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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2021年10月の記事一覧

物語は読んだ人が

*絵本を取り扱ってくださるお店様や書店様が増えています。ほんと、ありがたいかぎりです。自分の足を運んで「おいてください!」と頼み込むこともあれば、連絡をいただいたり、友人が紹介してくれたりと…いろんな地域のいろんなお店で、絵本『やさしいて』は手にとっていただけますよー。偶然出会って、手にとってくださる方がたくさんいらっしゃってもうれしいね。

今日、目の前で絵本を読んだ母親の方がぶわーっと涙を流し

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「リ・アクション」なんだ。

*おいおい、おいら、とんでもない事実に気付いちまったよ。え?どんなことか、ちょっと言ってみろだって?そうだな、言ってもいいけどな。おお、そうだ。おまえ、「カネより大事なものはない」ってよく言うあれ、どう思うよ?おいらは、そんなことねえと思うな。カネより大事なものなんて、たっくさんあるよ。え?例えばだって?例えば、ほら、ごにょごにょ…あれとか…それなんてのもそうだな、おお。ん?聞こえないだって?そり

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まちがいさがしは簡単だよー?

*「まちがいさがし」ってゲームがある。左右の同じような絵に描かれたものの「まちがい」をいくつか探して遊ぼうってものだ。なにがちがうか、どこがちがうか、色や大きさ、ちょっとした機微に注視しながらよくよく見ていく。ま、誰もが一度は遊んだことあるでしょうな。

「まちがいさがし」って、まあだいたい5分くらいで終わるもんでしょう?長くても10分や15分、それ以上はなかなか集中力も持たないし、飽きてきちゃう

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魔法が解けてからがスタートさ。

*「魔法にかかったようなとき」って、なーい?なに?魔法なんてあるわけないだって?いやいや、あるかどうかはちょっと置いといてさ、魔法にかかったようなときってないかい?あるでしょう?ちょっと振り返ってごらんよ。たぶんあんたさんの人生の中でも「ふしぎだなぁ」って後から思い返すようなこと、あったんじゃなーい?

例えば。「好き」ってのはひとつ、魔法だよ。「私はこれが好きなんだ!」って好きなものを見つけて、

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人からどう求められるか。

*歩いてきた道のりを振り返りながら思うのは、「じぶんがじぶんの意思で変わってきたようなこと」ってあんがい少ないんだよなぁってこと。もちろん、ないことはないよ。「こっちの場所に行こう!」と自分を移動させたこともあるけれど、それでも多くは「周りからの影響」が強いように思う。周りを、外側とも、他者とも、触れたものとも言い換えてもいい。抑圧にも近い、刺激とも言えるそれらによって、ぼくらは意外にも自分を変え

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好きは深さじゃない

*「好きなもの」がある。きっと、誰しも好きなものがある。「好きなものなんてありません」って人は。なんだかんだたぶんいないんじゃないかなぁ。正しくいえば「好きなものが分かりません」だったら、まぁ、分かる。好きなものがなく生きていけるってことはそうないのではないか。ちいさかろうがおおきかろうが、ある程度の「好き」を積み重ねたり散りばめたりしながら人は生きているもんだ。

「好き」の話をすると「この程度

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よろず文化祭でしたっ!

*土曜日は、お友達の紙芝居屋のガンチャン主催、「よろず文化祭」でした。舞台、演劇、お芝居、ライブ、落語に漫才コントなど、総勢30組もの演者さんが出演して1日を彩る、大人の文化祭。いやー、おもしろかったー。ありとあらゆる舞台芸術を1年分、ごそっと見た感じでしたよ。ちなみにあたしは、「抱きしめ亭今夜」という芸名(?)で創作落語をば一席おつきあいいただきましたゆえ。ちなみにネタの題は「ピロートーク」でヤ

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本屋さんのサブスクリプション

*そうそう、本屋さんで話していたのだけど、「本屋さんのサブスクリプション」みたいなのって、どうかなー?や、もちろんもうあるのかもしんないけどね。例えば、毎月2000円という金額を本屋さんに払う。で、本屋さんが毎月、その金額内で本をプレゼントしてくれるわけ。あ、いざ文字に起こしてみるとありそうだな、これ。

ま、分かりやすいのは「書店員さんが選ぶ、その人へのオススメ本」だろうけど、べつにそんなんじゃ

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動かしている筋肉じゃなく、勝手に動く筋肉に注目する。

*きのう、神戸にある本屋さんの店主と「本屋さんを営む上で、身についたスキルというか育ったものはありますか?むずかしければ、店内でよくやるひとり遊びとか」なんてことを話していた。発端はたしか「お客さんの買われていく本を見ながら、この人はこんな人かな〜なんて考えます?」だった気がする。誰しもが脳内で本棚を抱えていて、その読んだ本や触れたことばたち、考え方によって形成されている、というのがぼくの考えでも

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打席に立つのって、こわいよー。でも、でもだよ。

*入ったお店でたまたま流れていたプロ野球で、若い人が三振をした。実況によると、どうやら今日はこれで四三振だという。あ、四と三がくっついちゃったから変な感じになっちゃったね。その選手は神妙な顔つきをしながら、ベンチに帰っていった。

その姿を見ながら酒を飲み、おいらはいろいろ考えるのであった。打席に立つのって、こわいよー。ホームランを打てるかもしれないけれど、三振するかもしれない。ヒーローになる可能

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分からないは、信じれるかも

*ぼくらは小学校や中学校の頃に、授業で「この問題、分かる人ー?」って手を上げさせられていたね。で、分かる人の中でも自信のある人がばばばっと手を挙げていくわけだ。手を挙げている人たちがみんな正解しているわけでもないし、手を挙げていない人たちが分かっていないわけでもない。ほんとうにわからない人もいれば、分かっているけど手を挙げていない人だっているだろう。あ、ぼかぁ、自信たっぷりに手を挙げたもののよく間

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その人の声と話し方で

*ぼかぁ、生粋のほぼ日ファンなので、もちろんのこと「ほぼ日の學校」にも登録しているのでありんす。ほぼ日の學校、ほんっとすごいよ。おもしろいのはもちろんだけど、やっぱり講師陣のバリエーションがすごい。こんなの、他にどこができるんだ!って思うくらいの人たちが、有名無名問わず、ずらりと並んでいる。しかもその授業がこれまた、ぜーんぶおもしろいんだ。おれもさっそく、授業をいくつも聴いている。

なかでも、穂

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思い浮かべるひとがいる。

*おいしいものを食べているとき。おいしい。うまい。もっと食べたい、なんて思いながら「あの人と一緒に食べてみたいなぁ」なんて思う人がいる。それはべつに恋愛感情の話だけじゃなくてね。友人でも家族でも今はもう疎遠になった人でも、思い浮かぶことがある。「あの人、みょうが嫌いって言ってたけど、このみょうがの天ぷらを食べたらびっくりするだろうなぁ」とかね。今頃そいつはみょうがをばくばく食べてて、おいらは「ぎゃ

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遠慮しない人はのびますよ

*大阪に「iTohen」というギャラリーがあります。どの駅からもけっこう歩くのだけど、ぼくも何年も前からちょこちょこ通ってるギャラリーでね。展示をさせてもらったこともある。来年で20年っておっしゃってったけ、歴史のあるギャラリーさんだし、ほんとうに素敵なお店ですよ。流れている空気も、展示も、置いているものたちも、洗練されている感じがある。

鰺坂さんというオーナーの方と、毎回すこしだけおしゃべりを

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