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rina
2021年8月25日 02:50
憧れは人間にとってのガソリンらしい。何かに憧れる、誰かに憧れる。その意識は人間を動かすということを、なにかで読んだ。私は、私が知らないことを知っている人に憧れる。そんなこと無数にあるので、憧れる対象が多すぎやしないか、とも思うけれど、案外そうでもない。結局、自分に興味関心がありそうなものに対しての知見が深い人にしか、憧れの気持ちは持たない。それは、生きるという行為についてもそう。「
2021年8月13日 15:21
人は、美しい。そこに貴賤なんてものはなくて、だから裏を返せば、人は、「皆」美しい、ということになるのだろう。ただ、元来美しい人と、その美しい人に近付きたくて努力する美しい人がいる。私は特に元来美しい人が好きだ。彼女らは、光り輝く拳を振りかざして、そしてその空間を一瞬にして瓦解させる力を持っている。ただ、彼女らはその拳を振りかざしたことすら気付いていない。私には特技がある。美しい人を
2021年8月8日 17:03
バラック。すきま風が肌を刺す。何度も湯浴みをして、その結果肌が乾燥して、荒れた傷に風が染みる。「ただいま」 ターニャが唇を紫にしながら帰ってくる。「おかえり」 カチューシャが言葉少なく、そしてターニャの方を見ることもなく、小さい声で言う。言葉は少ないながらも震えているのが分かる。「どうだった?」「最悪。汚いデブだった。金払いが良くてもありゃ外れだよ」「そんなこと言っても客は選