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仕事ができる人はメタ思考

ロッシーです。

あなたが会社で以下のような仕事を上司から任されたとします。

「この書類を今度役員会に提出するから、〇日までに作成しておいて。」

あなたは上司に指示されたとおり、その書類の作成を始めます。過去の提出データを確認し、分からないところがあれば、先輩社員に聞いたりして何とか期日までに無事作成することができました。

もう作成の仕方が分かったので、次回以降はルーティンとしてその業務をこなすことができるようになりました。


ある日、「あれ?ここをこうしたらもっと分かりやすくなるんじゃないか?」と思ったあなたはさっそく上司に提案し、フォーマットと記載内容を改善することに成功しました。

「〇〇君(あなたのこと)、いい提案してくれてありがとう!」

と上司からの評価もアップ。嬉しいですね。


数か月後、さらにあなたは気が付きました。

「あれ?この書類に、営業部が持っている顧客別データと紐づけた売上データを載せたら、もっと役立つ資料になるよな。」

早速あなたは上司に提案をします。上司も快諾してくれて、さらに評価がアップです。


さて、そんなある日のこと、あなたの上司が異動になり、他部署から別の上司が配属されました。

あなたはいつもどおりその書類を作成して上司に提出します。そしたらその上司があなたに質問をしました。

「〇〇さん、この書類は何のために出しているんですか?」

あなたはその書類の目的を説明しました。

そしたら、その上司はさらに聞いてきました。

「ちなみに、この書類の作成にかける時間はどのくらいですか?」

あなたは、通常であれば他部署からのデータを入手して、提出用のフォーマットに変える必要があるため、大体4、5日かかること、さらに中間決算月と決算月には、ほぼ1週間かかることを説明しました。

上司は、「そうなんですね。ありがとうございます。」と言って、その話は終わりました。


その次の週、上司からあなたに話がありました。

「〇〇さん、月次で作成してもらっている書類だけど、今後は作成しなくていいことになったから。」

あなたは驚いて聞きました。「なんででしょうか?」

するとその上司はいいました。

「役員会の資料として、各部門から大量の報告が毎月提出されています。しかし、役員だってそんな大量の書類に目を通せるわけではありませんし、時間も限られています。だから、役員会の運営をより効率的にして生産性を高めるためにも、本当に必要な情報に絞り込む方針にする必要があります。そのような方針のもとで今後は各部門が役員会資料を作成するように私から働きかけました。その結果、〇〇さんが作成していただいていた書類についても今後は作成不要ということになりました。」

あなたは、「そうなんですね。承知いたしました。」と言って、自分の席に戻りました。いままで頑張って作成してきたものが、一気に否定されたような気がしました。


さて、この話は何をいいたかったのでしょうか。

それは、「自分がいまやっている業務だけしか見えない人は、仕事ができない」ということです。

仕事ができない人は、自分の業務を2次元でしか見ていません。つまり、平面ということです。

仕事ができる人は、自分がやっている業務を3次元で見ています。つまり、平面+高さがあります。

そのため、自分の業務を一段上の高さから見下ろすことができるのです。

上から見下ろすことができれば、今自分がどこにいるのか、そして周辺には何があるのか、目的地に行くにはどこが最短ルートなのかが一目瞭然です。

でも、平地であくせく進む人にはそれが見えません。もちろん「頑張ってはいる」のでしょうけど効率的ではありません。

上記のお話しででてきた「あなた」も、確かに頑張って資料を作成していました。上司に改善も提案しました。その意味では、仕事ができないわけではないのかもしれません。

しかし、あくまでも与えられた業務範囲内での改善という「仕事ができる」だけであり、その仕事そのものを「なくす」とか、全く別の仕事に変えてしまったらどうか?という発想には至っていません。

「仕事ができる」の定義にはそういったものも含まれるべきでしょう。単なる改善だけが仕事ではありません。

だとすれば、一段上のレベルで思考をすること、つまりメタ思考は必須です。もっと上の次元から自分の仕事をみる視点の高さが必要なのです。

メタ思考ができる人とできない人との違いは、カーナビがある車とそうでない車の違いと同じです。知らない土地で目的地に到着する場合、圧倒的な差がつきます。

どうすればメタ思考ができるようになるのか。それは、いったんゼロベースで考えることです。自分の立場や思い込み、我欲、これまでの慣習などをゼロにして新しい眼で再度見ることです。別人格で見ることです。

それは訓練で身に付きます。

いうなればメタ思考は、上から目線です。

でも、人間関係においては上から目線はやめましょうね(笑)。

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