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鳥居れな
2024年2月2日 15:55
小学生のころ、通学路に交通安全のおじいさんがいた。みどり色のキャップをかぶって時々、登校時間だけでなく学年によって下校時間もばらばらなのに帰り道にも子どもたちを見守っている時があった。幾人か見守り隊はいたけれど、ランドセル時代のれなちゃんには1人だけ仲良しのおじいさんがいた。何度も聞いたし、呼んでいたあのおじいさんの名前を、いま思い出せないのが悲しい。思い返してみても本当
2023年5月30日 14:43
子供の頃、母の背中に耳をくっつけて大人のよくわからない会話を聞くのが好きだった。話を聞いていたというよりは、音。母の体の中で鳴っている声を聞くのが好きだったのだと思ういつも聞いている声よりも、深く共鳴して聞こえる音と体温、かすかな鼓動とがセットになって、心地よいのであった。私が5歳の時に両親は離婚した。それから母は美容関係の店を開いた。私にはふたつ年上の兄がいるので、当時2人の子
2021年8月4日 21:15
子供には開けるのも閉めるのも、少し力のいる襖だった。子供部屋の6畳和室と、テレビの置かれた居間とを仕切る襖大人のお話と、子供の眠りとを仕切る襖クリーム色の戸襖で横に一本くすみ緑の帯が入っていた23歳の今、子供時代を過ごしたあの平家を思い出すと「あの家好きだったなぁ」としみじみ感じる。果たして何歳頃の記憶だか、思い出されるものはバラバラに散らばっているので、それぞれ時期が