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 後に私たちは振り返ることだろう。「スマートフォンの登場が生活を激変させた」と。

 すでに小学生どころか幼稚園児も持つのがスマホ。おもちゃ代わりに持たせるといつのまにやら使いこなしている。日本の人口と同じ台数が活躍。“個人情報の塊”となった端末を一台必ず手元に置き、一日24時間ともに生活する。もはやアバター。

 携帯電話とはもはや名ばかりで、今や通話する機会はビジネス利用をのぞけば極端に減り、端末の役割はネット通信が主だったもの。

 そこにダウンロードされた「アプリ」

が、私たちをどんな世界にも連れていってくれる。それこそ多種多様なアプリが毎週のようにアプリショップには登場しているが、やはり人気は無料で導入できるもの。世界の街角にもすぐに行けるしゲームアプリも同じくだ。

 ただ無料にはルールがあり、個人情報や使用履歴が、作成者のもとにあり、これをいかようにもビジネスに活用することが出来る対価として、使用が許される。有料のものは仕事で活用するためにどうしても入れなくてはならないもの以外、特に必要と感じさせるものは少ないのだ。

 ただ何となくスマホ購入当初に入れたアプリはある。

 スマホが登場した頃のアプリは外国、特に米国発のものばかり。まだその頃には日本の企業も、世間を席巻する様な優れたアプリの開発能力はなかった。それが何時の頃からか、様子が変わり、今や韓国や中国などのアジア発のアプリが取って代わるようになっている。

 スマホゲームはほとんどしないのでゲームアプリ事情は良くわからないものの、それ以外のビジネスやショッピング、ライフスタイルに関したものは相変わらず、日本の企業からこれといったアプリを開発して、世界中で使われているという話は聞かない。それは一体なぜなのか。

 米国のカリスマIT企業を総称し「GAFA」と呼んでいる

が、すでに業界で飛ぶ鳥を落とす勢いなのは中国の企業。どちらもいわゆる「プラットフォーム企業」である。様々なサービスの入口として、利用する場所を提供するこうした企業は、一旦、シェアを握ると、いやが応でもそこを通さないと、ビジネスが成り立たない。日本にも同様のサービスを行う企業はあっても、利用者数が桁外れに違うので、いつまでも主導権を取れないのが実情である。

中国発スマホアプリが世界を席巻

 もちろん中国では国策として、IT戦略を拡大していて。今、世界中で最も多くの留学生を派遣する「留学生大国」でもある中国。そして彼らの中国への帰国ブームがピークになっている。これもまた中国政府の国策なのだ。特に米国に留学をして、米国企業で活躍をしてきた留学生が、帰国してベンチャー企業を立ち上げ成功するケースが後を絶たない。

 留学生たちが最も勢いのある中国を支える原動力

 スマホの製造メーカーも中国の企業が米国や韓国を圧倒し始めたが、ハードだけではなくソフトの部分でも、米国に負けない進化のスピードを支える彼ら達。

 「アリババ」はすでに世界トップシェアのネットEC企業

 「テンセント」は、すでに「GAFA」の仲間入りを果たしたとも言われている。「バイドゥ」は日本ではあまり馴染みがなかったが、スマホアプリの分野で存在感を示している。

 アップルに替わる存在としては「レノボ」がある。「シートリップ」はオンライン旅行代理店として、中国最大規模に成長。他にも米国だけではないガリバー企業が、この分野には沢山ある。

 例えば、昨年話題になった「シェアバイク」や、昨年日本で元年になった「スマホ決済」など、中国ではいち早く、巨大なIT企業グループが子会社やベンチャー企業への投資で、その分野のシェアを奪い、覇権を競って一気に普及を図る。

 米国政府は通信大手のファーウェイなど5社を閉め出し

情報を盗み出す恐れがあるとされたのだが、IT企業は合法的に集めた情報を国の意向で拠出すれば、安全保障にも影響する存在である。

 すでに日本の若者達はどの国発祥のサービスなのかなどは眼中にない。面白くてコスパが良く、人に自慢できるものなら、すぐにそれを取り込む。知らず知らずに自分の情報が利用されたとしてももはやこの流れは止められそうもない。

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