きみの好きなものが増えてよかったーっ

*さいきん演劇や舞台にハマっていて、2日に1本ぐらいのペースでさまざまな公演を観ている。たまたま知り合いに役者さんや劇団の人がいるもんだからたびたび観に行ったりはしてたし、好きだし、ひいきの人たち(芝居紳士さんとか彗星マジックさんとか)もあるくらいなんだけど、今まで以上にハマってしまった。演劇三昧というアプリで、維新派や劇団ままごとなど、色んな作品をここ1週間くらいでごくごく飲むように観ている。

ぼくは小説とか脚本とか、勝手に苦手意識を持っていたんだけど、こういうの書けたら楽しいだろうなぁと思って、懇意にさせてもらっている芝居紳士の黒いほうの人(脚本も書くし芝居もやる)に、好きな作品とか脚本とかを聴いてみた。そこで教えてもらった、ままごとって劇団の「わが星」という作品が、もうとんでもなく素晴らしくって、感動して何度も何度も繰り返し観ている。なんなら、夢中になって乗る電車を間違えて終電を逃してしまったほどだ。

すばらしい作品だなぁと思い、教えてもらった黒い人にお礼を伝えた。すると「きみの好きなものが増えてよかった」と言ってくれた。自然に言われたので自然に受け取ったんだけど、改めて見返すと、このことば、すっごくうれしいことばだな。

「きみの好きなものが増えてよかった」、あなたのおかげで、ぼくの好きなものがまたひとつ増えた。ぼくの好きなものはたいがい、好きな人の好きなもので出来ている。好きな人の好きなものは知りたくなっちゃうもんだから、聴いたり教えてもらったりして、ものの見事に好きになる。もちろん、ぜんぶがぜんぶじゃないんだけど、ぼくが好きなものたちは振り返ってみれば、好きな人たちからきっかけをもらって、好きになったものがほとんどだ。ひとりで歩いていてたまたま見つけたものもあるけれど「あっちのほう、景色がきれいだったよ」と教えてもらって進んだ先で、その景色を好きになる。みたいなことが多いのだ。好きな人の好きなものを、その人とはちょっとちがったバランスで、ぼくも好きになることが多い。

だからこそ、「きみの好きなものが増えてよかった」ということばは、うれしいもんだよなぁ。「きみが、ぼくの好きなものを好きになってくれてよかった」という意味合いも多少は含まれているのだろうけど、そうじゃない。きみの好きなものが、増えてよかったのだ。なんだろう、すっごく大人で、言う方も言われる方もうれしいことばだと思って、ちょっと感動しちゃったんだよなー。

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