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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

おにぎりの具はなんだろな

*仕事をしに入った喫茶店で、ラジオが流れていた。BGMがてら聴きながら仕事をしていると、正午直前にリスナーへ電話をつないで、お昼ご飯を聴くというコーナーらしい。お昼ご飯とその経緯を聞いて、正午ちょうどに「いただきます」と言うんだとか。なんとも平和でへんてこなコーナーだなと思ったけど、ちょっと心休まるいい塩梅の企画だなとも思った。

そうこうするうちに、リスナーと電話がつながった。声色から察するに、

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弱いままでもいいから、強くありたい

*毎年、誕生日には映画を観ます。その日は無理矢理にでもオフにして、どんな1年にしたいかなぁとか、どんな人になろうと、近づこうとしたいかなぁなんてことを考えながら、観たい映画を探します。観たことないのでも、観たことあるのでも。たしか25歳のときは中川龍太郎監督の『ぼくらはひかりをにぎっている』、26歳は大好きなティムバートンの『ビッグフィッシュ』だったかな。今年は、『宮本から君へ』を観ました。

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呼吸は心の手入れである。

*ふとした拍子に、呼吸が深くないことに気づいた。深くないどころか、もしかすると今、けっこう浅いかもしんない。そこから意識を下へ下へと持って行って、すこしずつふかくふかく呼吸してみる。これだけですこし落ち着くし、余計な力が抜ける。いまのいままで忘れてたけど、呼吸ってめちゃくちゃ大事だよね。

人生を上手く生き抜くためのポイントは、きっと「自分でコントロールできること」と「そうでないこと」をきちんと見

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27歳になりました

*昔のドラマとかでさ、こう、親子が喧嘩した後に息子が誕生日プレゼントを持ってて「あ…そういえば私、今日誕生日だ…」みたいなシーン、あったじゃない。あれ、じぇーったいウソだと思ってたんですよね。誕生日忘れることなんて、まあないだろう。なんなら1ヶ月前ぐらいから「もうすぐだなー」なんて思ったりしてるし、1週間前とかあとちょっとだ、前日なんて明日だ!って思ったりするもん。別に楽しみだからとかじゃなく、年

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言葉の土台

*いまから、もんのすごく当たり前のことを言います。もう、当たり前のことだから、きっと読んだあなたは、当たり前にびっくりしちゃうでしょう。でも、わざわざ「当たり前じゃないか!」なんて驚かないでください。当たり前のことを言いますって当たり前に書いてから、言うんだから。

「ぼくは、あなたが、好きです」ということばは、「ぼくがあなたを好き」だときちんと伝わっているからこそ、相手に届くんですよね。どう?も

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どこかじゃなく、誰かに会いに行く旅がしたいッ

*旅がしたい。世界がこの状況になったから旅ができていないわけではなく、ここ数年、ぼくは旅という旅をしていない。どこかに出かけたり、遠出したりはあるのだけど、どれもじぶんの中で「旅」ではなかった。そう思うと、さいごに旅をしたのはずいぶん前になる。19歳ぐらいの頃、バックパックでアジアを回っていたのがたぶんさいごの旅だろうか。

というのも、あんまり旅がしたいと思わなくなっていた。それよりはいろんな場

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止まったままの時間があります

*今日から、めっきり寒くなりましたね。なんだかんだまだあったかいなぁ、なんて思っていたのが、季節がちゃんと冬にうつった感じがある。これからぼくたちは冬のちょっときびしい寒さと付き合いながら、たくさんあたたまりながら、2021年の冬を過ごしていく。

きのう、電車の中で夏の曲を聴きたくなって、聴いていた。もうかさばるほどの冬服だし、もちろん寒い。でも、なんだか夏の曲を、その曲をよく聴いていた頃を思い

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対話は「本音を明かすこと」じゃない。

*二村ヒトシさんというアダルトビデオの監督が、作家の燃え殻さんとやっている「夜のまたたび」というラジオが最近のBGMなんですが、たびたび忘れられないワードが出てくるんだよなぁ。この前も、聴きながら仕事をする手を止めて、小一時間物思いに耽ってしまった。対話についての話のなかで、二村さんが「対話ってさ、自分の都合でものを言うことじゃなくって、相手の言うことを聴いてみて、自分が変わろうとすることでしょ?

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偶然はいつもC地点で

*この土日は岡山の山奥でキャンプフェスに行っていたので、まだ楽しみ疲れが取れません。めいっぱい楽しんだあとって、どっと疲れたりするよねー。種類としては気持ちいい疲れ
に入るんだけど、年を重ねたせいか、次の日がすこししんどくなってきた。でも、楽しかったなー。フェスなので気持ちいい音楽にも触れたし、おいしいものも食べたし、山奥で自然にもたくさん触れた。朝早起きして見てきた雲海なんか、絶景だったもん。

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自然に聴く

*そういえば少し前、知り合いの彫金職人さんのところへお手伝いに行った。大阪の山の方にあるアトリエで指輪をつくったり、オーナメントを作ったりしている方なのだけれど前々から興味があって、ちょっとお手伝いできることがたまたまあったので、向かったのだ。毎年クリスマスに作っているチャリティーオーナメントをつくる作業で、薄い金属の板みたいなものに模様をつけて紐を通す作業をした。こう、地面に置いてトンテンカンと

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おおきな耳を持つこと

*きのうはある大学で、授業をさせてもらったのですが、これがもうおもしろかったー。やっぱり、若いっていいね。言ってもぼくとそこまで歳は変わらない方々だけども、やっぱりあの若い頃のむじゃきさというか、馴れ馴れしさみたいなものは羨ましくも思う。「リアクションが薄いので、むづかしいですよ」とは聞いていたものの、そんなこたぁなかった。学生さんたちなりに、きっとぼくのほうにたくさん譲歩してくれてたんだと思う。

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大きさで一流を測る

*むかし、誰だったっけかなぁ、画家の友人に、こんな質問をしたことがある。「絵描きにとって、すごいの基準ってなんだと思う?きれいとか、絵が上手とか、それこそ稼いでるとかいろいろあると思うけど」と、まあまあ有名になりがちの友人に聞いたんだった。するとその友人はちょこっとだけ考えたあと、「大きさ、かな」と答えた。その答えがなんとも意外すぎて、ぼくは「お、大きさ?」とマンガみたいに聞き返してしまうのだった

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全身全霊の霊って、なんだ?

*「全身全霊」ということばを見かけて、ふと思った。全身は、わかる。じぶんの身体のすべてをかけて、臨みますってことだからね。でも「全霊」ってよくよく思えばなんだ?じぶんについている霊たちもすべてささげて、頑張りますってことなんだろうか。

まじめに考えてみると、そういうことなんだろうね。昔は先祖の霊とかが加護としてついていると言われていたからってこともあるだろうし、身体と魂を分けて考えていたってこと

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お弁当は、お手紙だ。

*そういえばこの前、「弁当の日」って映画を観たんだけど、お弁当を久しぶりに食べたいなぁと思ったのだった。それも、買って食べるやつじゃなく、もらって食べるほうね。あれ、いいよねえ。おいしいとか以外のところに、お弁当の良さってあるじゃない。

思い返せばぼくも、昔はお弁当をつくっていたもんだ。一緒に暮らしていた彼女が保育士で朝早いもんだったし、どこかにランチに出れるわけもなく、コンビニとかで済ませてい

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