どこかじゃなく、誰かに会いに行く旅がしたいッ

*旅がしたい。世界がこの状況になったから旅ができていないわけではなく、ここ数年、ぼくは旅という旅をしていない。どこかに出かけたり、遠出したりはあるのだけど、どれもじぶんの中で「旅」ではなかった。そう思うと、さいごに旅をしたのはずいぶん前になる。19歳ぐらいの頃、バックパックでアジアを回っていたのがたぶんさいごの旅だろうか。

というのも、あんまり旅がしたいと思わなくなっていた。それよりはいろんな場所にお出かけしては帰ってきて、たくさん感じて考えたりしたい。昔はいろんなところに行きたい!と思って海外を回ったり、日本中を駆け回ったりしていたけれど、その反動があったのかもしれない。

いま、ぼくはどんな旅がしたいだろう?と考えた。「どこか」に行く旅もいいけれど、今は「誰か」に会いに行くような旅がしたい。目的地が「場所」ではなく、「人」であるような旅。会いたい人が、じつはたくさんいるのだ。会ってみたい人もたくさんいる。それは特定の人物がほとんどだけど、もっと抽象的でもいい。田舎のスナックで飲んでいる、ちょっとへべれけだけどやさしいおじさん、くらいの人にも会ってみたい。

遠いからとか、まとまった時間が取れないからとか言い訳をして、会えてない人がたくさんいる。後回しにしてしまっていたことがある。そんな人たちに会いに行く旅なら、ぼくは今してみたいなぁ。どこかに行きたい、は特にない。でも、あの人に会いたい、を拾い集めて行くような、そんな旅が、今はしたい。オンラインで話せたりするし、SNSでやりとりはさせてもらってるんだけど、そういうことじゃない、会いたい人がいるんだよなぁ。顔を見て、笑ったりしながら話してみたい人がいる。旅って、こういう旅もあるんだなぁとぼくは脳内を旅しながら思ったのだった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?