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世界史の散歩道(古代編)

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古代史にまつわるこぼれ話を紹介しています。
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憧れのアリーナ席は流血の舞台

憧れのアリーナ席は流血の舞台

むかし初めて実際に東京ドームに行って、やっと「東京ドーム〇個分」の基準がなんとなくわかりました。で、そのときにふと思ったのです。
「コロッセウムとどちらが大きいんだろう?」

ローマのコロッセウム(コロッセオ)は紀元80年に完成したローマ帝国最大の円形闘技場です。
ここでは剣闘士(グラディエーター)同士あるいは剣闘士対猛獣(トラ、ライオン、ヒョウ、象など)の死闘、そして戦車競走、凱旋祝いが繰り広げ

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ゴルディオスの結び目

ゴルディオスの結び目

少し前に「ソロモンの結び目」を紹介しました。
今日は「結び目」つながりで、古代ギリシアの伝説を。

現在のトルコ北西部に、かつてフリュギアという国がありました。あるとき人々が王様を選ぼうとしていると、神様のお告げがくだりました。それは、「未来の王は荷車に乗って来る」というものでした。

人々が、これは一体どういう意味だろうと首をひねっていると、そこへ妻と子供を荷車にのせたゴルディオスという貧乏な農

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ソロモンの結び目

ソロモンの結び目

一時期、古代中世のモザイク壁画にはまっていました。モザイクの聖地ラヴェンナ(北イタリア)の工房に通って制作体験もしました。この作品は日本で日本人の先生の元で作ったものです。
(表紙の写真は制作途中。ここで見えているのは裏面)
このモチーフは「ソロモンの結び目」Solomon's Knotと呼ばれるもの。
「ソロモンの封印」Solomon's Seal とも言います。幾何学モザイクの練習作品としては

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馬が変えた世界の歴史

馬が変えた世界の歴史

世界の歴史を見る上で馬は非常に重要です。
メソポタミア文明には、紀元前2000年以降に南ロシアや中央アジアからやってきた印欧系の民族(カッシート人、ミタンニ人、ヒッタイト人など)によって、またエジプト文明には中王国時代末期に(紀元前17世紀末)、セム系遊牧民ヒクソスによって馬がもたらされます。
馬に引かせるチャリオットと呼ばれる戦車は、それまで歩兵、弓兵中心だったオリエントの戦法を大きく変えました

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球技の歴史を概観

球技の歴史を概観

戦国時代の中国(紀元前4世紀)、斉(せい)の国には、すでにボールを地面に落とさないよう足で蹴り続けるスポーツがあったといわれています。
当時は遊びではなく、兵士の鍛錬のためにやらせていたようです。
映画の「レッドクリフ2」でも兵士らがサッカーのようなことをしている場面がありましたね。
それが奈良時代(7世紀)の日本に伝わり、平安時代末期に貴族の遊び“蹴鞠”になりました。
当時はまだゴムのボールはな

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古代ローマ兵は元祖サラリーマン?

古代ローマ兵は元祖サラリーマン?

ビキニ、ネクタイ、サラリーマン、コンクリート、婚約指輪、お姫様だっこ、新婚旅行、新幹線のレール幅・・・。

さて問題です。これらに共通することは?

ずばり、古代ローマが発祥!です。
ひとつずつ見てみましょう。
まずはビキニ。ローマ女性たちはスポーツをするとき、ビキニに極めて近い格好をしていたことが、シチリア島に残るモザイク壁画から分かっています。水着ではありませんでした。

ネクタイは、ローマの

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古代ローマ人の名前

古代ローマ人の名前

古代ローマ史上もっとも有名な人物、ユリウス・カエサル。
これを名(ユリウス)+姓(カエサル)だと思っていませんか?
実は両方、姓です。

ローマ人の名前は基本的に3つの単語から成り立っています。
①ガイウス(親がつけてくれる名)
②ユリウス(氏族名)
③カエサル(家名)
つまり、ユリウス一族のカエサル家のガイウスくん、という意味。
世界史の分野ではローマ史に登場する人物をこの家名で呼ぶことが多く、

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