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私は本当に性格が悪い

この考えがモラハラ男を呼び寄せるまじないになっているんじゃないか。

昔の知り合いにモラハラが理由で離婚した女性がいる。彼女が最近付き合い始めた男性がモラハラ男なんじゃないかとふと思ってこの仮定が頭に浮かんだ。



彼女は、男性の多い職場で働いていて離婚した夫との間に子が三人いる。
意見は誰にでも割と強めに言える方だし、包容力も強い。
「私は愛する力には長けてるの」
そう言っていたのが印象的だった。


モラハラ男ってまずどんな人間なんだろうか。
調べてみると、

・暴言、相手の人格を否定するタイプ
・彼女や妻を無視をするタイプ
・舌打ち、物に当たる等の暴力的な態度を示すタイプ
・生活費を入れない等、経済的に追い詰めるタイプ

多くの場合、彼女や妻に対して最初は優しいらしい。そして実は自信が無い人間性が故なんだとか。

知り合いである彼女がどんなモラハラを受けたかは詳しくは知らない。でも今の彼氏もなんかモラハラ臭い…。





一見、とても冷静で優しく丁寧な紳士。
だけど、お酒を飲むと本性が出る。

私と2人で食事に行った際に、どうやら彼は自分の話を聞いてもらいたいらしく、いかに今までどれだけ努力をしてきたか学生時代から現在までの話を滾々と聞かなければならなかった。

仕事を始めるきっかけになった話、有名企業に務めていて仕事が忙しい話、、仕事関係で頼りにされていて相談されている話、、、過去の実績の数々、、、、

普段聞き役が得意な私も結構疲れた。
こんな話するために食事に来たんだっけ。

彼は終始ニコニコ話していて、こちらが笑顔を返すと輪を掛けてニコニコと笑った。
私が話を聞いて喜んでいるのが嬉しい様子だった。

ちょっと試してみたくなったので、グラスを手に取り1口飲むと、彼も同じようにグラスを口に運んだ。

なんだか知らないが、好意的に思ってくれているのかな、、、
お店に着く前はあんなにお腹がすいていたのに全く美味しいと思えない食事だった。

そもそも私が予約しておいた店の予定を彼がすっぽかした為に目的の店には入れず何となくお店を選びながら歩く羽目に。

口では紳士的に「煙草はお嫌いですよね、絶対に吸いませんよ」なんて言っていたのに、店の前に来たら禁煙席が満席。
私が喫煙席はどうですか?と促したら一瞬戸惑いつつも受け入れ席に着いた。
喫煙席にいる喫煙者に対しての礼儀だと思い、勧めると結局目の前で何本も吸っていた。

大丈夫か、このひとは…。
あんなに大見得切ったのに、ものの10分で覆してるぞ。
まあ、周りに煙が漂っていれば喫煙欲には抗えないんだろう。
だけど、これは全く頭になかった展開だった。
仕事をしている時の彼はこんなにエスコートできない男性には見えなかったからだ。

暫くして彼がトイレに立った。
何となく察した振りをして「大丈夫ですか?」と私が声をかけると、不思議そうな顔をしているので、半ば嫌みも混ぜて「お仕事の予定が入ったのかと思って」と言うと彼は気まずそうに「実は…」と言い「1件だけ連絡させてください」と要件を済ませた。

当たってたんかい(笑)
こんな時だけ勘が働く自分を頭の中で苦笑し、なんとなく情けなくなった。

改札まで彼を見送って、ひとつの小さな賭けをしてみた。

遠ざかる彼の背中を「振り返るだろうか」とぼんやり眺めた。
彼はいかにも上機嫌の顔でこちらを振り向いた。

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