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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2021年12月の記事一覧

絵を読むということ

*絵を、見る。ペンで、絵の具で、水彩で切り紙でさまざまなもので描かれた、絵を見る。ぼくはギャラリーだとかそういうのが好きなもんだから、もしかすると人より絵を見る機会が多いのかもしれない。ただそこで、さいきん気付いたんだけど、絵を見ることしかしていないのはもったいないんじゃないか?絵を見る、つまり「描かれたもの」だけを見るというのは、絵を見る上でじつはヒジョーにもったいないことをしているのかもしれな

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人生は何に似ている?

*なにかの小説のなかで「人生は自転車レースだ。必死にペダルを漕いで走る競争で、勝者と敗者が存在する」みたいな一文があった。誰よりも早く走れるか、という捉え方をしちゃいそうだけど、自分が必死に漕げたかどうか、でもあったりするのかもしれない。そういう考え方がぼかぁ苦手だけど、実際にそういう側面はあったりするもんね。人と比べて比べられて、自分がそう考えるかどうかは別として、そう考えている人も、きっと世界

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まっすぐ帰ってきなさいね

*こどもの頃、「まっすぐ帰ってきなさいよ」と言われたことがありました。たいていそういう日は用事があったりとか、お客さんが来たりとか、ご馳走があったりとかしたもんだった。ここでいう「まっすぐ帰る」というのは、寄り道をせず、道草をくわず、そこからここまでまっすぐ帰ってきなさいよ、という意味だった。

「まっすぐ帰ってきなさい」と言われるほど、小さいころは寄り道をしたり道草をくったりしてたんだよなぁ。友

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額縁のなかに絵を描いた

*「額縁」というものがあります。ぼくも絵本を書いている(ぼくは絵を描いていないけど)身として、展示をやる際に額装をどうしようかなぁなどと考えるのですが、そのうちに「額ってどうしてあるんだろう?」と考えるようになりました。額の役割、というものもそうだし、そもそもどうやって出来たのか?いつからあるのか?人はなぜ額を欲したのか?などなどね。「絵さえあれば額はなくていいもの」と言う人もいるかもしんないです

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人生はようやくできないんだよ

*去年か一昨年くらいからかな、ほぼ日手帳を使い始めている。1日ごとに1Pあるタイプの手帳で、その日の出来事や思ったこと考えたことを、ある日は日記みたいに、ある日は一言だけ、ある日は振り返るように、ある日はメモをしておくように、手帳をつけていた。今まではところどころ穴があったのだけど、今年に入ってから、一言だけのページがあってもいいから、きちんと毎日つけようと思って、振り返れば今日までなんだかんだ付

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ライフイズビューティフル

*デートの待ち合わせ、15分早く着いた男に不運かどうか、にわか雨が降ってきた。それはもうざあざあと、傘がなけりゃずぶ濡れになるくらい降ってきた。天気予報では雨なんか降らないはずだったのに。「ああ、これはどうしたもんか」と思っている男は一旦トイレに駆け込むと、個室におき忘れていた傘があった。男はその忘れ物の傘を持って、待ち合わせ場所についた。女はもちろん傘は持っておらず、男はその手に入れた傘を使って

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サンタ運営事務局カスタマーサービスです

*はいはい、どうも。こちら、サンタ運営事務局カスタマーサービスです。こちらの会話は、業務上の都合により録音させてもらっていませんこと、ご了承くださいませ。ガイダンスに沿ってご案内致しますので、問い合わせ内容に当てはまるボタンをお押しください。プレゼントに関するお問い合わせは1を、お届け先の変更・不在の場合は2を、サンタと思われなかった場合の対処法については3を、トナカイのメンテナンスについては4を

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ことば以外がものを言っている

*むかーしね、とんねるずの番組で「食わず嫌い」ってのがありましたよね。芸能人ふたりが、自分の大好物3品と、嫌いなもの1品の計4品を食べながら、相手がどれを嫌いなのかを当てるっていう。なかなか面白い遊びだったし、ただのクロストークじゃなくて、ああいう遊びを交えながら大人たちが話してるって構図がおもしろかった。ぼくも好きでよく観ては「ははーん、この人はこれが嫌いだな?」って思っては外していたんだもん。

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およげ!たいやきくん

*なぜだか分からないが、この前ふと「およげ!たいやきくん」を聴いたのだった。聞こえてきたわけじゃない、「およげ!たいやきくん」を聴こうと思って聴いたのだ。人生でまさか「およげ!たいやきくん」を自らすすんで聴くなんて思わなかった。失礼かもしれないけど、ほんとそうなんだ。幼い頃、テレビで流れていた記憶しかない歌で、でも強烈におぼえている。それをなぜか、急に聴こうと思って聴いたのだった。

「およげ!た

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歳上の人に夢を聴くのにハマる

*若い頃、「おまえの夢はなんや?」と聞かれるのが、だいぶ苦手だった。いや、苦手だったけど、そういうのにハマっていた時期もあった、と正直に書いた方がいいだろう。街頭で「あなたの夢はなんですか?」みたいなイベントを企画してやったこともあったし、人の夢を聴いて回るようなこともしていたこともある。夢があるってそれだけで素敵で、いいじゃん!って言えるようなことが素晴らしいと、信じていたような時期もあった。い

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きみの好きなものが増えてよかったーっ

*さいきん演劇や舞台にハマっていて、2日に1本ぐらいのペースでさまざまな公演を観ている。たまたま知り合いに役者さんや劇団の人がいるもんだからたびたび観に行ったりはしてたし、好きだし、ひいきの人たち(芝居紳士さんとか彗星マジックさんとか)もあるくらいなんだけど、今まで以上にハマってしまった。演劇三昧というアプリで、維新派や劇団ままごとなど、色んな作品をここ1週間くらいでごくごく飲むように観ている。

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一枚の絵からさみしさについて

*ふらっと入った喫茶店の壁に、一枚の大きな水彩画が飾ってあった。横1メートル、縦80センチほどの大きな絵だ。たぶん、エーゲ海のサントリーニ島をモデルにした絵で、海と建物と木々の鮮やかな色が、朝から気持ちいい気分にしてくれた。誰の絵かもしらないし、そこまで有名な作家じゃないかもしれないが、今のぼくにとっていい絵だなぁと思った。

そのとき、思ったのだ。さみしさってたぶん、こういうことだ。この絵がある

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脳内に住むリトル〇〇さん。

*ぼくは昔から「まねする」ことが多かった。し、今でもだいたい誰かのまねごとを繰り返しているように思う。それがオリジナルだと他人から言われることもしばしばあるけれど、自分で振り返ってみると、やっぱりそれは「まねごと」なのだ。自信がないわけでも、謙遜しているわけでもない。だってそもそも考えるときの過程に、ぼくが尊敬している人たちならなんて言うだろう?って、ぼくなりのその人たちの知恵を借りて考えているこ

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新卒採用って、何を求められているのだろう?

*ちょっと仕事で、採用についてのあれこれを考えていて、前々からふしぎに思っていたことがあった。なぜ、企業は新卒採用をするのだろう?前からふしぎだったし、新卒採用をする意味やメリットはなんだろう?って気になっていたんだよね。

企業はどうして、新卒採用をするのか。
目先のメリットでいえば、中途採用で即戦力を取った方がはるかにいいはずだ。社会人経験があるので安心感があり、欠けている業務にピンポイントで

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