魔法が解けてからがスタートさ。

*「魔法にかかったようなとき」って、なーい?なに?魔法なんてあるわけないだって?いやいや、あるかどうかはちょっと置いといてさ、魔法にかかったようなときってないかい?あるでしょう?ちょっと振り返ってごらんよ。たぶんあんたさんの人生の中でも「ふしぎだなぁ」って後から思い返すようなこと、あったんじゃなーい?

例えば。「好き」ってのはひとつ、魔法だよ。「私はこれが好きなんだ!」って好きなものを見つけて、ただただ夢中でやり続けていたとき。「ああ、この人が好きだ」ってひたすらに思い続けていたとき。自分では気付かないくらい、そのものに肩入れしているというか、心が入れ込んでいる。もちろん、いいことさ。好きってのはすばらしいこった。

他にも、なにかに突き動かされるような瞬間。尊敬する人となんかこう、心が通じ合ったような気がするとき。そういうときってのは、魔法にかかったように動けるもんだ。自動操縦に近いレベルで自分がよく動く。好きな人のために、好きなもののために、動いたり見たり感じたりしていたあの瞬間は、まさに「魔法にかかっていた」って言ってもいいんじゃない?

ただね、魔法ってのはかならず解ける瞬間がくるのよ。ぱっと魔法が解けて、好きなものを前まで好きじゃなくなってきたとき。勘違いに気づいたとき。ふと我に返った瞬間。魔法が解けるような瞬間がそこにはある。落ち込んだりもするだろうけど、あえて言おうじゃないか。魔法が解けてからが、スタートなんじゃないかい?

魔法が解けた「それ」をどこまでしがみつけるか。愛せるか。そこからがスタートなんだよ、きっと。好きを長続きさせる方法も大事だし、好きの魔法が解けた後、魔法に頼らず好きでいれるか、みたいなね。武田鉄矢さんがラジオで言ってたんだよなー。「愛する理由がなくなってから一緒にいるのが、本当の愛の始まり」って。このことばには、なかなかしびれたもんだった。


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