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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2021年4月の記事一覧

短歌2

*さあさ、今日も短歌を書き残しておこうかな。解説を入れるのはあまり好きではないけれど、ちょっとしたおまけ程度に添えておくことにしよう。では、いくぞ!いいか?いくぞ!でいくんだぞ?いくぞ?準備は、いくぞ?

 
「ねえみんな、今夜もあたし綺麗だよ」月の広告代理店より

こちらは、ちょっと前の満月の時かな。月はいつだって綺麗だけど、満月の時にしかなかなか見ようとしないものですね。しゃべれない月に代わっ

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こころまで縛られたくない

*歯医者から、定期検診の連絡がやってきた。というか、今の歯医者ってそんなのもやってるんだなぁ、とおどろいたものだ。たまたま知り合いに歯医者関係の人が多かったからか、歯医者は予防が肝心なんだという言葉をよく聞くことがある。虫歯になってから行くんじゃなく、きちんと予防で来てもらうんだよ、と。なるほど、たしかにとうなずいていたぼくにさっき、そんな「予防できてますか?」というメールが届いたのだ。

しかし

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愛がなくても愛せるような

*見知らぬ人に、やさしくしたことはありますか。
ううん、この質問はちょっと答えにくいかもしんない。じゃあ、逆に、見知らぬ人にやさしくされたことはありますか?ならどうでしょう。注釈として「見知らぬ人」の部分には、そこまで仲良くない人だったり、はじめて会う人でも、なんだったら嫌いな人を入れたって良いです。そんな経験、ありますか?

たぶん、思い返してみたら一回くらいあると思うんですよ。そのやさしさが、

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誰かの椅子を奪うことなく、自分の居場所をつくれたら

*そもそも、場所なんて用意されていないのだ。有名人とか、その道の第一人者とか、なんだか偉い人でもない限り、いやそうであったとしても、だいたいは「自分の場所」なんて用意されていない。そのことに、ちょっとずつ気がついてきた。ぼくの場所なんて、さいしょからぽっかり空いているわけじゃないんだよ。居場所なんて、ね。

ぼくが生まれる前はじゃあ、ぼくの場所がぽっかり空いていたかい?そんなことはないだろう。ぼく

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完結されない命

*ぼくたちの生命は、いや、ぼくたち人間を含めた生命は、自分自身だけでは完結できないように設計されているらしい。そんなことばを、どこかで聞いたことを思い出した。友人の自然界に詳しいおじさんだっただろうか。

食物連鎖なんて、まさにそれをあらわしている。食べて食べられ、生態系のピラミッドができあがる。ピラミッドと表現するからカースト的な意味合いを連想してしまうけれど、たぶんほんとうの生態系は、緻密な歯

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内着と外着と

*これを書いている僕は、いま喫茶店にいる。あたりをじいっと見回してみた。おじいちゃんが4,5人と、おばあちゃんが2人くらい。若めのおじさんが2人ほど。服装を見ていくと、おもしろい。土曜日だというのにおじいちゃんたちは示し合わせたように綺麗なドレスシャツの上にベストを羽織っている。対して、若めのおじさんは2人ともパーカーだ。パーカーって確かに、休日っぽい気がするよなぁ。

ぼくが普段、スーツを着ない

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ありあわせに満ちている。

*積み上げられてきたものは、ほとんど「ありあわせ」である。と、ちょっと強引に書いてみた。こんな断定口調で書いちゃったら、「そんなことないだろ!」って反射的に思っちゃったりするよね。いやもちろん、断定するつもりはないんだよ。そんなつもりはないんだけどさ、こう書いてみたってだけなんだ。ああ、また前置きが始まっちゃった。さいきん自分でも思うし、他人から「前置きの多い人ですね」っておこられたばっかりなのに

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幸福をかき集めて

*あんまり好きな言い方じゃないけど「幸福度」ということばがある。どこでどのようにして測られてるかは知らないけど、世界の幸福度ランキングなんてのも耳にしたことがある。この幸福度って、瞬間瞬間で変わりそうなもんだよね。告白する前と、告白に失敗した後じゃあ、そいつの幸福度は天と地の差があるように思うし。

いや、とくに幸福度について言いたいことがあるわけじゃなくってね。みんなそれぞれが感じている「幸福度

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甘いいもと甘いうた

*さあさ、昨日に短歌にハマっちゃってるって書いちゃったから、引き続き短歌をば。
これらはスイートポテトをつくりながら、焼きあがるのを待つ時間に書いたものたちです。

いもももも ももももももも ももももも もももうまいが いももうまいぞ

イノシンさん グルタミンさん グアニルさん 「酸」だと知らず 「さん」付けしてた

すいーとぽ てとを見分ける コツはだね ごまがありゃメス ごまがなきゃオス

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枠にあてはめるからこそ

*さいきん、短歌にハマっている。ことあるごとに、おもしろそうなワードや出来事、思ったことがあれば五七五七七の三十一文字にできないかとあれこれ考えている。

海老で鯛 を釣った魚と酢の飯で 一本釣りする きみのご機嫌
しわくちゃの Tシャツを着て はなればな れになる前に もういちどだけ
原材料 表記の中には 見当たらない きみの手料理 おいしいひみつ

なんてのを、さいきんつくった。どれもまだ推敲

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好きなことを仕事にする

*「好きなことを仕事にする」という考え方が流行っていた時期がありました。(今も流行っているのかな?)もちろん、すばらしいことではあると思うんだけど、ぼくはその考え方に、なかなか馴染めなかった人です。やってみようとしたこともあったけれど、あまり仲良くなれなかった感じかな。はじめようとして妥協したクラシックギターにちょっと似ている。

べつに仕事にしなくてもいいじゃない、お金を稼げなくても好きでいたら

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かすれていく

*「かすれていく」。と、ひとことだけメモをしてあった。世の中のほとんどのものは、かすれていくんだと思って、たぶん書き留めたんだろう。たしか「たいせつなものは、みなかすれていく」と書こうとしたんだけど、べつにたいせつかどうかは、関係ないと思って前半部分を省いた(はず)。いろんなものは、時とともに、または時のおかげかせいか、かすれていくものだ。

記憶も、かすれていく。薄れていくというより、すこしずつ

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やさしさにも好みはある

*歳を重ねると好き嫌いが変わるというけれど、若い頃は「うそつけー」と思っちゃってました。おれはたぶん、歳をとってもオムライスが好きだし、オムライスの好きなおじいちゃんになるぞ!と意気込んですらいたものです。いや、しかし、きちんと思い返してみれば、たった二十そこらの僕みたいな若造でも好みって変わってきているんですよね。いや、いまだにオムライスは大好きなんだけど。

なにも食べ物の話だけじゃなくて、人

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100万円で生まれ変わる

*「100万円もらったら、なにをしますか?」という質問を、わりとねちっこく考え続けたことがある。投資しますとか、そんなこと以外でじっさいにタメになる、いっきにそんなお金が入ったからできる使い方はないだろうか、とじいっと考えていた。すると出てきたのが、100万円で手軽に生まれ変わりたい、だったのです。

「生まれ変わる」方法は、いくつかあります。ぼくが経験はないけどイチオシするのは「服を全部入れ替え

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