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旅にまつわるBGMを聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪

イタリアのクライマックスは、ローマにて

「カメオブローチ」で有名なカメオ、どこまでもタイムスリップを楽しめるボンペイを楽しんだ後は、イタリアの首都・ローマを大いに楽しむ。

スペイン広場やトレビの泉では「ローマの休日」、コロッセオでは「グラディエイター」と、私達は場所が変わる度に色々な映画の世界に入り込み、最終日も大忙しだ。

カンツォーネディナーで「最後の晩餐」

カンツォーネディナーでは
「最後の晩餐ですね」
と、ツアーの方々とも別れを惜しんだ。
個性豊かなツアーの方々とは、「同窓会」と称して再び再会できるほど、仲良くなれた。
実の妹や娘のように、たくさんの方々に優しくして頂いた。
「このツアーを選んで、この日に出発できて良かったよね」
と、ゆみと余韻に浸った。

プールサイドで飲んだ美味しいイタリアワイン、ガーリックが効いた美味しいパスタと肉料理、男女が歌う、どこまでも甘く美しく、かつ情熱的な歌声は、今でもよく覚えている。
有名なカンツォーネを口ずさみながら私達がバスに戻ると、この日もドライバーのZさんが癒しの笑顔で私達を迎えてくれた。

ドライバーZさんの、最後の運転

初日から、Zさんの笑顔はとても優しかった。
短すぎず長すぎない、暗めの金髪。
背は170cm後半と、ヨーロッパ人としては中位で、澄んだアズーリブルーの目は清潔感に溢れていた。
集合時間が早朝でたまらなく眠い時も、Zさんの笑顔での
「ボンジョルノ(おはよう)!」
で、だいぶ目が覚めていた。
運転も常に安全運転で、ナポリのワイルドなドライバーとは正反対だった。

Zさんの最後の運転でホテルへと戻る道中、私達は初日からのドライブを思い出していた。
「癒し系のZさんともお別れかぁ」
「せっかくだから、最後にたくさんお礼言いたいね。Zさんは、他のイタリア人より静かで穏やかな人だったよね」
「ローマ出身って言ってたから、ローマの人はどっちかというと癒し系なのかも」

添乗員さんが
「明日、空港へ向かうバスのドライバーは別の方なので、ホテルでZさんとはお別れです」
とおっしゃると、バス全体から拍手がじわじわと湧き起こった。
マイク越しに、Zさんの優しくマイルドな
「グラッツェ(ありがとう)」
という声が聞こえると、拍手はますます大きくなった。
ツアーの人達もまた、Zさんに癒されていたのだろう。

イタリア人にも、例外タイプは存在する?しない?

「最後まで癒やし系だね、Zさん。イタリア人男性としては、例外タイプ?!」
「日本人でも、全然シャイじゃない人とかいるもんね。それと同じかな」
「女性にも、他のイタリア人みたいに口説くんじゃなくて、温かく見守ってそう」
「Zさんの場合、彼女がすごく強そうじゃない?」

私達の膨らみすぎた想像は後ろの新郎さんに聞こえていたのか、ふいに新郎さんの声が聞こえた。
「あのさ、ああいう癒やし系に見える人ほど、実は情熱的かもよ?!」
「OO、余計な事言わない!」
新婦さんに怒られ、新郎さんは反省した表情で口を閉じた。

「ま……まさかねぇ」
私達は想像すら出来なかった。

お別れの挨拶のはずが……?

バスはあっという間に、ホテルに到着した。
旅の余韻に浸っていたら、バスから降りるのが最後になった。
「記念に写真、撮っちゃおっか」

バスから降りる時にZさんに改めてお礼を言い、写真を撮ってもいいかと聞くと、Zさんは目を細め、そして私を自分のヒザに乗せたのだった。
「理…理菜ちゃん…!そ…そのまま撮っていい?」
「ま……ま、いっか。次はみゆと撮影しますね」
私達の英語が通じてるのかよく分からなかったが、みゆがおずおずと隣へ行くと、Zさんはこれまた嬉しそうに、みゆも自身のヒザに乗せたのだった。

強く抱きしめられた後は投げキッスも連発して、情熱的に私達を見送ってくれたZさん。
「こ…この国の人に例外はないのかもね」
「新郎さん、当たってたし」
こうして最後の最後まで、ユニークに期待を裏切ってくれたイタリアンイレブン達であった。

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