マガジンのカバー画像

- 詩 -

18
詩を集めたもの
運営しているクリエイター

#うつ

モラトリアム

風の足音がきこえる

春の芽吹きがそっとうごきはじめた

ため息が空に吸い込まれていく

子供の走る声 バイクが横切る音

ああ

消えたくてもお腹は空いて

時は進む ぼくの気持ちを置き去りにして

どこにいればいいだろう

僕の居場所はあるの?

お日さまのしたで みんな生きてる

ああ

暗いトンネルにも出口はありますか

ここにいてもいいですか

パンを食べる 美味しいと思う

生きている

もっとみる
生きる覚悟

生きる覚悟

生きる覚悟をしなくちゃならない

この先どんなことがあっても

根っこが一本だけでは

そこが折れた時、倒れてしまうから

根っこはたくさん持っていい

逃げ道はたくさんあっていい

だから、ひとつが折れても倒れないで

生きていく覚悟をしなくちゃならない

面倒なことも退屈なときもあるかもしれない、けど

折れても逃げてもいいから生き延びて

いつか頂上についたとき

「生き延びてやったぞ!」と

もっとみる
生きるのはつらい

生きるのはつらい

やりたいことが分からなくて

どうやって生きたらいいのかネット検索してた

啓発本を買っても最初の数ページしか読まず

筋トレも続かない

僕はどこへ行きたいのか

なにをしたいのか

わからないまま逃げているだけ

生きるのはつらい

でもそんなの僕がそう思っているだけだ

サイコロみたいに

きっと裏側は違う世界のはず

僕はどうしたいんだろう

ーーわからないまま時計が進む

僕はどこにいけ

もっとみる
40分の家出

40分の家出

家から飛び出した

街は気づかないうちに秋から冬になってた

うろこ雲が夕日にひかって

どこに向かうでもなく自転車を走らせた

冷たい風をきって廻る車輪

家には帰りたくなかった

頑張るだけの家

重たいだけ

頑張るのは嫌い

家が変わればいいのに

そうだ

僕が逃げ出さなくても済む家になればいいんだ

外には居場所なんてない

帰りたい家になればいいんだ

帰ろう

そうだ

ハンバーガ

もっとみる
引き出し

引き出し

自分の引き出しに入りきらないぐらいの

モノを持って

奥に何があるのか忘れたまま

ボクらはしあわせって呼べるのかな

大切なものをどこにしまったのか

わからないままで

ポケットにものを詰め込みすぎて

穴があいたみたいに

詰め込みすぎた心に

感情のブラックホールがあいている

真面目な死に損ない

朝が来て家を出る 仕事をして夜になる

安い缶チューハイのんでコンビニ夜食

夜が沈んで朝が昇る

階段を一段一段のぼるように

毎日を一歩一歩登っていく

真面目の死に損ないが地を這いながら

白黒の日々を一枚一枚飾ってく

溜まってゆく洗濯物

流しがカピカピに渇いてる

傘から雨の雫が垂れて

時計の針が進んでく

真面目な死に損ないが藁にしがみついて

急流の日々に流されていく

満たされたい

満たされたい

満たされたい 満たされたい

お腹が空く のどが渇く

満たされたい 満たされたい

お金を払う 物を買う

満たされたい 満たされたい

愛してると囁く 肌と肌を重ねる

満たされたい 満たされたい

朝まで眠る 心地よい布団で眠る

満ち足りない 満ち足りない

もっともっと もっともっと

溺れていく 沈んでいく

満たされたい 満たされたい

足るを知らない 学を知らない

満ち足りない 

もっとみる

かんぺき

かんぺきじゃない自分を

手に入れよう

はじめてでも 失敗しても

大丈夫 明日は新品の一日

かんぺきじゃない自分を

受け入れよう

他のだれでもない自分を

だきしめて

きみはきみで、ぼくはぼくなのさ

それがこの世界のほんとうに大事なこと!