インドで不登校になった長男が、母と二人、日本を旅をしながら自分で答えを導き出すまで

  • 過去の日記転載シリーズ

    2006年ごろから2011年頃までの過去の日記をまとめています

最近の記事

大阪府豊中市のインクルーシブ教育。南桜塚小学校訪問レポート【シリーズ全4回】

4月! ご卒業、ご入学、進学、新生活、みんなまとめて心機一転おめでとうございます。私はようやく毎日の送迎地獄から解放されました。ひゃっほい。と思ったら、登校5日ですでに学校がつまらないと言い出した末っ子と格闘する日々。なんかデジャブだな… まあいいや。 そんなわけで、私もご多分に漏れず4月からの新しい生活をめでたく開始し、なんとか息をしています。そして、それがね。うれしありがたいことに、新生活で出会った何人かの方がこちらのnoteを読んでくださっていると!びっくらぽんな事実

    • ダンス事始め日記 Ⅰ 「無くてはならない異物の存在」

      前回書いたような経緯により、有志でコンテンポラリーダンスを続けよう!と始まった<das Leben ist der Tanz>。長いし発音できる気がしないので、以後、レベタンと略します。(さっそくかっこよさを脱落して実用化…) レベタン第一回は、講師の栄ちゃんが住む望月の公民館をお借りして実施した。久しぶりに集まったメンバーは4人。もともとダンスと近いところにいるカーコさんはいつも通りしなやかそうだったけれど、年末小指を骨折していたアイちゃん、いつもぽわんとしていて独特の世

      • ダンス事始め日記 序章

        最初に出会ったダンスの記憶学生時代ガリ勉だった私には、読書以外のアートや文化的ななにかが入る隙間は殆どなかった。 でも、本当はずっと憧れていた。 ダンスにも、音楽にも、演劇にも、絵画にも。 ガリ勉が実を結んで大学に入学したはいいものの、居心地が悪くなって大学の外で仲良くなったのは、いつも大きなつばの帽子をかぶって指より大きな指輪をしていた絵描きの卵、空の写真ばかり撮っていた写真家の卵、四六時中音楽の中で生きているDJの卵、猫と女の子の絵と本人そのものがかわいいイラストレー

        • 【はじまるよ!(妄想)緊急記者会見2023】もじもじ案件をひきつづき抱きしめます

          現在、12月13日23時13分。 12月5日が誕生日の友達が誕生日投稿しているのを見て、あ、わたしもアドベントカレンダー参加してみようかなあ、と思って空いていた中から一番遅い日をポチッとしたことが、つい昨日のことのように思い出されます… つい、昨日のことのように。 それはもう、ついさっきように。 …あれ?おかしいな、あと47分で14日。 やべぇ、急げ!みんな集合! というわけで、年末緊急記者会見を開始します!!Zを知ってる人もそうじゃない人も、ステイチューン。 ー本日は

        大阪府豊中市のインクルーシブ教育。南桜塚小学校訪問レポート【シリーズ全4回】

        • ダンス事始め日記 Ⅰ 「無くてはならない異物の存在」

        • ダンス事始め日記 序章

        • 【はじまるよ!(妄想)緊急記者会見2023】もじもじ案件をひきつづき抱きしめます

        マガジン

        • 健康×アート×社会
          29本
        • はるるん、海を渡る
          29本
        • 妄想連載「ハーフボイルド家族」
          55本
        • 息子と二人旅
          13本
        • 過去の日記転載シリーズ
          25本

        記事

          フェミニズムを毛嫌いしてごめんなさい。満を持して今、「女の生き方」について話がしたい

          ミッシェルンデゲオチェロ。 スワヒリ語で「鳥のように自由」という意味の名前で活動する女性アーティストだ。彼女のことを知ったのは20年ほど前。東京で学生生活をしながら日々もがいていた頃である。 ミッシェルンデゲオチェロ。 なぜだか時々口に出してみたくなる口心地のよいこの言葉。卒業したとき、結婚したとき、夫婦でぶつかったときなど、節目節目で彼女の名前を思い出してきた。 ミッシェルンデゲオチェロ。 私は。私も。 鳥のように自由に生きたい。 でも、鳥のようって、どのように?

          フェミニズムを毛嫌いしてごめんなさい。満を持して今、「女の生き方」について話がしたい

          当たり前の、ウラガワで

          朝起きると、ブリキ缶のようにベコベコと音がした。 ような気がした。 疲れているのかもしれない。 あわててここ数日を振り返る。 少し前に、普段海外に住んでいる夫と次女が急に帰国して、10日ほど滞在した。滞在中、夫は私に代わってせっせと料理をし、家事も分担してくれた。分担というか、リモートワークをしながらほとんどの家事を夫が担って私はぐーたら。 それなのに疲れてるとかそんなわけあるかい、と思うでしょう。私だって思った。だから心がベコベコしてることに気づいた朝、何度も自分にツッ

          当たり前の、ウラガワで

          「いや、血ぃ、出てるよ? なんで痛がったらあかんねん」

          2023年1月クール、「ブラッシュアップライフ」というドラマが話題になった。 主人公がよりよいものに生まれ変わるために人生を生き直すことでブラッシュアップし、徳を積むという話。主人公の職業は、最初は市役所職員だったのが、2周目の人生では薬剤師になり、3周目はテレビ局員、4周目は医者、そして5周目は…と物語が展開していく。 この「ブラッシュアップライフ」をみて、私ははて、と考えた。 人生ブラッシュアップしてやり直せるとしたら、私は一体何をどうブラッシュアップするだろうか。そ

          「いや、血ぃ、出てるよ? なんで痛がったらあかんねん」

          私は謝辞を「読む」のをやめた 〜小学校卒業式謝辞全文公開〜

          長男が小学校を卒業した。 年子の気の強い妹に、重心児で手がかかる下の妹、そして甘えん坊の次男。4きょうだいの一番上として、たくさんの複雑な思いを飲み込んできたであろう長男。 4年前、当時インドで通っていた学校に突如として絶対に行かないと言い出した長男。 その後母と息子の二人旅を経て、自分で自分の進む道を選択し、歩みだしたと思った途端、新型コロナによるロックダウンが始まり、切れるナイフと化した長男。 3年前、半年以上のロックダウン生活から逃げるように帰国した日本で、「ゲ

          私は謝辞を「読む」のをやめた 〜小学校卒業式謝辞全文公開〜

          はるるんの福祉クエスト

          はるるん、先日8歳の誕生日を迎えた。 誕生日前日深夜に帰国し、誕生日翌日にはまたフィリピンの自宅へ、という超強行スケジュールだったけれども家族みんなでお祝いすることができた。 彼女が生まれた8年前、出産した病院で何枚もの同意書にサインをしながら、先の未来なんてまるで思い描けずにいた。 ただ毎日やってくるトラブルをドッチボールのように体をくねらせてよけたり、時には正面から受け止めたりしながら、必死で生活を切り開き、気づいたら8年もたっていた。 誕生日に合わせてハルと夫が帰国

          はるるんの福祉クエスト

          「特別支援教育」は特別なままなのか

          さて、前回の記事で、障害や特性に関係なく、地域の学校に多様な子どもたちが通えることの意義に触れて書いた。 はい。わかってます、あくまで理想です。 現状においては、校舎の問題、教育カリキュラムの問題、教員配置の問題など、ありとあらゆる点において、多様な子どもたちを地域の学校に受け入れる準備は到底十分とは言えない。だからこそ、現時点では副学籍制度に期待する部分が大きいのだけれど、副学籍制度においても課題がある。 この記事では、理想に対して現状の教育制度に截然と存在するいくつか

          「特別支援教育」は特別なままなのか

          「副籍」制度と公教育の本当の理想

          学校ってなんだっけフィリピンで2年間学校に通っていなかった重症心身障害児の次女ハルは、小学2年生も終盤になって、日本の小学校に1日体験入学したわけだが、実はその少し前から、来年度以降の日本での就学について、教育委員会と相談を始めていた。 運動機能の発達も知的発達も生まれつき限られていたハルについて、学びについてもあまり期待していなかった。もちろんリハビリや療育を通じてトライしてみたことはあれど、一番はハルが心地よく暮らせればそれでいいと思っていた。だから学校は、別に行っても

          「副籍」制度と公教育の本当の理想

          はるるん、日本で学校に行く

          2年3組質問タイムこれは、二学期の終業式前日、地域の小学校の2年3組でのやりとりである。 日本の小学校に体験入学夫とともにフィリピンに暮らし始めてまもなく2年の次女ハル。うまれつき肢体不自由で目が見えない。重い知的障害もあり、いわゆる重度心身障害児に分類される。 現在小学校2年生に該当するが、この2年、フィリピンで学校に通っていない。彼女が学校に毎日通う必要性を親の私達がそこまで感じていなかったのも事実だけれど、同世代の子どもたちとつながれる居場所はつくってあげたかった。

          はるるん、日本で学校に行く

          下手くそなギターのようにかき鳴らします新年の挨拶、あけまして、どうもおめでとうございます。

          2023年も10日も経ってしまいましたが、ようやく学校その他が動き出したので私の正月は今あけた気分です。 好きな漫画をイチから読み直して、気に入ったドラマを何回も見て、娘に教えてもらった曲を歌って、大変ゴージャスな時間を過ごしたお正月。なんてったってこの1年ほど1.5倍速で聞くのが当たり前になっていたポッドキャストを一旦やめて、普通の倍速でカルチャーを摂取したのがどう考えてもゴージャス。 年末フィクションに囲まれて過ごしたからか、元旦の朝は自分の内面がふわふわした言葉にな

          下手くそなギターのようにかき鳴らします新年の挨拶、あけまして、どうもおめでとうございます。

          運命の本を携えて、そこらじゅうでダンスを踊ろう。

          9月下旬のその日、下北沢にはどしゃぶりの雨が降った。 うるんだ目をした若者たちが何人もびしょびしょに濡れながら慌てて駅の構内に駆け込んでくるのを見て、にぎやかでカラフルだな、と嬉しくなった。 学生時代、毎日のように通っていた下北沢だけれど、15年ぶりに訪れた私は完全に浦島太郎状態。毎日のように通っていたのは南口のマクドナルドでアルバイトをしていたからで、それを選んだのは、この街のカラフルな空気が一番感じられそうな場所だったから。モノクロームな私の世界に少しでもこの街のカラフ

          運命の本を携えて、そこらじゅうでダンスを踊ろう。

          できないことや意味のないことを排除しない社会を目指したい

          ※この記事は、2022年10月24日にFacebookに投稿した内容をもとに再編集したものです。 誰かにとって価値のある自分でいたかった10代中学高校時代、本当は最初、純粋に勉強が楽しいと思っていたんです。それなのに、受験というシステムを通過しながら、いつのまにか他人の評価や社会的な見え方を大事に考えるようになっていました。 普通に中学教育以降のシステムにのっかると、どうしても順位とか評価とか気になってしまうのは当然だったかもしれないし、そもそも自分の特性として、箱があれ

          できないことや意味のないことを排除しない社会を目指したい

          「誰か」を「あの人」にかえていく

          「誰かの死と、あの人の死。全然違います。」 20年以上前に聞いた、中学校の国語の先生の言葉だ。先生の声が、未だに耳に新しい。 一つの出来事が、「誰かの」出来事から「あの人の」出来事になるには、一体何が必要なのだろう。 2015年、「障害のある誰か」が、突如として「障害のある我が子」になった。 第一子も、第二子も、びっくりするほど安産だった私は、出産なんてなんてことないと思っていた。 とんだ勘違いだった。母子共に無事に出産できることは、ほとんど奇跡なのだということを、

          「誰か」を「あの人」にかえていく