人生はようやくできないんだよ

*去年か一昨年くらいからかな、ほぼ日手帳を使い始めている。1日ごとに1Pあるタイプの手帳で、その日の出来事や思ったこと考えたことを、ある日は日記みたいに、ある日は一言だけ、ある日は振り返るように、ある日はメモをしておくように、手帳をつけていた。今まではところどころ穴があったのだけど、今年に入ってから、一言だけのページがあってもいいから、きちんと毎日つけようと思って、振り返れば今日までなんだかんだ付けれていた。

もちろん、どこに行ったとか誰と会ったとか、たった一言だけ書いているページも多い。けれど振り返ってみると意外に、ちゃんと書いてるんだよなぁ、おれ。ページの半分くらい書いている日が、一年の半分くらいを占めていて驚いた。なんだ、けっこう書けるもんじゃないか、思ったのだけど、いや、きちんとやろうと思えば、きちんと書けるものだよなぁ、と思い直した。ぼくらは1日の中で、多分に物事を考えたり思ったりしている。もちろんそれを書き留めている日は、ちゃんと時間を作って書き留めた日なんだろうけど。

毎日手帳を付けてみるまでは毎日書けるもんかなぁと思っていたけれど、それは杞憂どころか、ある意味では怠惰だったんだよなぁ。書き残しておくことなんかない、ではなく、とりあえず書いてみるとしたら、思ったこと考えたこと、会ったこと、行ったとこ、言ったこと、言われたこと、あったこと、たくさんあるもんだ。

「あのな、人の人生は要約できないんだよ」みたいなセリフが、たしか小説の中にあって、すごく共感したんだよなぁ。「生きることを物語に要約してしまうことに逆らって」って一文が、谷川俊太郎さんの詩の中にあったんだよなぁ。毎日手帳をつけてみる、無理なく一言でも、明日になってでもそのページに何か書き残してみる。そうやってみると分かることだし、やってみなきゃ分からないことだった。来年からは、待ちに待っていた5年手帳になるから、これも楽しみなんだよねー。

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